そして、会場のファンにウェーブを見せてほしいというお願いから、「昨日元気がなくて心配で、みんなに元気にやってほしい」という話から、自分たちがやってもらいたいテンションでのデモンストレーションをやりだす2人。大きな声で「ヤー!」という声を出して、座って両手をいっぱい上げて立ち上がり、2人でウェーブしている姿が、何ともかわいくて微笑ましい。会場から何度も「もう一度見せて!」とリクエストがかかり、2人が応える。そして、JAEJOONGが「ジュンスヤ、こんな遠くて寒いところまで来てくれてるみんなだからできるって!」と会場をあおる。デモンストレーションのように大きな声でやるウェーブは、バンドの生BGMも加わり、2人の期待通りにできて、満足げな2人だった。
XIAが「今日はやる気、いいなあ。昨日は天気のせいだよ。僕も寒かったし…」と話した後、「ちょっと切ないお知らせがあります。あっという間にライブは、次の曲が最後です。知らない間に時間が過ぎちゃって…。盛り上がっていきたいですね」と伝えると、JAEJOONG「ダンス曲ね、今日も緊張してるんですよ」、XIA「でも、できるじゃん」とのやりとりから、ダンスナンバーへ。
「The Way U Are」「呪文 -MIROTIC-」とインパクトの強い曲でさらに会場のボルテージを上げていく。
「呪文 – MIROTIC」の最後では、メインステージがせり上がり、2人が手を広げてステージ後ろの奈落に飛び降りるミュージカルのラストのような劇的なエンディングに、観客も息をのんだ。
アンコールでは、会場のファンがJAEJOONG作詞作曲の「忘れないで』を合唱。声を合わせて2人に届ける歌声は、会場のグリーンとピンクのペンライト同様、とても美しかった。
その歌声を聴いて、学生服風にネクタイを締めた衣装の2人が「HUG」を披露。「♪하루만 너의 고양이가 되고 싶어(1日だけ君の猫になりたい)~」のフレーズをJAEJOONGが歌うと、XIAが「ニャ~」と恥ずかしそうにかわいく合いの手を入れる。XIAが「♪내 마음이 이런 거야(僕の心はこうだよ)~」と歌うと、JAEJOONGが膝を突いて、プロポーズするようなしぐさをして、XIAがJAEJOONGの顔を手で覆い、そして「♪너무 감사해(本当に感謝してる) 많이 행복해(とっても幸せ)~」のところでは、2人でハグをするという、ミュージカルのワンシーンのような「HUG」に会場は沸いた。ダンスもオリジナルの振り付けで、懐かしく思い出された。そしてトロッコに乗って「風船(Ballons)」を歌い、会場のファンにサインボールを投げながら、アリーナ外周を周り、ファンを喜ばせた。
そして歌い終わってステージに戻ると、着ている衣装のジャケットなどを「スタイリストさんに怒られるかも」と言いつつファンに投げてプレゼント。
その後、ジャケットを脱いだJAEJOONGのシャツの背中に携帯カイロが貼ってあることが発覚し、XIAが「ずるいじゃん!!(背中を向けて)なんもないのに~!!!」と背中を見せる。このやりとりが、本当に面白かった。台本にないフリーな会話が普通に日本語でできる2人の絶妙なトークが、会場のファンを楽しませる。おまけにこの貼ってあったカイロまでファンにプレゼントするという面白さ。
そんな会話の後、XIAの誕生日だったので、会場から「誕生日、誕生日」のコールが掛かる。
本来違うタイミングでJAEJOONGがサプライズで用意していたようだったが、韓国語でJAEJOONGがスタッフに変更の指示を出して、生バンドの演奏とともにみんなで「Happy Birthday to You」を歌って祝う。そのあと「Congratulations」のバンドの演奏とともに、フリーで楽しいダンスを踊りだす2人が、すごくかわいかった。そして、ダンサーも出てきてお祝いをして、フォトタイムへ。
XIAは「日本では久しぶりのステージで、JAEJOONGと久しぶりに(ステージに)立って、懐かしい曲も全部歌えて、このコンサート自体が僕の最高の誕生日プレゼントでした。何よりも幸せなプレゼントをもらった感じです。永遠に、『♪忘れないで~』 忘れられないと思います。これからもがんばって、みなさんの笑顔を見られるようにがんばります」とコメント。
JAEJOONGもダンサーを紹介した後、「みなさん、こんなに大きな拍手をいただける僕らは幸せです。次の曲が最後になりますが、これからも2人の個人個人の活動も応援してください。2人の活動はまだどうなっていくか予定はまだないんですけど、2人でこうやって同じステージで歌っていると、またこういう幸せを感じたいなと思います。また新しい新たな将来、未来に希望をかけていきたいなと思います。たくさん来てくださってありがとうございます」と感謝と希望を伝えてくれた。
そして、練習生時代からのダンスの先生であり歴代の数々の曲を振付師として担当し、今回の素敵なステージも作ってくれたチョン・ゴニョン氏を紹介。ゴニョン氏とダンサーを加えて、JYJのダンスナンバー曲「Empty」を華やかに歌い踊り大団円。会場は、最高の盛り上がりを見せた。
ダブルアンコールが掛かり、名曲「Love in The Ice」(Japanese ver.)を、言葉を大切にしながら歌っていく2人に、引き込まれ、心を揺さぶられていく。息を止めて聴き入ってしまう、極寒の会場に響く「Love in The Ice」は、格別だった。大きな会場でステージにいる2人に全視線が集中し、改めてとりこになっていく感じがわかる。
やはり、この2人の歌声は、心に残り足跡を付けていく。
「また会いましょう」の声で終えると、またアンコールの声が上がり、何とトリプルアンコールに応え、2人が挨拶に出てきて、ファンからの熱い思いに深いお辞儀をして応えて終演した。
20年前にタイムスリップしながら回顧していった時間、そして今でも第一線に立ち続ける2人。第5世代がK-POPを引っ張る時代に、第2世代を引っ張ったレジェンドの2人がJXという新たなユニットでまた一歩踏み出した。
『JX 2024 CONCERT <IDENTITY> in Japan』の最後のエンドロールのSUPECIAL THANKSは、2人のファンクラブへ、そして“EVERYONE WHO HAS SUPPORTED US FOR 20 YEARS AND IN THE FUTURE”と書かれ、“20年間、そしてこれからも私たちを支えてくださるみなさま”という言葉で締めくくられていた。2人のスケジュールを合わせるのは大変だろうが、これからのJXとしての未来の活動も期待したい。
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