SM ENTERTAINMENTのアーティストが一同に会するSMTOWN LIVE。今回で通算20回目となる公演「SMTOWN LIVE 2024 SMCU PALACE@TOKYO」が、2月21日と22日の2日間、東京ドームで開催された。
そのオープニングを飾ったのは、日本で2月28日に「WISH」をリリースする、NCT最後の個別グループ・NCT WISH。昨年7月から9月にかけて放送されたプレデビューリアリティ番組「NCT Universe:LASTART」を通して結成されたグループだけに、既に日本でも人気沸騰中。メンバーの顔がモニターに映し出された瞬間に客席から大きな歓声が上がっていた。そしてビートの効いた「NASA」とプレデビュー曲「Hands Up」をパフォーマンスすると、その歓声は高まるばかり。とても鮮烈な日本初ステージを果たしたのだ。
さらに日本開催のSMTOWN LIVEに初登場となったのが、昨年9月4日に正式デビューしたRIIZE。デビュー曲「Get A Guitar」はもちろん、1月に配信がスタートしたメロディアスな楽曲「Love119 (Japanese Ver.)」も観客が大合唱。彼らの人気の高さを証明してみせた。
そんなフレッシュな魅力を炸裂させたグループがいる一方、長いキャリアを持つアーティストも次々と登場。SMTOWN LIVEへの出演は8年ぶりだというチョウミはウニョク(SUPER JUNIOR)と「Mañana (Our Drama) (Feat. EUNHYUK)」を、さらにリョウク(SUPER JUNIOR)と「Starry Night (With RYEOWOOK)」をコラボレーション。久しぶりのステージで変わらぬ歌唱力を披露した。
大ベテランのカンタはピアノを弾きながらドヨン(NCT 127)と「Doll」をしっとりと聴かせたかと思えば、一転、次の「Eyes On You」ではダンサー陣を従えてシャープにパフォーマンス。少女時代のメンバー、テヨンとヒョヨンは、それぞれソロで「To.X」と「Picture」を歌唱。独自の世界観を作り上げつつ、ヒョヨンは「DESSERT (Feat. YANGYANG of WayV)」をヤンヤン(WayV)と、テヨンは「Starlight (Feat. JAEHYUN)」をジェヒョン(NCT 127)とデュエット。スペシャルなステージを見せてくれたのだ。
こういった、ここでしか見られないコラボレーションもSMTOWN LIVEの魅力のひとつ。その中でも今回東京ドームを埋め尽くした観客を熱狂させたのはSUPER JUNIORとNCT WISHによる「U」と東方神起とRIIZEによる「Rising Sun」だった。「U」は、NCT WISHが誕生したオーディション番組「NCT Universe:LASTART」で課題曲になっていただけに、それを2組で披露するのは、まさにスペシャル!若々しいNCT WISHとさすがの迫力のSUPER JUNIORのコラボは、本当に見応えがあったのだ。
東方神起とRIIZEの「Rising Sun」は実にエネルギッシュ!この組み合わせとこの楽曲は、昨年東京ドームで行われた“2023 MAMA AWARDS”のコラボステージでも話題となったもの。勢いを感じるRIIZEのパフォーマンスと、抜群のスター性を発揮する東方神起の融合が観客の視線をクギ付けにしたのは言うまでもない。
そのうえ、毎回日本のファンを笑顔にするJ-POPのカバーも!今回はイェソン(SUPER JUNIOR)が「Pretender」(Official髭男dism)を、ウェンディ(Red Velvet)とウィンター(aespa)が「空の青さを知る人よ」(あいみょん)を、そしてチャンミン(東方神起)、キュヒョン(SUPER JUNIOR)、ショウタロウ(RIIZE)は、なんと「アイドル」(YOASOBI)を完璧な振付でパフォーマンス。会場中を大満足させたのだ。
もちろん、各グループのステージもタップリと。5月から6月にかけて、京セラドーム大阪、東京ドーム、そしてバンテリンドームナゴヤで初のドームツアー「2024 NCT DREAM WORLD TOUR〈THE DREAM SHOW 3〉が決定したNCT DREAMは、さわやかなポップチューン「Best Friend Ever」やスピード感ある「We Go Up」で東京ドームを盛り上げ、Red Velvetは昨年11月にリリースしたフルアルバム『Chill Kill』のタイトル曲「Chill Kill」を日本初披露。ドラマチックな展開と変化に富んだダンスで観客を魅了した。
aespaも7月に全国4都市全8公演となる二度目のアリーナツアー「2024 aespa LIVE TOUR – SYNK : Parallel Line-in JAPAN」が決定。今回のSMTOWNでもカッコよさとセクシーさが同居した「Next Level」や真っ赤な衣装で個性的かつ情熱的に魅せた「Drama」などでファンを虜にしていたのだ。
終盤は、いっそうライブの勢いが加速!NCT Uが「Baggy Jeans」をボーイズグループらしくワイルドなテイストで展開すれば、NCT WISHはデビューシングル「WISH」をキュートにパフォーマンス。“自分たちの音楽と愛で全ての人々の願いと夢を応援しながら、それを共に叶えていこう”というのが彼らのコンセプト。それが表現されたデビュー曲は、満員の観客に早くも希望と勇気を与えていた。
2月13日にソロの1stミニアルバム『TEN』をリリースしたTENを要するWayVは、メロディアスな「On My Youth (English Ver.)」で緩急あるパフォーマンスを見せ、現在「NCT 127 3RD TOUR ‘NEO CITY : JAPAN – THE UNITY’」を開催中のNCT 127がアグレッシブな楽曲「Fact Check」を繰り出せば、東京ドーム中が大合唱!ファンの熱量をグングン上昇させたのだ。
そんな空間に存在感タップリに姿を見せたSUPER JUNIORは、大人の余裕を感じさせる「Black Suit」をパフォーマンス。もはやSMTOWNライブに欠かせないと言っても過言ではない「Sorry, Sorry」や「BONAMANA」も中盤に繰り出しつつ、彼ららしい楽しいMCでもファンを喜ばせていた。
アーティストとしてライブを締めくくったのは、やはり東方神起。炎が吹き上がる中、ダンサー陣を従えて見せた「Rebel」のステージングは、貫禄を感じさせるもの。さらに「ご存じの方は一緒に歌ってください!」と呼びかけた大ヒット曲「呪文 -MIROTIC-」では、彼らのグループカラーである真っ赤なペンライトが東京ドーム中を包み込み、広い会場が完全に一体化したのだ。
約4時間にわたる圧巻のライブは、アーティスト全員がステージに姿を見せた「Hope from KWANGYA」でエンディング。毎回、最高の時間を演出してくれるSMTOWN LIVE。2024年も2日間で計100,000人に熱さと幸せを与えて幕を閉じた。
文:髙橋栄理子