12月21日、22日の2日間にわたり、千葉県・幕張メッセでFNCエンターテインメント所属アーティストが一堂に会した音楽の祭典『2019 FNC KINGDOM -WINTER FOREST CAMP-』が開催された。
2年ぶり6度目となる『FNC KINGDOM』は、FTISLANDの入隊前ラストライブ、そしてジョン・ヨンファ(CNBLUE)の除隊後初ライブというFNCを代表するバンドの大きな節目を感じさせる公演となったが、この2組に加えて、イ・ジェジン(FTISLAND)、AOA、SF9、N.Flying、Cherry Bulletらが参加し、ファミリーコンサートならではの貴重なコラボステージを含む熱いライブを繰り広げた。12月21日の初日を中心に、FTISLANDのみ2日目トリのステージをレポートする。
出演アーティストが1組ずつ登場するオープニングからひと際大きな声援を集めていたのが、『FNC KINGDOM』が除隊後初の日本復帰ステージとなるジョン・ヨンファ。11月3日に除隊し、早くも12月7日、8日に韓国で復帰ライブ『STILL622』を開催。そして、ついに日本へ!約2年ぶりのステージで、初日のトリを飾った。バンドが奏でる音楽に乗って、サブステージから登場すると、深くおじぎをしてメインステージへ。そこでもまた、胸に手を置いて深くおじぎをすると、不在中もファンにプレゼントを届けたいという思いから入隊前の1ヶ月で5曲の新曲を制作した中の1曲、「Letter」の初生パフォーマンスからライブをスタートさせた。その歌声に、2年のブランクは感じない。曲中で「おまたせー!」と声をかければ、会場から大きな歓声が上がり、1曲目からもうすっかり、いつものヨンファのペースだ。ソロ曲中心のセットリストの「Life is A Party」ではSF9のヨンビン、ジェユン、テヤン、チャニがバックダンサーとして登場。「Closer」ではチャンミ(AOA)とジェヒョン(N.Flying)がキュートなカップルダンスを披露。「Summer Dream」ではCherry Bulletのボラ、ユジュ、チェリン、ヘユンがバックダンサーを担当し、SF9のジュホがラップで参加。「That girl」ではCherry Bulletのボラ、ジウォン、メイ、レミがバックダンサーとして参加するなど、後輩たちがヨンファの復帰ステージに華を添えた。
ヨンファが「2年ぶりです。ずっと皆さんの笑顔を想像していたので、この瞬間が夢みたいです。昔からよく言っていた言葉ですが、このステージこそ“感無量”。この瞬間が感無量です」と感慨深げに言えば、会場から上がった「おかえりー!」という声に、敬礼で応えた。そして、2年ぶりの日本活動復帰を噛みしめるように「One fine day」と「Because I miss you」を歌うと、「今日また、ステージが僕の居場所だと感じています。本当に幸せです。本当に感動です」と、しみじみと言葉を紡いだ。
ソロ曲だけでなく、なんと、「大好きな先輩の曲を準備しました」と、「Innocent world(Mr.Children)」、「Driver’s High(L’Arc~en~Ciel)」、「希望の轍(サザンオールスターズ)」というJ-POPのカヴァーメドレーも披露し、変わらぬエンターテイナーぶりを発揮。そして、「今日も皆さんと大事な1ページが作れました。皆さんがいればもっと強くなれる。どんなことがあっても、僕は皆さんを信じ、皆さんは僕を信じ、ずっと一緒に進んでいきましょう。昔、約束した東京ドームまで!昔は夢だったけど、今は知っています。叶う夢だって。ここでまた約束します。一緒に東京ドーム、行こうぜ!」と力強く宣言すると、「今回はソロだったけど、ロック、やりたいですよね」と、バンド活動への意欲ものぞかせ、「Energy」で会場を一体にしてFNCアーティストの先輩としての貫禄を見せた。
2日目のトリを飾ったのは、この『FNC KINGDOM』が入隊前最後の日本ライブとなるFTISLAND。ボーカルのホンギが9月30日に入隊し、ジェジン(b)、スンヒョン(g)、ミンファン(dr)の3人だけのライブとなったが、前半は3人がボーカルを執り、懐かしの「Love letter」と「Polar star」を披露。そして「遊びましょー!」という掛け声で始まったのは、ライブのテッパン曲「Freedom」。会場のファンもタオルを投げてロックの一体感を楽しんだ。
