キム・ジュンスの3年3か月ぶりとなる来日コンサート、『KIMJUNSU 2022 CONCERT [DIMENSION] IN TOKYO』が、7月8日(金)、9日(土)、10日(日)の3日間にわたり東京ガーデンシアターで行われた。
今回のコンサートは、2022年3月に発表した最新ミニアルバム『DIMENSION』をメインに、3月に韓国で開催されたコンサートの日本公演として開催された。
日本独自のライブを意識したジュンスのチョイスがたくさん盛り込まれた、ジュンスならではのオリジナル感あふれるステージでファンを魅了した。
この公演の初日(8日)の模様をお届けします!
会場が暗転しオープニング映像が流れると、黒い衣装でステージに現れたジュンスが「TOKYO!Let’s Go!」と叫び、1曲目の『Fever』へ。アップテンポで盛り上がるダンス曲『Fever』は、ジュンスと双子の兄ジュノ(改名後キム・ムヨン)の合作曲で、初のソロフルアルバム『Tarantallegra』の収録曲となっている。相変わらずキレ味抜群のジュンスに、オープニング曲から会場は一気にボルテージが上がる。
踊りながらも安定した抜群の歌声を披露するジュンスのすごさにグイグイと引き込まれていく。
2曲目になるとジャケットを脱ぎ、ちょっぴりセクシーな背中を見せる衣装で、2015年発表3枚目のソロフルアルバム『Flower』のダブルタイトル曲『X Song』へ。
歌い終えると、「本当に日本に来たかったし会いたかったけれど、あまりに長い間日本語を話していなかったので3歳くらいの実力になってしまった。久しぶりに会えるドキドキと、日本語の不安で前日眠れなかった」とジュンス。3年3か月ぶりに会えたうれしさと、久しぶりで日本語が不安で、今回は通訳さんにも来てもらったという話をしていたが、最後まで通訳さんの出番はないほど進行もがんばっていた。わからない時はファンに聞いて日本語を思い出しながら話をつなぎ、そんなふうにファンとやりとりするジュンスの親しみやすさも、魅力のひとつである。
続いて、今年3月にリリースした最新アルバム『DIMENSION』の収録曲で初披露となったシンセポップベースのR&B『COLOR ME IN』を披露。
そして青い衣装に着替え、ファンキーでポップなダンス曲『Fantasy』では、最後にダンサーに抱きかかえられるという相変わらずのかわいいパフォーマンスに、会場からは思わず笑みが出る。
今回ダンス曲もかなり組み込んでいたが、ジュンスの歌の上手さが光るバラード曲もたくさん用意されていた。
ソン・ジュンギ&ソン・ヘギョの大ヒットドラマ『太陽の末裔』のOST『How Can I Love You』、このジュンスの歌声が聴こえるといろんなシーンが思い浮かぶ。この名曲を生で聴けたのはうれしい。
さらに『DIMENSION』の収録曲で初披露の『A Low Constellation』、愛する人との別れの切なさを歌った『Writing you』で、会場を魅了した。
そして「ここからは!ジュンスタイム!!」と恒例のファンの願いを3つ叶える“GENIE TIME”のコーナーに突入。おなじみのコーナーなので、ファンは歌ってほしい曲の音源や映像のUSBや被り物など用意して、スケッチブックなどでジュンスにアピール。選ばれたファンの願いを叶えるコーナーである。
初日公演では、TikTokで流行している“全力まるまる”に挑戦。“全力笑顔、キメ顔、まじめな顔、泣き顔、(ジュンスのトレードマークのような)天使、カリスマ、ハート”などに挑戦してもらい、いろいろな表情のかわいいジュンスが見られて会場は大満足。
2つ目の願いでは、『A Whole New World』『Every Day, Every Moment』『Fallen Leaves』をアカペラで披露。
3つ目は、ファンがピアノで演奏した音源の伴奏でジュンスに歌ってほしいと『明日は来るから』を生歌で披露してファンの願いを叶えた。
リクエストに応え、即興で歌うとなおさらわかるジュンスの歌の上手さに、毎回このコーナーで感心する。
そして、その後披露された、日本ならではの選曲、2010年に日本でリリースした日本語曲『悲しみのゆくえ』。この曲をまた生で聴ける日がくるとは…。「♪幸せは 終わるより 変わる方が 僕には さみしい~」と、ジュンスが歌い込む歌詞が心にしみる。
そして、ジュンスが切々と歌い心に響いた中島美嘉のカバー曲『僕が死のうと思ったのは』は、想像していなかった選曲。カバー曲なのに、ジュンスのオリジナル曲のように歌い込む。深い歌詞をジュンスが歌い表現する一寸の光の世界に引き込まれていった。カバー曲は、やはり歌い手の表現で歌の質感が変わる。ジュンスの歌の表現力のすごさを改めて感じた曲となった。
※帰国後アップしてくれたカバー曲『僕が死のうと思ったのは』
ライブの終盤は、ダンス曲メドレーで盛り上げた。オープニングで足を痛めていたので心配をしていたのだが、そんなケガを感じさせない圧巻のパフォーマンスを見せた『OeO+Out Of Control+Flower』『HANA』『Incredible』。ファンも足を心配しながらも、ジュンスのダンスナンバーの代表曲を歌い踊り続けるさすがなパフォーマンスに会場は息をのみ、ステージに引き込まれていった。ジュンスのプロ魂を見たステージとなった。
アンコールラストは、もともとはジュンスがカバーし動画を上げたことがきっかけのひとつとなり2021年に韓国でTikTok動画やSNS動画を中心に大ブームとなった大塚愛のカバー曲『さくらんぼ』。
ジュンスのかわいいパフォーマンスに、観客も一体となり楽しく盛り上がる曲となっている。
コロナ前のコンサートでは隣の席の人と肩を組む振り付けがあったのだが、今回は接触なしの振り付けに変更。ジュンスによる厳しくも(笑)、楽しい振り付けレクチャー後、ジュンスと観客が、見事に呼吸を合わせひとつになり、盛り上がった『KIMJUNSU 2022 CONCERT [DIMENSION] IN TOKYO』の初日公演が終了した。
ミュージカルの経験も豊富なジュンスは、ダンスもしっかり踊れてバラードの歌声は感動して涙が出るほど人を魅了する歌唱力を惜しみなく発揮する。ひとりでどんな曲でも観客を満足させることのできる歌手・パフォーマーである。それとともに、日本語で楽しく話し、ファンとのコミュニケーションも長年培ってきたお互いの信頼関係のようなものが出来上がっていた。親に連れられて来ていた子が、成長してまた来ていたり、高齢のファンがいたりと、長年支えあっている良い関係性を感じることのできる今回の舞台であった。久しぶりの日本での公演は、そんな温かい雰囲気の中で終え、今後さらに日本での活躍を期待させる時間となった。
【セットリスト】
1.Fever
2.X Song
3.COLOR ME IN
4.Fantasy
5.How Can I Love You
6.A Low Constellation
7.Writing you
8.悲しみのゆくえ
9.僕が死のうと思ったのは ※カバー曲
10.OeO+Out Of Control+Flower
11.HANA
12.Incredible
13.さくらんぼ ※カバー曲