2016年にデビューするやいなや、立て続けに4本もの作品に出演し、作品ごとに違った顔を見せることから“怪物新人”“次世代ライジングスター”と呼ばれる若手実力派No.1俳優ヤン・セジョン主演最新作のヒーリングラブコメディ「30だけど17です」が、現在TSUTAYA先行でDVDレンタル&発売中。本作では、心を閉ざして人との関わりを持たない冷血漢でありながらも、根は優しくて繊細なウジンを抜群の演技力と自身をシンクロさせ、視聴者から絶賛され、韓国で放送スタートと同時に同時間帯視聴率トップの座を獲得し、最終回まで1位を独走。2018年末に行われたSBS演技大賞では5冠を達成し、ドラマの人気ぶりも証明した。今回DVDリリースを記念して、主演ヤン・セジョンのオフィシャルインタビューが到着!演じたキャラクターの魅力や、共演者について語ってくれた。
―まず、本作に出演を決めた理由を教えてください。
一言で表現できると思います。台本を頂いて読んだとき、癒しを感じました。笑いながら読んでいる自分もいて、胸の中にある暗い部分が浄化されていくような、日常生活での治癒を感じられたので出演を決めました。
―演じたコン・ウジンというキャラクターに魅力を感じたのは具体的にどんな部分ですか?
ウジンは、自分の興味があることを目の前にすると、人の目を気にせずに突き進みますよね。彼は純粋だと思いました。ソリ(シン・ヘソン)は17歳の精神年齢で体は30歳だけど、ウジンは17歳の心で出かけたまま、そこからその場所に止まっている人物なのではないかと思います。自分の中にある純粋な面や性格を遮断しているけど、ジェニファー(イェ・ジウォン)とソリ、チャン(アン・ヒョソプ)、そしてドクス(チョ・ヒョンシク)とヘボム(イ・ドヒョン)との関係の中で変わっていく、そういうシチュエーションも楽しかったです。外の世界を遮断した状態の中、ソリによって変わっていく姿をどうやって表現しようかと考えましたし、楽しみながら撮影にも臨めました。ウジンが持つ心の傷や欠如している部分を解いていく過程が、魅力的に感じられましたね。
―舞台デザイナーを演じられましたが、役作りにあたって何か心がけた点や努力した点はありますか?本作でも香りを変えたり、演じる上でキャラクターのキーワードを決めたりだとか工夫されたことはあるのでしょうか?
今回のキャラクターのキーワードは特に決めていませんでしたが、香りは変えましたね。撮影の序盤から使っていた香水は撮影が終わる2~3週前に使い切ってしまって、終盤では別の香水を使っていたんです。今回はウジンに似合いそうな、近寄りがたくて、強い香りのする香水を選びました。ウジンの性格を表現できる香りだったと思います。ドラマの最初の部分で、ソリとジェニファーに出会ったとき彼らとの間に壁を作るじゃないですか。ぴったりだった気がします。他に気を使ったところは台本と、一緒に演じる俳優さんに集中していました。面白くない回答ですみません(笑)。そういえば、エピソードがあって…山男のような姿のシーンを最初に撮影したんです。その後に、髪を切ってひげを剃ってから次の撮影が始まる前に監督の横に立っていたら、冗談ではなくスタッフが「どちら様ですか?」って聞いてきたので、「僕、セジョンですよ。ウジン役の。」って言ったら、全然違うって言われてしまいました(笑)。
―前作「愛の温度」のジョンソンとはご自身はまったく違うとおっしゃっていましたが、今回演じられたコン・ウジンとご自身との似ている点はありますか?
ウジンは、自分が興味のある物を見ると他人の目を気にせずにメジャーで自由に計っていましたが…僕はそういう性格ではないです。何か集中することがあっても、他人に迷惑をかけまいと思う性格ですね。似てる部分は、あまり外見を気にしないところかな。ウジンが外見を気にするシーンもありましたが、山男のような姿を見ると、普段からそんな感じだと思うんです。でも、性格などはウジンとは正反対というか…似ている部分は無いですね。
―ウ・ソリを演じたシン・ヘソンさんと共演されていかがでしたか?
僕たちの撮影シーンはほとんどワンシーン・ワンカットだったんです。NGもほとんど出さずに、スムーズに撮影していました。本当に息がぴったりでした。ヘソンさんはとてもさばさばしていて、すぐ打ち解けられるところが魅力的な方です。誰とでもすぐ仲良くなれて、とても正直なんです。お互い相性はばっちりだったと思います。
―後にソリに思いを寄せるようになるいとこのチャンを演じたアン・ヒョソプさんと共演されていかがでしたか?チャンとのケミがとても良かったですが…
ヒョソプさんは、本当にいい子です。最初の頃、ヒョソプさんと早く仲良くなろうと努力していました。今も仲が良いですが、よくヒョソプさんの方に目が行ってた様な気がします。彼が常にリラックスできる現場であって欲しいなと思ったし、その為には僕自身がウジンというキャラクターと早く仲良くなろうと思っていました。ヒョソプさんとのシーンで記憶に残っているシーンは、家に幽霊がいるみたいだと2人で抱き合ったシーンです。
―セジョンさんが考えるソリの魅力はどこだと思いますか?