「KINGDOMの大トリを務めるのは、我々FTISLANDです!うちのボーカルがいない、レアなライブです(笑)。今年は大変なこともあったけど、メンバーで助け合って乗り越えた。最後をKINGDOMで締める事ができてうれしいです」と言うジェジンが、「ファミリーコンサートだから、どーしても手助けしたいって言うヤツがいる」と呼びこんだのはN.Flyingのボーカル、スンヒョプとフェスン。「FTISLAND先輩のステージに立てて感激です。ホンギさんの代わりにはなりませんが、プリマドンナ(FTファン)の皆さんを少しでも盛り上げられるように頑張ります!」と言って、KINGDOMらしいコラボステージで、「I wish」ではN.Flyingの2人がサブステージを走り回り、「願う」ではホンギのいつものダンスもそのままに、「未体験Future」ではジェジンもサブステージまでやってきてファンを煽った。
「このKINGDOMを最後に、僕たちFTISLANDのライブはしばらくありません。3人でやるのも緊張したけど、2年間会えないと思うと寂しい気持ち。次に会える時まで頑張って練習するので、待っていてください」(ミンファン)、「3人ももうすぐ入隊します。除隊した後も一生変わらずやりたいことは何だろうと考えたけど、それは、変わらず皆さんの前に立つこと。そして、変わらず皆さんに愛される存在になることでした。皆さんがいるから僕らがいます。普通の人間の僕らを輝かせてくれて、本当にありがとうございます。僕が先に寒い場所に入隊するけど、心は暖かく行けそうです」(ジェジン)、「FNC初のバンドとして頑張ってこられたのは、力をくれるファンがいたから。考えるのは“ありがとう”ということだけです」(スンヒョン)としばらく会えなくなるファンに涙をこらえながら感謝の言葉を伝える3人。
「すぐに戻って来るので、絶対待っててください!来年は、日本デビュー10周年。僕らはいないけど、寂しくならないように、プレゼントを用意しているので楽しみにしていてください」というジェジンは続けて、「FTISLANDの名を掲げてやるライブに、ホンギ兄さんの声がないとダメ。うちのメインボーカルは、永遠にホンギさん!」と言って、ステージセンターに置かれた無人のマイクスタンドにFTISLANDの黄色いタオルを結ぶと、「4人のライブ始めます!いきましょー!」と叫ぶと、背面のモニターに大きく映し出されたのは、入隊中のホンギのライブ映像。その姿と声に合わせて、FTISLANDの日本デビュー曲「Flower Rock」がスタート。意外な演出に涙するファンだったが、FTISLANDらしさいっぱいのステージは最後に会場を熱狂と笑顔で包んだ。そしてジェジンが「しー!」っとファンを静止させると、「みんなー、ありがとー!」と叫び、それに「ありがとー!」と応えるファン。FTISLANDライブ恒例の挨拶で、メンバーたちはステージを去って行った。
FNC2大巨頭の象徴的なライブの他にも、アーティストそれぞれが個性を発揮した。
10月にソロデビューを果たしたイ・ジェジン(FTISLAND)は、ソロステージも披露。そのバックバンドをN.Flyingを務めた。
AOAも2年ぶりの日本のステージ。5人体制になって初の活動曲「Come See Me」を日本初パフォーマンスで盛り上げると、日本オリジナル曲「愛をちょうだい」では、西川貴教のパートをスンヒョン(FTISLAND)が担当。2016年の『FNC KINGDOM』では、ホンギ(FTISLAND)がこのパートを担当したが、ギタリストの彼が歌のみならず、AOAとのダンスにまで挑戦して会場を沸かせた。「心配させてごめんなさい。でも大丈夫です。いろんなことがあったけど、メンバーがひとつになって乗り越えました」とリーダーのジミンが言えば、「私たち5人になったけど、今が最強です!」というチャンミの力強く言ったが、その言葉通り、時代を築いたガールズグループの貫禄さえ感じさせるステージを見せてくれた。
