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2018年12月14日14時57分 金曜日 【レポ】『女性チャンネル♪LaLa TV Presents チャン・ヒョク主演ドラマ「カネの花~愛を閉ざした男~」スペシャルイベント in TOKYO』~濃厚なトークでMCもたじたじ?!「また次も今日みたいにやりたいと思っています(笑)」(1/2)

97年のデビュー以降、「チュノ~推奴~」、「運命のように君を愛してる」、「客主」、「ボイス~112の奇跡~」など、時代劇からラブストーリー、サスペンスまで幅広いジャンルのドラマに出演するチャン・ヒョク。
2017年~2018年にかけ韓国MBCで放送されたドラマ『カネの花~愛を閉ざした男~』では、財閥一家に復讐を計画する弁護士、カン・ピルジュ役を熱演。おさえた演技でありながら内に秘めた想いをたぎらせる“静”の演技で観る者を魅了し、2017 MBC演技大賞で最優秀演技賞を受賞した。

11月14日(水)には、女性チャンネル♪LaLa TVでの「カネの花~愛を閉ざした男~」放送開始を記念して、主演のチャン・ヒョクが緊急来日。東京では久しぶりとなるイベント『女性チャンネル♪LaLa TV Presents チャン・ヒョク主演ドラマ「カネの花~愛を閉ざした男~」スペシャルイベント in TOKYO』を豊洲PITにて開催した。

【レポ】『女性チャンネル♪LaLa TV Presents チャン・ヒョク主演ドラマ「カネの花~愛を閉ざした男~」スペシャルイベント in TOKYO』 at 豊洲PIT(1/2)

今回のファンミーティングのテーマにもなっているドラマ『カネの花』ダイジェスト映像が流されると、コツコツという靴音とともにスポットライトを浴びてシルエットになったチャン・ヒョクが登場。
くるりと振り返り歓声が起こる中、MCを務める古家正亨も登場すると、チャン・ヒョクは日本語で「こんにちはみなさん。お久しぶりです、チャン・ヒョクです。」と挨拶。

平日の夕方早い時間にも関わらず、満席となった会場を見て、「貴重な時間をこの場所に来て下さって本当にありがとうございます。今日はドラマをテーマにして、みなさんと一緒に、充実した時間を過ごしたいと思います。」とファンに声を掛けるチャン・ヒョク。
ここからは座ってじっくりとドラマについての話を聞いていくことに。

まずは古家からドラマ『カネの花』での演技が、2017 MBC演技大賞で最優秀演技賞、百想芸術大賞にノミネートという高い評価を受けたことが伝えられると、会場からも拍手。
この後、この評価につながったであろうチャン・ヒョクのドラマに対する並々ならぬ姿勢が明かされていくことに。

トークはボックスの中に入っているボールを引き、そのボールに書かれたテーマに沿って進められたが、このボール、なんと、チャン・ヒョクの直筆。達筆な文字とサインも入っていて、テーマを読み上げたあとは、チャン・ヒョクの手で客席に投げ入れられ、ファンにプレゼントされた。

まず最初のテーマは“愛”。「復讐のため、ピルジュのように愛を手放すことができるか?」「このドラマにおける愛は重いテーマだと思うが、どうだったか?」という質問にじっくりと答えていくチャン・ヒョク。

シノプシスを最初に読んだ時、復讐という内容に、「もうひとつ何かあったらいいのに」と思ったというチャン・ヒョクは、作家さん、監督さんに「復讐をするが、心の中に葛藤を抱いている人物に変えるのはどうか」と提案し、ピルジュの人物像が変更されたのだそう。
ピルジュをただ復讐をする冷酷な人物ではなく、復讐をする過程で周りの人々に憐憫の気持ちを持つようになり、復讐をすべきか葛藤するような人間臭い部分がある人物として描きたかったというチャン・ヒョク。
このドラマにおける“愛”を「自己中心的な考え方だけではなく、相手のことを理解して、相手のための考えをする、そうした瞬間瞬間で変わっていく思いというものを演じることこそがこのドラマの感情だと思った。」と熱く語る。

