韓国大統領選挙が19日に行われ、セヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)氏が51.6%の票を獲得して当選。
朴氏は韓国で初の女性大統領となった。
全国投票率75.8%を記録した中、最大野党の民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)氏とは、3.6%差で当選を決めた。
しかし、韓国の投票率は、高い。
李明博大統領の政策は、国際的な地位は飛躍的に高まり大企業は躍進したが、一方では、中小・零細企業の経営は悪化し、年金、福祉政策はまだ十分整備されず、大学進学率は八割近い高さを誇るのにも関わらず、若年層の失業率は、就職留年を含めると10%を超えるといわれている。
朴氏は、この李大統領の競争原理を重視する政策とは一線を画し、福祉や教育予算を大幅に増やす路線を前面に出した。
そんなところが支持されたのだろうか。
この初の女性大統領となった、朴氏の父は、朴槿恵氏が小学校6年の時大統領に就任している。親子2代大統領となったわけである。
この朴槿恵氏は、ドラマのようなストーリーの人生を歩んでいる。
朴槿恵氏は、西江大学の電子工学科に進学し、理工学部を首席で卒業し、大学教授を目指しフランスに留学中、母陸英修氏が、1974年の式典出席中に会場にいた男に銃弾で撃たれ死去。大学生だった彼女は22歳から約5年間、大統領府に入ってファーストレディー役を務め父を支えた。この時の経験が、きっ今後の活動に活かされるのではないだろうか。
そして、5年後の1979年、今度は父親が側近に撃たれて死去という悲劇に見舞われる。
その後、しばらく隠遁生活を続けたが、韓国が金融危機に陥った年、政治を志し1998年に初当選する。
そして、2006年の統一地方選で、遊説中に刃物を持った暴漢に、今度は自身が襲われ、顔に深い傷を負った。
そんな、悲劇に見舞われながらも、不屈の精神で女性で、大統領にまで上り詰めたのは、すごいことだと思う。
自叙伝「絶望は私を鍛え、希望は私を動かす」という本も出版されているが、そのタイトル通りである。
大統領選当選から一夜明けた20日午前、父の朴正熙元大統領や朝鮮戦争の戦没者らが眠るソウルの国立墓地を参拝し、朴氏はまず慰霊塔に訪れた。「新しい平和と改革の新時代を開く」と記帳、朴元大統領と、母陸英修氏の墓では感慨深げな様子でしばらくの間、頭を下げたという。
こんな、悲運の人生を歩みながら、明るい未来を築こうとしていく前向きさがすごい。
日本の総裁も替わったばかりだが、 自民党の安倍晋三総裁は「朴次期大統領との間で緊密に意思疎通を行うことで、大局的な観点から、日韓両国の関係をさらに深化させていきたい」とコメント。
今後、お隣の国韓国との関係が、明るい未来に向かい、より友好な関係を保てたらいいと思う。