2018年10月に韓国、2019年12月に日本でデビューした8人組ボーイズグループATEEZ(エイティーズ)。彼らが2022年12月に千葉・幕張メッセ2daysで3万人を動員して行った2度目のワールドツアーの日本公演『ATEEZ WORLD TOUR [THE FELLOWSHIP : BREAK THE WALL] IN CHIBA』で、圧倒的なパフォーマンスを見せつけたことは、まだ記憶に新しいところだが、この公演のアンコール公演『ATEEZ WORLD TOUR [THE FELLOWSHIP : BREAK THE WALL] ANCHOR IN JAPAN』が5か月の時を経て、日本でも開催された。今回は、5月2日(火)、3日(水)東京・有明アリーナ、5月6日(土)、7日(日)兵庫・神戸ワールド記念ホールの4公演で行われ、アリーナ席は日本公演では初だというスタンディング仕様。より本場韓国に近い雰囲気で開催された。
このツアーの5月2日(火)に行われた公演の模様をお届けします!
※写真は5月3日(水)の模様です
「Wake up, Wake up TOKYO」のアナウンスでオープニング映像が始まると、映像に続く形で黒い衣装にローブを羽織った8人が登場。磔にされた人形など、海賊がモチーフとなっているATEEZの世界観がたっぷり詰まった舞台で、8人が立っているメインステージのせり上がった部分がゆっくりと下りてくると、1曲目の『HALAZIA』へ。前回の公演後にリリースされた新曲でのスタートということで、会場のATINY(エイティニー:ATEEZのファン)からは歓喜の声があふれ、途中掛け声も。これに応え、メンバーたちは1曲目から渾身のパフォーマンスで、たくさんのダンサーを交えての一糸乱れぬ群舞でも魅せてくれた。
大歓声の中、「本日はここ東京にいかりを降ろします」とHONGJOONGが宣言すると、「8MAKES 1TEAM!こんにちは、ATEEZで~す!」の全体挨拶に続き、ひとりずつの挨拶へ。
YUNHO「みなさん、会いたかったですよ~!こんばんは、僕はATINYの幸せ、YUNHOで~す。来てくれてありがとうございます。今日、一緒に楽しみましょう」
SEONGHWA「こんにちは、みなさ~ん。僕に会いたかったですか?(会場の大歓声に)本当に?マジで?僕はみなさんにめっちゃ会いたかったSEONGHWAです。みなさん、盛り上がる準備はできましたか?今日会いたかった分、思う存分、楽しみましょう!」
SAN「やあ!久しぶりね!よろしくお願いします!僕はATINYの(力こぶを見せながら)チャンチャンマン、SANで~す。行きましょう!」
YEOSANG「(歓声をあおりながら)こんばんは、ATINY!僕はYEOSANGです!楽しく遊びましょう!(投げキッス)」
HONGJOONG「みなさん、こんにちは~。僕はATEEZのキャプテンHONGJOONGです。お久しぶりですね~!みなさんお元気でしたか?今日も忘れられない夜にしましょう」
WOOYOUNG「みなさん、こんばんは~。僕はATEEZのWOOYOUNGです。ありがとうございます」
JONGHO「みなさん、こんにちは~。ATEEZのJONGHOです。こうしてアンコールコンサートをすることになって、とってもワクワクします。今日一日、いい思い出を作っていきましょう」
MINGI「君の瞳に乾杯!MINGIです。(投げキッス)」
と全員が挨拶を終えると、前回公演のアンコールコンサートを行えることについて、YUNHOが「冬に千葉でお会いしましたが、もう春になって、またこうして会えましたね」と話すと、すでに大盛り上がりのATINYに「Wake up TOKYO!」と声を掛ける。
SEONGHWA曰く、このアンコールコンサート開くことになってから「僕たち、いろんな変化を経てきました」とのことで、さらに「これまでのライブとは違う、新しいところをお楽しみにしてください。また、もう一回、思いっ切り楽しんでください」と期待感を高めた。
「僕たちも、今日とっても調子がいい」と話すYEOSANGは、ATINYのテンションも高まっていることを確認し、ここでも投げキッス。
SANは「また会えた日本のATINYたちに、特別なプレゼントをしなければなりませんよね」とうれしい言葉を伝えると、2月の来日ショーケースで1回だけ見せたことがあるという曲を披露してくれることに。
そしてSANが「今も本当に熱いけど、もっと熱くなりましょう」と言って始まったのは、昨年11月にリリースされたJAPAN 3RD MINI ALBUM 『THE WORLD EP.PARADIGM』のタイトル曲『Paradigm』。貴重なステージにATINYも熱くなる中、ジョンホの力強い歌声が印象的な『The Ring』で、メンバーは花道を歩き、センターステージへと移動。四方をATINYに囲まれ、熱い視線を受けながらパフォーマンスした。