めきめき成長しているN.Flyingは、日本最新曲「Kick Ass」からスタート。日韓それぞれの代表曲をプレイし、会場をロックで満たしたが、単独ライブで毎回趣向を凝らしたカヴァーステージを披露している彼らだけに、今回はフェスンが鼻の下のひげを付け、「Queen Medley」を披露。また、「Between Us」~「You’re So Fine」~「LOVE GIRL」というCNBLUEメドレーで会場を沸かせると、「先輩たちが守ってくれたKINGDOMも、先輩たちが作ってくれた韓国バンドの道も、大切に感謝して歩いていこうと思います」(フェスン)、「先輩たちの完全体の姿が見られなくて残念ですが、久しぶりにFNCの家族が集まれて感謝したいです。もう一度、先輩たちと一緒のステージに立てるように僕たちN.Flyingは、もっと高く飛びます!」(スンヒョプ)と意気込みを語った。
回を重ねるごとにファンが増えているのを実感させたのが、SF9。FNC唯一のダンスボーイズグループとして、コラボでも大活躍したが、自身のステージでは最新曲「RPM」をはじめ、全曲を日本語曲で。K-POP特有のファンコールも、バンド勢の多いFNCでは珍しいものなので、SF9の大きなファンコールが新鮮だった。今年はZEPP TOUR、ファンミーティング、1st Hall Tourと日本でも初めての経験が多かったが、海外でのライブも増加。ライブ運びの進化を感じさせた。MCでは、「僕たちもうすぐカムバックしまーす!」とインソンが告げると、ちょっとだけ歌ってくれるというネタバレも。ヨンビンは最後の挨拶で、「SF9は、FNC初の男性ダンスグループとして最高のパフォーマンスを見せる責任感を常に感じています。もっともっと頑張ります。これからも応援お願いします!」という気概を見せてくれた。
今年デビューしたガールズグループCherry Bulletは、デビュー曲「Q&A」、「Really Really」という活動曲に加え、先輩AOAの「胸キュン」をカヴァー。日本人メンバーのメイとレミの二人が、「初めてのKINGDOM、憧れのKINGDOM、緊張しますが精一杯盛り上げます(メイ)」「尊敬する先輩たちと同じステージに立たせていただいて、本当に光栄で本当に幸せです(レミ)」と喜びを語った。
ヨンファのステージ中だけでなく、グループの垣根を超えたスペシャルコラボとスペシャルステージも多くあり、BANDとDANCEの両方のアーティストが所属するFNCならではファミリーコンサートの楽しみも万歳だったが、そのファミリーの結束とコンテンツ力も回を重ねるごとに強くなっているのを感じさるライブだった。なお、この模様は4月に衛星劇場で放送される予定。
この後は、12月24、25日に神奈川・パシフィコ横浜国立大ホール、27日に兵庫・神戸国際会館こくさいホールでジョン・ヨンファが除隊後初のファンミーティング『JUNG YONG HWA(from CNBLUE)Solo Fanmeeting 2019 in Japan -Y’S Home-』を行い、2月26日にソロアルバム『FEEL THE Y’S CITY』をリリースする。また、年明け1月9日には東京・中野サンプラザホールでイ・ジェジンが入隊前最後のファンミーティング『LEE JAE JIN (from FTISLAND) Solo Fanmeeting 2020 in Japan “Love, Joy and Journey”』を行う予定だ。
取材・文/坂本ゆかり
撮影/小杉歩、石原汰一、松本いづみ、清水ケンシロウ
◎Cherry Bullet
M8.Really Really
M9.胸キュン〈AOA Cover〉
M10.Q&A
◎フェスン(N.Flying)
M11.Lemon〈米津玄師 Cover〉
◎SF9
M12.RPM
M13.Now or Never
M14.僕の太陽 ~Oh sole mio~
M15.Enough
M16.Play Hard
M17.Fanfare
◎イ・ジェジン(from FTISLAND)
M18.Love Like The Films〈with N.Flying〉
M19.Share the love〈with N.Flying〉
◎ジェユン(SF9)×へユン(Cherry Bullet)
M20.打上花火〈DAOKO × 米津玄師Cover〉
◎ジミン(AOA)
M21.Hey〈with Dancer Cherry Bullet〉