30歳のソリは、いつの間にか世界が変わってしまっていて、知りたくなくても知らなければいけない事実をいつの間にか知りますよね。僕セジョンとしては、そういう状況に遭遇した人の感情などが気になりました。気になるということは、興味があるということじゃないですか。それから、身体は30歳でも精神年齢は若いことって、無いようでも実際にはありますよね。たとえば年齢が40歳でも、精神年齢が10代のままのようなとても純粋な人。そういう部分がとても魅力的だったと思います。僕と正反対のウジンだけが感じたソリの魅力は、ソリは自分の感情に素直で、いつもそれをあらわにしていたところじゃないかな。ウジンはそうじゃないから、自分と反対の人と接することによって、そういった所を魅力に感じたんだと思います。
―セジョンさんが考える、ウジンのソリに対する気持ちが変化したタイミングはいつだったと思いますか?
ソリと接するにつれて凍てついた心が溶けた気がするのですが…
気になり始めたのは、たぶん家での出会いだったと思います。ベッドでチャンと間違えて、「プー」ってするのですが、その時からソリが気になり始めて、時間が経つにつれ自然とその感情が進行形になったんだと思います。人の感情って、ある瞬間がきっかけでいきなり惹かれることもあるけど、第一印象が大事だと思うんです。その人を長い間知ることで分かっていくこともあると思うので。
―セジョンさんから見て、逆にソリはウジンのどこに惹かれたと思いますか?
ソリになった事がないのでよく分かりませんが(笑)、たぶん自分のことを心配してくれてるかもしれないとわかったときに魅力を感じたのではないでしょうか。ツンデレのように、心配なんかしていない素振りを見せながら、心配している感じかな。
―演じられていてご自身がドキドキしたシーンはありますか?
坂道でのシーンは、監督がほぼ1台のカメラを使ってロングテイクで編集せずに撮ったシーンなんです。荷物を持っていってあげるシーンだったのですが、そのシーンがドキドキするシーン…ではないかも知れませんが突然思い出しました(笑)。その時の印象が強く残ったのは、良い思い出だからですよね。
―ご自身のシーンで、一番気に入っているシーンと、その理由を教えてください。
ドラマが終わってからも思い出すシーンなのですが、ウジンは悩んでいる時にいつもベンチに座ってじっと月を見上げたり、木を眺めたりしていたんです。その時にジェニファーがやってきて、自分の経験について話してくれるシーンが記憶に残っています。ジェニファーとのシーンは好きですね。一緒に木を眺めながら、ウジンが「時間が過ぎ去ってしまえばいいのに」と言うと、ジェニファーがウジンにアドバイスをしてくれるんです。そういったシーンが心に残っています。
―印象に残っているセリフはありますか?
僕のセリフより実はジェニファーのセリフが記憶に残っています。一番気に入っているシーンと同じなのですが…。ベンチに座って交わす会話が印象的です。「時間が過ぎ去ればいいのに」と僕が言うと「どうせその時間は過ぎていく時間だから、後悔しないように過ごして欲しい」というような内容のセリフです。時間が過ぎてしまうと、二度と戻らないから…そんなセリフでした。強く記憶に残っていますね。
―アドリブなどありましたか?それはどんなシーンですか?
(チン・ヒョン役の)アン・スンギュンさんと(カン・ヒス役の)チョン・ユジンさんと共演する会社のシーンでアドリブが特に多かったです。特にスンギュンさんとのアドリブが一番多かったですね。監督から止められたこともありましたが(笑)。彼も僕のアドリブを受けとめてくれたので。楽しかったです。
―撮影裏話や、空き時間の想い出など、撮影エピソードを1つで結構ですので、教えてください。
ジェニファー役のイェ・ジウォンさんとのベンチのシーンで、ジウォンさんが突然大粒の涙を流されたことがあったんです。詳しい理由は分かりませんが、その気持ちが僕にはなんとなく分かるような気がしました。その時の照明と、感情を引き立てるシチュエーションとセリフ。僕の中ではとても良い思い出なんです。偽りじゃない真剣な気持ちで演技をしてらっしゃるというのを目の当たりにしたので。その時のジウォンさんの姿、それを見つめるスタッフたちや僕の深い感情。だからこそ、より集中できたんだと思います。とても良い思い出で、一番印象に残っている記憶です。
―本作の見所を教えてください。
見所はウジンが徐々に変わっていく過程、その過程が全ての関係性に影響していく姿だと思います。ジェニファーにも、ソリにも、ヒョンにも、ドクスやヘボムにも、それからチャンにも。チャンには、ウジンの本来の姿を少しずつ見せ始めるんです。色々な人たちと接する中で少しずつ心を開いていく姿も見所だと思います。ソリが人生の紆余曲折の中で成長していく姿も見所の一つです。そして、ジェニファー。ジェニファーの話ばかりですみません(笑)。ネタバレになってしまうので詳しくはお話しませんが、ジェニファーが抱える傷があるんですよ。ジェニファーの傷に関するエピソードも見所です。それから、チャン。チャンがソリを女性として好きになって、胸がムズムズするという表現をするんです。「これ何だろう…なんでこんなに胸がムズムズするんだろう…」と言うセリフがあるのですが、チャンのそういう姿。純粋な19歳の姿も、脚本家の先生がとても繊細に表現してくださって、全てのキャラクターが変わっていく過程に、性格的な部分を絶妙に溶かし込んでくださいました。
―日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。
こんにちは。ヤン・セジョンです。「30だけど17です」は各キャラクターの持つストーリーがはっきりしていて、中盤から終盤につれ関係性がどう変わっていくのかが繊細に描かれている作品です。このドラマはコミカルでキャラクターたちの関係が面白く描かれています。お家で癒されたい時に見ていただくのがぴったりだと思います。「30だけど17です」をぜひ楽しんでくださいね。お体に気をつけて、いつも幸せでいてください。