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2019年7月21日08時17分 日曜日 【オフィシャルインタビュー】映画『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』ファン・ジョンミンへの11の質問

『タクシー運転手 約束は海を越えて』、『1987、ある闘いの真実』に続く、実話に基づく衝撃作として話題の『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』が大ヒット公開中。

この度、主演ファン・ジョンミンのオフィシャルインタビューが到着しました。

映画『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』ファン・ジョンミン オフィシャルインタビュー

―本作のオファーをもらった時の率直な感想と出演を決めた理由を教えて下さい。
そうですね、出演を決めた理由も感想もほぼ同じなのですが、まずあの時代に北に潜入したスパイがいて、ああいったことが行われていたという事実を僕は全く知りませんでした。その当時、僕は20代後半で劇団で演劇をしていました。国民の皆さんも知らなかった人が多かったはずですが、当然僕も知りませんでした。脚本を呼んで「そんな昔の話でもないのに、俺たちは知らなかったのか」と驚きました。そして「これはみんなにも教える必要がある」と思ったのが理由です。

―黒金星というスパイの存在を知らなかったということですね?
そうです。まったく知りませんでした。

―実在の、しかもスパイを演じるにあたっての苦労や、役作りの上で心がけたことがあればお聞かせください。
諜報員(スパイ)というのは決して目立ってはダメな存在ですよね。外に正体を知られては絶対にいけないんです。多くの人々は”スパイ映画“と聞くと、ハリウッドのボーンシリーズのような派手なアクションで闘うような映画を想像すると思うのですが、それだとスパイだと自ら言いふらしているかのようで、とても目立ってしまいますよね(笑)。つまり実際のスパイではありえない話です。それはエンターテインメントとして別のベクトルで見る楽しさがあるのですが、僕たちは事実を基にしているので、そうした派手なアクションはありませんでした。黒金星は相手に正体を知られないように着々とだましていきます。自分が話をしている間にも、心の中には2つの性格が存在します。スパイとして、また別の人格として。それを演技で表現しなければならないということが一番難しかったです。北と南が淡々と話をしている間でも、心の奥底ではまた別のことを思っていなければなりませんから、それを観客に見せなければいけないことが大変でした。

―実際の黒金星(パク・チェソ氏)ご本人に会われたそうですが、実物はどんな印象でしたか?お会いになったのは撮影の前ですか後ですか?役作りの上で何か影響がおありでしたでしょうか?
はい。撮影に入る前に直接お会いしました。お会いして色々なお話を聞いて、とても参考になりました。ご本人の姿を完全にマネしようとは思っていなくて、パク・チェソさんが長い間どのような人生を生きてこられたのか、とても気になったのです。お会いした印象ですが、一番驚いたのは、人は話をする時、相手の目を見ると今どんな心理状態なのか、なんとなくでも分かるじゃないですか?でもパク・チェソさんは目を見ても全く読み取ることができませんでした。今、どんな気分なのだろう?機嫌がよいのか、よくないのか、僕には全く読めませんでした。それには本当に驚きました。きっと長いこと諜報員として活動していたからそうなのだろうとは思ったのですが。僕にとってはそれが最も大きな宿題となりました。どうしたらそのような感じを演技で出せるかと。

―黒金星(パク・チェソ氏)とはたくさん話をされましたか?
はい。たくさん話をしました。パク・チェソさんが国家保安法違反で獄中生活をしながら書かれた手記があるのですが、それを読んでからパク・チェソさんのところへ行きました。そこで当時の詳しい状況などを聞きました。そういえば、パク・チェソさんでさえも、最初はこの映画がボーンシリーズのようなスパイアクション映画だと思われていました(笑)。それで僕は「じゃあそんなふうに実際に派手にアクションされたのですか?」と聞きました。「いや、するわけがないだろう」という答えが返ってきて、そんな冗談を言ったりもしました(笑)。