その後も「クレソ(それで)」を繰り返し(笑)、『カネの花』は「女性の目線で描いた方がいいのでは」という思いから、自らがキム・ヒウォン監督を推薦したことにより、「事件の裏側にある感情の交流がより重要に描かれたと思います。その感情の交流についてどうやって演じていったらいいのか、それを毎日毎日考えながら撮影しているうちに撮影が終了し、こうしてドラマファンミーティングを迎えることになりました。」と、ただ俳優としてだけではなく、一緒に作品を作り上げる一員としてドラマに向き合っていたことを示した。

古家から最初の質問に答えていない、とツッコミが入ると、「もしかしたら質問の内容を忘れてしまうことがあるかもしれません。気を付けてはいるんですが、失敗してしまうこともあるかもしれませんので、その時は大目に見てください。できるだけ誠意をもってお答えしたいと思っています。」とお茶目な笑顔も覗かせる。

そして、質問には「僕は復習を諦めると思います。復讐は周りの人々をも傷つけ、自分だけではなく周りの人も大変な思いをしてしまいます。現実的なこの世界は、みんな幸せを追求しながら生きているのに、復讐で周りを巻き込んで周りが大変な思いをするというのは自分の考えには合っていないので、復讐はドラマだけにしたいと思います。」と重みのある言葉で切々と答えた。

そして2つ目のボールを選ぶと、テーマは“アクション”。
激しいアクションも大概は自分でこなすというチャン・ヒョクだが、この『カネの花』でも、要所要所でアクションがあり、特に屋上で歩く危険なシーンに焦点が当てられた。

50cm程しかない屋上の欄干のスペースを自ら歩いたそうで、その時の状況を立ち上がり、身振り手振りで「リハの時は見ながらこうやって、でも本番に入るとこうやって」と再現。
ドラマの中では全くそんなことを感じさせないが、「やはり私も人間なので、怖いです。」と本音も吐露。しかし、「俳優というのはどんなに寒い時でも、本番の“アクション”という声がかかるとその寒さを忘れてしまうんです。自分自身、不思議だと思います。」と体に染みついた役者魂を知らしめた。

このようにチャン・ヒョクがアクションに挑戦するようになったのは、自身2作目の映画『チャン』がきっかけだったそう。
車に轢かれるシーンで、代役のスタントマンが失敗し、30分間意識不明に。しかし、30分後そのスタントマンは意識を回復し、もう一度撮影に挑み、成功したのだという。
その様子を見て、申し訳ない気持ちと同時に、仕事というのは、「こういう精神で、こういう姿勢でやらなければいけないんだ」と気づき、その後から直接自分でアクションをやるようになったのだそう。
また、アクションはブローキングだと言われるが、「単純に喧嘩して、ただ車に轢かれたり、ただ怪我をすればいいというものではなく、演技の一つの側面だ」と解釈し、感情を直接表現する道として、「自分でアクションもした方がその演技やキャラクターの表現にも、その事実にももっと近づけるのではないか」と思っていることも明かした。

ここで時間いっぱいになり、このコーナーは終了。残りのテーマは“カン・ピルジュ”“イ・ミスク” “復讐”の3つ。残念ながら話は聞けなかったが、ボールだけはと、会場のファン、番組視聴者にプレゼントされることになった。

続いてのコーナーは、チャン・ヒョク自身が選んだというドラマ『カネの花』名場面集を観てのトーク。

ひとつ目は幼い頃亡くなった弟のお墓を訪れて号泣するシーン。
あまり感情を表に出さないピルジュが、初めて家族について表現し、ドラマ全体の中でも一番感情を露わにしたとも言えるシーンで、ここでのセリフはチャン・ヒョク自身が書いたのだという。

