『パラサイト 半地下の家族』のチョ・ヨジョン主演のサスペンスドラマ「99億の女」DVDがTSUTAYA先行で好評レンタル中です。
このたび、チョ・ヨジョン演じるソヨンの不倫相手ジェフンを演じたイ・ジフンのオフィシャルインタビューが到着しました。
―ドラマの紹介と役柄について教えてください。
99億ウォンという大金を発見した人物たちがどう変化していくのか、人間の持つお金への飽くなき欲求。そういう部分が鑑賞ポイントだと思います。僕が演じたイ・ジェフンはウナム財団会長の婿であり、ヒジュ(オ・ナラ)の夫で常に顔色をうかがいながら暮らすという役柄です。
―出演を決めた理由は?
お金を手に入れてから変化していく人間の感情です。僕なりの考えですが、とてつもない大金を見つけた人間はどこまで破滅に向かうのかそこに興味を覚えました。僕の演じる役というよりストーリー自体が面白くて、たとえ悪役であっても演じてみたいと思い、出演を決めました。
―演じるにあたって準備したことは?
そうですね…。僕のイメージはそんなに誠実でしたか?僕も人間なので、皆さんと同じです。内に何を秘めているのか僕自身も分かりません。だから演じながらも興味深かったですね。イメチェンに成功したなら、役者としてうれしいです。
こういう役柄を演じる機会はなかったのでいろいろと考えて演じました。行動自体は許し難いでしょうが、あまり憎まれないように演じようと思いました。それが演技のポイントです。ひどい行動を取ってもそれなりの理由があったんだと思っていただけるよう、台本の中からそれを探しました。
―難しい役柄でしたがどうでしたか?
そうですね。確かに複雑な心境でした。演技だけでなく本当に心の中で葛藤しました。どうすればいいんだろう、と悩みましたね。そういう行動を取ってもしかたないと視聴者に思ってもらえる演技をしたくて、人物関係を考えるといろいろな思いが交錯してよく眠れませんでした。撮影が3日ぐらい休みにならないかぎり、眠れても1日に2~3時間でした。すぐ目が覚めてしまい、監督や脚本家と夜中に電話していました。だから疲労もかなりたまりましたね。ジェフンは話が進むにつれて神経質になっていきますが、僕も同じように神経質になりました。とてもナーバスになっていたし、複雑な心境でした。そういう時期が撮影とうまく重なったので、演技にも反映されました。
―「お金」というテーマに対してはどう思われたのでしょうか?
お金は…正直言って一番欲しかった物ですが、一方では怖い物だなとも思いました。撮影の前にも感じましたし、撮影しながらも、そして今後の人生でも感じることだと思います。お金は必要な物ですが、多すぎても問題になりますし、少なすぎても苦しくなります。お金についての定義は、僕には下せません。人によって違いますからね。自分が持っている範囲内で使い、その中で幸せを見つけるのがいいのではないでしょうか。
―共演者とのエピソードは?
(カン・テウ役のキム・)ガンウさんは役柄と同じようにとても寡黙な方でした。行動で示すタイプです。現場でも言葉で言うのではなく、腕を軽くたたいて鼓舞してくださったり…。とても重みがあるんです。言葉も雰囲気も非常に重みがあります。ガンウさんと演じる時は頼ることができて、楽に演じられました。
(チョン・ソヨン役のチョ・)ヨジョンさんは映画でオスカーを受賞しましたよね。とてもすごいと思います。あの映画を撮りながらドラマも撮るなんて、すごいことですよね。
―体作りについて。作品のために鍛えたのでしょうか?
すばらしい照明とカメラのおかげでカッコよく映ったようです。あのシーンのために鍛える必要があるなと思い…実は少し鍛えました。「新米史官ク・ヘリョン」というドラマですごく痩せてしまい、怖くなりました。体重が6~7キロ減ってしまったので、1か月かけて急いで鍛えました。撮影の日は、あのシーンの直前まで腕立て伏せをしていたんです。とても大変でしたね。
―もしも99億ウォンを手に入れたら?
僕は食べることが大好きなんです。だから何も考えずに好きなだけ食べたいです。撮影のない時にね。太っても平気な時にあちこち歩き回って、ストリートフードを食べたいです。
それから僕は、演技を始める時とても大変だったので…、99億ウォンを手にしたら、お金に困っている後輩が稽古を受けられる環境を作りたいです。スクールは大げさですが、お金がなくても稽古できるような場所を作ってあげたいという、素朴な夢があります。それ以外に考えたことはないです。そうだ、家も欲しい(笑)。でも、とにかく演技を始めた時から後輩を育成する環境を作ることを夢みてきました。僕が俳優としての地位を確立したら、僕のように苦労して演技を学んでいる人たちに役立つようなものを作ってあげたいです。空間とか支援する制度とか提供できたらいいなと思いますね。でも僕はまだ若すぎるので、年を取ったらやってみたいです。
―作品を通して感じたことは?
先輩たちを見ていていろいろ学びました。心構えや態度など、自分に足りない部分が何か僕は分かっています。なので、先輩たちを見ながら学ぶことが多かったですね。またこの作品で演じながら、学んだことは少し離れて台本を見るということです。それに気付きました。今までは意欲ばかり先走っていたようです。この台本を見ながら今回学びました。全ては実践できていませんが、後半に進むに従って客観的に台本を見て人物を見ることが大事だと思いました。
―イ・ジフンさんにとって本作は?
自分の未熟さに気付くことができました。そんな作品でしたね。なぜなら演技の感情の幅が広がったからです。今までは1つの感情の中で動いていましたが、今回は相反する感情の間を行ったり来たりするんです。うまく演じたかったので頑張りました。そういう点がとても大変でしたが、うまくやり切ったと思います。こうして撮り終えてみると別の面から考えるようになり、今後演じる時のためのヒントを得た作品になった気がします。
―ファンの皆さんに一言
こんにちは。「99億の女」でイ・ジェフンを演じたイ・ジフンです。「99億の女」のDVDが発売されると聞いて、うれしい気分でインタビューを受けました。視聴者の皆さんにも楽しく見ていただけたらうれしいです。「99億の女」を是非ご覧ください。そして僕のことも応援してください。ありがとうございました。