韓国出身の5人組ロックバンドFTISLANDが、5月9日、東京・日本武道館で「FTISLAND Arena Tour 2018 -PLANET BONDS-」を行い、大阪城ホール、日本ガイシホール、武道館2Daysの4公演で30,000人を動員したツアーを完遂した。
昨年、デビュー10周年を迎えたツアーでは「10周年でゼロにリセット、新しい10年をまた作る」と宣言したFTISLAND。今年は新たな気持ちで“絆”をテーマとした新アルバム『PLANET BONDS』の楽曲を核にこれまでにないほど新旧の楽曲を織り交ぜ、「メッセージは、全部音楽で伝える」というファンに向けたラブレターのようなセットリストで臨んだ。
ライブはアルバム『PLANET BONDS』の中で、ボーカルのイ・ホンギがもっとも気に入っている曲として挙げている壮大なイメージの「Golden」で幕開けし、日本1stアルバムに収録されている懐かしい曲「Brand-New days」へ。オープニングから全身全霊のプレイを見せてくれるFTISLANDに、ファンも大きなコーラスの声で応える。
ホンギがセンターステージに移動すると、ボーカル力が冴えるロックバラードのセクションに突入。ベースのジェジンとの2ボーカルで聴かせる「imagine」では「I’m free 想像以上に幸せで」という歌詞が胸に突き刺さる。
「自分の目の前に立ちふさがる高いドアに向かって怒りをぶつける気持ちで歌う」というスピード感と重さが共存するFTISLAND流ロックパートの始まりを告げる「Tornado」は、「イントロを聴くだけでテンションが上がる」というホンギ。ジェジンのベースのリフがフックとなる新曲「GAME」から続いたこの日唯一の韓国楽曲「Take Me Now」では、重いビートの渦に飲み込まれる客席に向かって、ホンギが「みんなの声をもらおう、ソリチラー(叫べ)!」と声をふり絞ると、ファンもサビを全力で一緒に歌い、一体感に包まれる。
MCで今回のツアーについての想いを語ったホンギは、「アルバム『PLANET BONDS』は、宇宙への旅がモチーフになっています。ライブは自分自身をみつめる旅だと思って、1曲1曲の歌詞を思い浮かべながら聴いてほしい」と真面目な顔をしたかと思えば、「僕は韓国人だけど、頑張って日本語で歌ってるから!」とファンを笑わせる。メンバー同士でツッコミをいれながら日本語のトークをする彼らが、韓国のバンドあることを忘れてしまいそうだ。FTISLANDはいつもMCで彼らの本心を語ってくれる。
中盤は新作アルバム『PLANET BONDS』のリード曲「Hold the moon」で会場を厳かなムードに変えたかと思えば、「You Are My Life」では「みんなで歌ってほしい!」と会場にマイクを向けると、「そのすべてが ぼくのすべて」とファンが全編を歌いあげる。「4、5年前の曲だけど、この曲の歌詞をみんなの声で聴きたくて入れました。歌ってくれてありがとう!」とホンギが感謝を述べたが、FTISLANDとファンの絆が見えた感動的なシーンだった。
「僕らにもいろんなことがある。仕事や人間関係、行かなきゃいけない所もあるし、自分だけでは超えられない壁があって辛かった。そんなとき、昔のライブ映像を全部見直したんです。そしたら早くライブをやりたくなって。ライブをしたら元気になります。みなさんが僕たちに元気をもらうって言ってくれるけど、みなさんは僕らの力になってくれています。こうやってライブに遊びに来てくれるだけで。毎年、みなさんに感謝するけど、その意味は、毎回違うんです」とホンギが心情を吐露すると、リーダーのジョンフンも「僕も最近辛いことがあったけど、ライブをやってステージの上が幸せだと感じた。これからもみなさんを信じて走っていたい。みなさんが信じてくれるから、僕たちは前を見て進める」と正直な話をしてくれる。こうやってFTISLANDは、ライブでファンに心の奥を見せてくれる。だから、ファンも彼らのことを信じて付いていけるのだろう。
「DESTINY」からは、FTISLANDからファンへのラブレター。ミンファンが作った新曲「Skyway」はジョンフンのセンチメンタルなピアノソロから始まり、ジェジンとホンギの美しいハーモニーの重なりからバンドサウンドが広がり「僕を信じて」と歌うが、これまでの彼らの話が昇華されたかのような曲だ。
最後のパートは、「言いたい言葉はちゃんと届けた。ここからは俺ら式で遊ぶ!」と、FTISLANDのパーティチューンを続けざまに。「PUPPY」で会場のファンとひとつになると、「Stay What You Are」ではホンギが花道を全力疾走し、楽しさを爆発させた。
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