このシリアスなシーンを観て、「本当に悲しいエピソードがありました。」と何やら神妙な面持ちのチャン・ヒョク。
寒い土の中で眠る弟に悪いという感情を表すため、-13、14度の中、上着を脱いで撮影に臨み、自分でも上手くいったと思える演技だったのに、何故か監督からは、「もう1回撮らせてほしい。」と言われてしまったそう。
自分でも何故NGなのか、理由がわからなかったが、実は下に着こんでいた白のヒートテックが見えてしまっていたのが原因だった。
急な面白エピソードに会場も大爆笑。
面白い話だとは全く感じさせない表情で面白い話をするチャン・ヒョクに、役者魂を感じた瞬間だった(笑)。

2つ目の名場面は、イ・ミスク演じるマルランにピルジュが正体を明かす、緊迫のシーン。名優同士の演技と演技のぶつかり合いが、観る者にもひしひしと伝わる、息を呑むシーンだ。
実は、このドラマの中でピルジュが激しく感情を表すシーンは、ひとつ目に選んだの弟のお墓でのシーンと、この2つ目のマルランに正体を明かすシーン、そして、おじいさんに自分が孫だと明かすシーンの3つだけだという。
その中でも、「このドラマを最初から最後まで引っ張っていくのは、マルランという女性との関係」だと思い、このピルジュとマルランの「密度感がかなり強いシーン」ということでこのシーンを選んだのだそう。

さらにイ・ミスクとの演技のぶつかり合いについて尋ねられると、「演技の誇りをお互いに対決させるようなところまでは、自分はいっていないと思うんですけど」と謙遜しながら、「イ・ミスクさん、イ・スンジェさん、そして他の先輩方、後輩のみなさんと一緒にドラマを作る中で、演じることに対する解釈や姿勢について、改めて感じることができました。こうしたみなさんのアンサンブルが上手く調和されて、このドラマが人々から共感を得ることができたんだと思っています。」と明かした。

そして、今回印象深かったのは、「ピルジュの祖父グクファンを演じたイ・スンジェ」だとし、「いつも台本リーディングの度に、これまでの他の俳優さんの姿勢や、撮影の時のエピソードなどを話してくださるんです。それを通じて先輩達が、ドラマの俳優の環境をこうやって作ってこられた、ということを知ることもできましたし、そしてまた自分たちも後輩のためにこうしていかなければならないんだ、ということを感じるようになりました。」とベテラン俳優に刺激を受けたよう。

また、イ・ミスクとの撮影時に、「俳優にとって演技において演技力というのは3であって、残りの7は姿勢だ。やはり姿勢が土台になってこそ演技力というものも発揮されるし、姿勢がなければどんなに演技が上手くてもそのドラマにはうまくその演技が作用しない。」と助言を受けたというチャン・ヒョク。
この言葉に共感し、「ちゃんとした姿勢でコミュニケーションを図って、きちんとそのドラマを作っているみなさん方とうまく調和がなされた時、その演技というものが作品に溶け込んでいくんだ、と思いました。」と、チャン・ヒョク自身もベテランでありながら、まだまだ学ぶ姿勢で臨んでいるようだ。

そして、「このシーンは本当にイ・ミスクさんの忍耐がなかったらありえないシーンでした。」と言い、映像をもう一度流してもらえるようにリクエストするチャン・ヒョク。
会場のファンに、なぜ「忍耐が必要だったかわかりますか?」と尋ね、勇気あるファンが挙手。
「耳元で話して、くすぐったいはずなのに、絶対それを表情で見せないところ」と答え、チャン・ヒョクからは「当たりです」とお褒めの言葉も。
「みなさんはこれを笑い話と思うかもしれませんが、相手役の俳優さんの演技の流れが止まらないようにというお考えから、ああやって耐えてくださったわけです。我慢する姿勢というものも大切だということを見せてくださったと思います。」とさながらワークショップのような雰囲気でコーナーが終了。

(つづく)→次頁

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