キム・ナムギルの新たな魅力が溢れるタイムスリップ・ラブコメディ「医心伝心~脈あり!恋あり?~」のDVDが好評リリース中。本作でキム・ナムギルは、現代にタイムスリップしてしまう朝鮮時代の“伝説の名医”ホ・イムを熱演。今までにないコミカルかつ愛嬌たっぷりの演技で新たな魅力で視聴者を魅了した。
DVDリリースを記念して、キム・ナムギルのオフィシャルインタビューが到着!
―4年ぶりのドラマ出演でした。『医心伝心~脈あり!恋あり?~』(以下『医心伝心』)をドラマ復帰作に選ばれた理由を教えください。
これまでテレビドラマで演じた役は少し重かったり、何か事情を抱えていたりする役が多かったのですが、『医心伝心』では明るい役だということに最も引かれました。実は周りからも、僕がこれまで重たい役ばかり演じてきたので今回の明るいキャラクターを視聴者はどう受け止めるだろうかなどと、いろいろ言われて僕自身も期待や不安、プレッシャーがありました。それらがこの作品を選ぶうえで大きな選択理由となりました。
―歴史上の実在の人物ホ・イムを演じるにあたって特に意識したことはありますか?
ホ・イムという人物が残した業績を傷つけない範囲で演じないといけないのですが、ただ、彼がどう生きたのかという部分は想像に頼るしかありません。だからまずは、彼が天才的な実力を持っていたという鍼術の勉強をたくさんしました。僕は、子どものころも、そして今もそうですが、時々韓方医院で鍼治療を受けたりしているので、鍼について特に拒否感はないんです。でも、最近は西洋医学も発達して皆さんも病院によく行かれるので、東洋医学と西洋医学のどちらが優れているかという競争心を仰いだりせず、視聴者に拒否感を与えずに自然に捉えてもらえるようにしようという部分に気を使いました。また、昔も今も誰もがトラウマや心の傷を抱えているようにホ・イムもそうだったと思います。だから、彼がそういったものを抱えながらも楽しく明るく生きる姿を天才的な鍼術とからませて演じるよう、この2つに重点を置きました。
―最初のタイムスリップシーンが非常に印象的でした。タイムスリップにはかなり気を使ったのでは?
タイムスリップを扱ったドラマはよくあるので、実は作品を選択する時も、ありがちな素材じゃないかと心配していたんです。だから、タイムスリップはタイムスリップでも、どんな特徴を持ったタイムスリップなのかという部分に気を使いました。この作品ならではの独自性をもたせ、そして現代にタイムスリップした時の感情や状況を不自然にならないようにしようとしました。ありがちな素材かもしれないけれども、幸いにも過去から現代にタイムスリップした時は、万事が目新しくて珍しくて、子どものように天真爛漫な部分を誇張してコミカルに持っていけると思いました。
―実際にタイムスリップできるとしたらどの時代に行って何をしたいですか?
高校か中学の学生時代に戻りたいです。今知っている常識やこれまでの人生で経験したことや感じたことをそのまま持ってタイムスリップできたら、もっとうまく生きられるんじゃないかと(笑)。以前、先輩たちが100億ウォンを手にして過去に戻るか、もしくは100億ウォンはあきらめて若い体に戻って生きるとしたら、どっちを選ぶかと言われた時、先輩たちは迷わず若い体を選ぶと言ったんです。僕はその時まだ今より若かったので、先輩たちのことがよく理解できませんでした。でも、今は先輩たちの気持ちが分かる気がします。……先輩はみんな100億ウォンを持っていたのかな(笑)。
―久々のラブコメでした。今までとは違ったかなり明るい役柄を演じるにあたって気を使った部分は?
身近な人や僕はいいんですが、視聴者が見た時に、不自然だと思われなければいいなと思うんです。新鮮だと感じてもらえる方もいるでしょうが、これまでの重たくて孤独なキャラクターに慣れている方もいらっしゃるので、自然体じゃなくて、いかにも演技をしているというふうに感じられるかもしれないなという心配がありました。ホ・イムというキャラクターが自然に受け止められないとタイムスリップという素材を生かせないので、できる限り自然体に見えるように気を使いました。
―ナムギルさんはホ・イムと似ていると思いますか?ホ・イムと似ている部分、似ていない部分を教えてください。
似ている点は、冗談を言って愉快なところ?そういうことが好きなので。愉快でポジティブなところがホ・イムとよく似ていると思います。似ていない部分というと……僕がホ・イムの時代に生きてはいないのでよく分かりません。ただ、僕が彼のように天才的な鍼術を持っていたら、そのまま現代に留まって、朝鮮時代に戻ろうとはしないと思います。知らないふりをする気がします(笑)。そういったところが似ていない点かと思います。
―ホン・ジョンチャン監督についてお話を聞かせてください。
ホン監督は、以前から演出に定評のある監督です。俳優がリラックスして演じられるような雰囲気を作ってくださり、現場で、ああしろ、こうしろと枠組みを作るのではなく、自由にやらせてみて、それで俳優がリラックスして演技に臨めるようにしてくださいます。また、コミカルな演出が得意なようです。本当に、ドラマ『ディア・マイ・フレンズ』を演出された監督なのかと疑うほどです。そのドラマでは大人の人生観を描いたドラマでしたが、普段アイデアを出される時も非常に面白いことをおっしゃっていて、そういったところが僕ともよくあってやりやすかったです。監督のそういった部分が『医心伝心』にも反映されていたのではないかと思います。
―今作を終えて、ナムギルさん本人が変わったところなどありますか?
毎回、何か作品をするたびに少しずつ成長していくような気がします。俳優という職業のいい点です。全てが自分が思うようなキャラクターだったり、状況だったりするわけではなく、また、その時々によって社会情勢も違い、自分の考え方も違ったりします。作品の中に潜んでいる哲学があり、自分が任されたキャラクターが持っている人物を演じるには、感情移入もしないといけないので、これまで自分が考えていたこととは違うこともあるんだなとか、時には深く考えてみたりもするので、作品を終えるごとに自分が成長していくと感じます。今作品も、他人に対する理解や配慮といったものを以前とはまた別の違った方法で学んでいけた過程だったと思います。そうして瞬間瞬間、少しずつ成長しているのではないかという気がします。
―今後挑戦してみたい役やジャンルはありますか?
今はとらわれずにいろんな役やジャンルに挑戦してみたいです。そして、若いころに演じていた役を時間が経った今やるとまた違った表現ができるのではないかと思ったりもします。今は演じることの楽しさが分かるようになってきた段階だからかもしれませんが、以前とは少し違う、視聴者が現実的に感じられ、身近にある、自分の話のような、そして生活の匂いがするような作品をたくさんやってみたいと思っています。若い時はノワールやファンタジーもののようなカッコいいものをやりたいと思っていましたが、今はもっとリラックスした平凡なものをやりたいです。実は平凡なものこそ演じるのが難しいんです。でも、そういった部分に演技欲も湧くので挑戦してみたいです。
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