大きな「FTISLANDコール」に迎え入れられ始まったアンコールの1曲目は、ミンファンの結婚を祝うために作ったというジョンフン曲「Flower Road」。センターステージにスンヒョン、ジェジン、ホンギ、ジョンフンが1列に並び、ジョンフンのアコースティックギターに乗せて、5人が順番に歌ってゆく。1stアルバムに収録されている「So today…」では「今日を忘れないでという曲。次はみんなの番、一緒に!」とホンギが頭のパートだけ歌うと、あとはファンが大合唱。メンバーもニコニコしながら歌うファンを見つめ、ホンギはエアボーカルでファンを煽った。
「今回のツアーは、僕たちにとってすごく大事で意味深いライブ。これからも曲を作り続けます。すぐじゃないけど、戻ってきます!次の「SAYONARA」は、今までの辛い事、悩みにバイバイするって曲。みんなもそんな記憶にバイバイしてください」と言って「SAYONARA」を歌うと、「昨日、ダブルアンコールやっちゃったから、今日もやらないとスネるよね」と笑って大きな拍手が続く中、「俺らと1つになって、ここを「Paradise」にしよ! 今日も無事に帰って、シャワー浴びて、ビール1本飲んで、いい夢見よう!」というホンギのお決まりのセリフから「Paradise」で最後にまた、大合唱とともに会場が一体に。明るくなった会場を温かな眼差しで見渡すホンギ。本当にライブがFTISLANDにとってもファンにとっても「Paradise」だと思える瞬間だった。
5人が並んで手をつなぎ礼をした後、ベースのジェジンの儀式ともいえるオフマイクでの「みんな、ありがとー!!」という言葉にファンも「ありがとー!」と返してライブを締めくくったが、ジェジンが最後に「何度も武道館でやっているけど、今日は最初の武道館を思い出した。いろんな問題があってもちゃんとやっていく。最後まで僕らと一緒に行きましょう」と言っていたのも印象的だった。
デビュー10年超を一線でやってきたバンドだ。今回のように新旧の曲が入り混じっていても、今の彼らに合ったアレンジに仕立て、古さを感じさせない。ツアーごとにライブの精度はどんどん上がっている。やんちゃだった10代から30歳目前になった今、音楽に対する情熱とファンに対する感謝もどんどん深まっているのを感じる。ライブはファンと一緒に作るものだから。そして何より感じるのは、ファンと彼らの絆の深さだ。FTISLANDのライブに来ると、彼らとファンの垣根のなさ、そして彼らの正直さに驚くはずだ。ホンギも言っていた通り、今回のツアーで彼らが伝えたかったメッセージは、歌詞に込められている。なぜ、この曲がセットリストに入ったのか……。もう一度、歌詞をじっくり見直してみることをおススメしたい。彼らの愛と、音楽で結ばれる絆の素晴らしさを体感できたライブだった。
文:坂本ゆかり
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