◎ヨンビン、フィヨン(SF9)
M22.Zeroff
◎N.Flying
M23.Kick Ass
M24.Stand by me
M25.Queen Medley
M26.CNBLUE Medley
M27.Sunset
M28.Good Bam
M29.Roof Top
◎インソン(SF9)
M30.ひまわりの約束〈秦基博 Cover〉
◎AOA
M31.Come See Me
M32.愛をちょうだい〈with スンヒョン(FTISLAND)〉
M33.Mini Skirt
M34.Like a cat
◎ミンファン(FTISLAND)、ジェヒョン、チャフン(N.Flying)、ダウォン、チャニ(SF9)
M35.Happiness〈嵐 Cover〉
◎ジョン・ヨンファ(from CNBLUE)
M36.Letter
M37.Life is A Party〈with Dancer SF9〉
M38.Closer〈with Dancer ジミン(AOA)、ジェヒョン(N.Flying)〉
M39.One fine day
M40.Because I miss you
M41.Cover Medley〈Innocent world、Driver’s High、希望の轍〉
M42.Summer Dream〈with ジュホ(SF9)、Cherry Bullet〉
M43.That girl〈with Dancer Cherry Bullet〉
M44.Energy
■12月22日(日)
◎ジョン・ヨンファ(CNBLUE)
M1.Energy
M2.Password〈with Dancer SF9〉
M3.Closer〈with Dancer ジミン(AOA),ジェヒョン(N.Flying)〉
M4.Cover Medley〈Innocent world、Driver`s High、希望の轍〉
M5.That girl〈with Dancer Cherry Bullet〉
M6.Summer Dream〈with ジュホ(SF9)、Cherry Bullet〉
M7.君を好きになってよかった
M8.One fine day
◎インソン(SF9)
M9.ひまわりの約束〈秦基博 Cover〉
◎ミンファン(FTISLAND)、ジェヒョン、チャフン(N.Flying)、ダウォン、チャニ(SF9)
M10.Happiness〈嵐 Cover〉
◎AOA
M11.Come See Me
M12.愛をちょうだい〈with スンヒョン(FTISLAND)〉
M13.Mini Skirt
M14.Like a cat
◎ジェユン(SF9)×へユン(Cherry Bullet)
M15.打上花火〈DAOKO × 米津玄師Cover〉
◎イ・ジェジン(FTISLAND)
M16.Love Like The Films〈with N.Flying〉
M17.Share the love〈with N.Flying〉
◎ジミン(AOA)
M18.Hey〈with Dancer Cherry Bullet〉
◎ヨンビン、フィヨン(SF9)
M19.Zeroff
◎N.Flying
M20.Kick Ass
M21.Stand by me
M22.Queen Medley
M23.CNBLUE Medley
M24.Sunset
M25.Good Bam
M26.Roof Top
◎Cherry Bullet
M27.Really Really
M28.胸キュン〈AOA Cover〉
M29.Q&A
◎SF9
M30.RPM
M31.Now or Never
M32.Oh sole mio
M33.Enough
M34.Play Hard
M35.Fanfare
◎フェスン(N.Flying)
M36.Lemon〈米津玄師 Cover〉
◎FTISLAND
M37.Love letter
M38.Polar star
M39.Freedom
M40.I wish〈with N.Flying スンヒョプ、フェスン〉
M41.願う〈with N.Flying スンヒョプ、フェスン〉
M42.未体験Future〈with N.Flying スンヒョプ、フェスン〉
M43.Flower Rock〈with イ・ホンギ映像)