先ほど歌った2曲をATINYたちから、「これこそATEEZ」と言ってもらっている曲だとSEONGHWAが紹介すると、WOOYOUNGからは「ATEEZはデビューの時から強烈だったじゃないですか」との言葉も。さらにデビューの時からずっと「辛口で刺激的」だと言われてきたと続け、「今日、辛口なATEEZをちゃんと楽しんでいますか?」とATINYに声を掛けていた。MINGIは「歌手とファンはお互いに似てくる」という話をよく聞くが、「僕たちも例外ではない」と話し、「ATINYたちの歓声を聴くたびに、びっくりするほど熱すぎます」と伝えると、MINGIの顔を手であおいであげるWOOYOUNG。この姿を見たHONGJOONGは、WOOYOUNGに負けじとMINGIを手であおぎ、さらに息を吹きかけて、熱を冷ましてあげるという尽くしっぷり。MINGIは「本当に優しいですよね」と言いながらも、「不思議ですよね」と少々びっくりした様子だったが、ほかのメンバーたちからは、「ヤバい」「怖い」の言葉も飛び出していた(笑)。
気を取り直してMINGIが「今日は(これまでためてきた)そのエネルギーを使い切るまで、発散しちゃいましょう!」とATINYに呼びかけると、ここでJONGHOの仕切りでエリアごとに声出しをしてみることに。JONGHOの「1、2、3」の掛け声に合わせて「ATEEZ!」と叫ぶATINYを見て、「声がきれい」「かわいい」「めんこい」と、メンバーたちも喜んでいた。
ほんわかした雰囲気から一転、ATEEZの代表曲のひとつと言える『HALA HALA (Hearts Awakened, Live Alive)』がスタートすると、先ほどの声出しのかいもあってか、息の合った掛け声で応援するATINYたち。メンバーたちもその声援に、唯一無二のステージで応えていた。
途中メインステージへと戻って、パフォーマンスを終えたメンバーたちは、一旦ステージを後に。スクリーンでは映像が流され、前回同様、映像に合わせてLIGHTINY(ライティニー:ATEEZのペンライト)が反応する演出で、一体感を生み出していた。
白い衣装に着替えた8人が再びステージに現れると、『Dazzling Light』『MIST(안개)』を続けて披露。『MIST(안개)』では、SEONGHWAとYEOSANGが見つめ合って歌うお約束の場面も。どちらも2019年リリースのアルバムの楽曲だが、色気と哀愁が加わり、今のATEEZを感じられるステージとなっていた。
ここで、準備のためにステージを後にしたメンバー以外のHONGJOONG、MINGI、JONGHOの3人でトークタイムがスタート。先ほど流れた映像の撮影が昨年の秋だったというところから、この間、何をしてきたかを話していくことに。
たくさんのスケジュールをこなしてきたというHONGJOONGは、昨年の夏にEP.1が公開された映像コンテンツ『WANTEEZ』の撮影や、3月にリリースしたJAPAN 2ND SINGLE『Limitless』を挙げ、『Limitless』が良かったというATINYの反応を見て、「僕も良かったね」と笑顔を見せる。
JONGHOは良かった記憶を聞かれると「今、この瞬間」とクールに回答。HONGJOONGも「僕も、僕も」と同意すると、ほかのメンバーもステージへ。
「僕も『WANTEEZ』好き」と食い気味にやってきたSANは、「MINGIの言葉がいちばん面白かったですよ」とMINGIを賞賛。HONGJOONGは「次の『WANTEEZ』も本当に…」とネタバレしそうになり、「ヤバいですよ」とメンバーたちに止められていた。
そして、ATEEZと同じくらい忙しい中、ATEEZの応援やライブ、動画やコンテンツも欠かさず観てくれているATINYに、HONGJOONGが「本当に忙しいですね。ATINYたちも本当に忙しいと思います。それでも楽しみのある忙しさですよね」と、イタズラな表情を見せると、「いくら忙しくても、自分自身のことも大切にすることも忘れずに。日常生きる中で、僕たちと一緒にする時間が癒しの時間になればと思います」とうれしい言葉を贈ってくれるSAN。続けて「そしてストレスもパッと発散して」と、拳を突き出し、ストレスを打ち砕くような素振りを見せながら、「気分転換できる存在がいるということ自体が力になるでしょう?僕たちも同じです」と言って、ハートも贈ってくれた。
YEOSANGが「その思いを込めて歌わせていただきます」と紹介し、さらに「ATINY!僕を…抱きしめて」と言って始まったのは、『AURORA (Japanese Ver.)』。この曲もATEEZの代表曲のひとつと言えるが、前回公演では惜しくも披露されなかったため、今回日本語バージョンで歌ってくれたことで、日本の多くのATINYが癒されたことだろう。
そして先ほども話題になっていた3月にリリースしたばかりのJAPAN 2ND SINGLE『Limitless』から『DIAMOND』『Limitless』をサプライズで初披露。『DIAMOND』では、メインステージのリフトでせり上がると、横一列で丁寧に歌い上げ、『Limitless』では、個々のパフォーマンスが光る構成で、中でも、音楽が止まり、SANが正面を真っすぐに見つめる場面では、会場から大きな歓声が起こっていた。
パフォーマンスを終え、SEONGHWAがサプライズで初披露した2曲についてATINYに尋ねると、反応は上々。今回のセットリストを悩んでいたというHONGJOONGは、「ATINYが観たいと言っている曲にしよう」と思って準備したのだそう。それを聞いたATINYの反応を見て、「僕も良かった」と安堵の表情も見せていた。
ATINYにサプライズを用意する時は、「本当にワクワクします」というWOOYOUNGは、得意の『SPY×FAMILY』アーニャのモノマネで「ワクワク」も披露。「ATINYたちの喜んでくれる反応を想像すると、元気になれる」という、うれしい言葉も伝えると、SANも「ATEEZがする全てのことは、全部ATINYのためなんです。だから今はもう、どこで何をしていてもATINYのことが頭から離れないんです」とATINYへの愛を表現した。
そして、前回も名演技?だったJONGHOが、またしても小芝居モードに。「今日もATINYに出会えただけでも幸せですか?」と話しながらWOOYOUNGと手をつないで歩き始めると、撮影クルー?に扮したメンバーを前にして、
JONGHO「幸せで夢みたい、という話をよくしますよね?」
WOOYOUNG「どこかでたくさん聞いた話だけど、本当に夢だったらどうします?」
JONGHO「夢です」
WOOYOUNG「夢が現実になったんじゃないですか?」
JONGHO「そうなんですか?夢、現実、どっちなんだ」
という一連のやり取りを経て、スクリーンの裏へと駆け込んでいくメンバーたち。
スクリーンに大きな砂時計が映し出されると、客席には大きな風船が出現し、『ILLUSION』のスタートと共に、メンバーも同じ風船を持って登場。楽しくはしゃぐメンバーたちは、途中センターステージへと移動し、ステージに飛んできた風船を弾き返したりして、ATINYと一緒に遊ぶと、続いてさわやかな夏を感じさせる『WAVE』へ。浜辺で遊ぶ海賊のような雰囲気で、ステージを駆けまわったり、メンバー同士でじゃれ合ったりすると、最後はHONGJOONGが「ATINY、愛してるよ!」と叫び、ハートやピースサインのポーズで締めくくった。
YUNHOが「盛り上がってますか?」とATINYに声を掛けると、熱い反応が戻り、「僕たちが長い旅をして、また再び戻ってきて、いかりを降ろした日ですが、なぜここに戻ってきたのかを、もう一度実感することができました」とMINGI。
SEONGHWAは、「僕たちATEEZは、何度も挑戦して、冒険して、ぶつかって、成長して、力をためて、また進んで、そんな旅が続いてるんですけど、実は本当に大きな力が必要なんです。モチベーションも必要で、そんな時、本当にATINYが僕たちの一歩一歩になってくれています」と、しっかりと感謝の気持ちを伝ると、HONGJOONGの「ATINYたちのおかげで、ATEEZも前進して、僕たちの船もまた前進します。また出航しましょうか!」という言葉で、メンバーたちは口で汽笛を鳴らしながら、YEOSANGは投げキッスをしながら、メインステージへと出航した。
メンバーたちがメインステージへと到着すると、HONGJOONGに「♪우리 배는 편도로만 가(ウリ ベヌン ピョンドロマン ガ~」の歌詞を知っているかと尋ねられたATINYは、大きな声で「ネ~(はい)!」と回答。ATEEZとATINYで一緒に歌ってみると、キャプテンHONGJOONGが「OK!船員ども、位置に着け!」と声を上げ、『WIN』のステージへ。『INTRO』で、荒波の映像をバックに、船のデッキに見立てられた舵輪もあるステージのせり上がった部分に8人が立ち、旗を持ったダンサーも登場すると、まさに大海原を行く海賊船。そしてステージに降り立つと、『WIN』から『Horizon(지평선)』へと続く、前回の公演でも圧巻だったステージが、今回もここ有明アリーナで繰り広げられた。
『WIN』では、荒々しくも、細部までピッタリと揃った群舞で魅せると、『Horizon(지평선)』では、SEONGHWAとWOOYOUNGの絡みから、MINGIのラップへと続き、SANが宙を舞うと、JONGHOもパワフルなボーカルで聞かせ、YEOSANGは自慢の肉体を躍動させ、HONGJOONGが舵を取れば、YUNHOは花道へと飛び込んでいく、という一瞬も目が離せない展開に息をのむステージとなった。
そして、さらなるサプライズも。Mnetのサバイバル番組『KINGDOM : LEGENDARY WAR』の中で見せた、ドヴォルザークの『交響曲第9番』をミックスしてアレンジした『WONDERLAND (KINGDOM ver.)』をここで披露してくれた。途中、SEONGHWAが剣を持ち、見事な殺陣を見せると、JONGHOも3オクターブのパワフルボイスで圧倒。まさに『KINGDOM : LEGENDARY WAR』のあのシーンがよみがえるステージだった。
(つづく)→次頁へ