―ユン・ジョンビン監督は『華麗なるリベンジ』で製作総指揮をされていましたが、監督としては初めて一緒にお仕事をしたかと思います。いかがでしたか? 
そうですね。今回初めて監督の作品に出ました。ユン・ジョンビン監督はとても賢い方です。そしてとてもしつこいです。僕は仕事をする時は、しつこくて人に苦労させるタイプの人が好きです。そうであってこそ自分も様々なことを吸収できると思うからです。簡単に楽に仕事をする人はあまり好きではありません。ユン・ジョンビン監督とはとても気が合いました。この作品は演劇のようにセリフがとても多いのですが、セリフを言い合っている姿が、アクションで闘っているかのように見えたらと監督は考えられていました。韓国でもこの作品の宣伝をする時は“マウス・アクション(=註:言葉のアクション)”という言い方をしていたくらいです。互いに対する緊張感を高めるためにはたくさんの物語がないといけないし、役者の呼吸も合っていないといけません。そして話をしていないときの空気感みたいなものも大事です。映画を作っている側にはそれが分かりますが、そういったエナジーが観客にも伝わらないといけませんよね。どんなふうに表現をしなければならないかについて、常に監督と話し合いました。

―イ・ソンミンさん、チョ・ジヌンさん、そして『アシュラ』に続き再び共演したチュ・ジフンさんとの共演はいかがでしたか?
チョ・ジヌンさんとは初めて共演しましたね。でも僕のほうが年上なのでやりやすかったです。自分のほうが年上だったらたいていは楽です!というのは冗談ですが(笑)。イ・ソンミンさんやチュ・ジフンさんは以前に共演しましたし、チョ・ジヌンさんはプライベートのお酒の席でよく会っていたので、みんな家族みたいな感じでとても楽でした。それから、撮影が3分の2ほど終わった頃に、お互いが演じるのに苦しんでいることを吐露し合いました。みんなでお酒を飲んでいて一人二人と順に、この作品をやりながら今ちょっと苦労してて…というような話を吐露しはじめました。みんなプロの俳優ですから、本来そういう弱音を吐くような話というのは互いにあまりしないほうなんですけどね。話を聞いてみると全員同じ苦労をしていて同じ気持ちだったんです。そうした話を互いにすることによってむしろ団結したと言いますか、互いに励みになりました。

―日本の観客にこの映画をどのように楽しんで頂きたいか、メッセージをお願いします。
そうですね、派手なアクションなどはないので寝ないで観てください。ハハハ(笑)。僕がカンヌに行って感じたことがあります。カンヌでは観客の大多数が外国の方で、実際に韓国の観客が肌で無意識に感じるものとは違うと思うんです。ですが、こういったことがあったのだなと興味深く観てくださっていました。日本の観客の皆さんもきっとそんなふうに観ていただけるのではないかと思います。北と南という分断された国家間の話ではありますが、共感していただける部分もたくさんある映画です。楽しんで観ていただきたいです。政治的な話がしたいのではなく、結局は人と人とが疎通する物語です。そうした部分を観ていただけたらと思います。

―日本の映画人で一緒に仕事をしてみたい方はいますか?
僕はあまり日本の映画人には詳しくないのですが『うなぎ』の今村昌平監督は、一度お仕事を一緒にしてみたかったなぁと思いました。

―演劇と映画のどちらの分野でも活躍されていますが、ファン・ジョンミンさんにとって“映画の魅力”とは何でしょうか?
舞台は演技をはじめた若い頃からやってきているせいか、自分の家のようです。映画は、やればやるほど難しくて慣れません。映画はとても細かくて、浅はかな考えで演技に臨もうものならカメラに全部それが出てしまいます。だからもっと頑張ろうと毎回一生懸命にやっています。

―今後、演じてみたい役柄はありますでしょうか?
僕はこれまで一度もキャラクターを考えて作品を決めたことはありません。なぜなら、ストーリーが面白かったら、その中の登場人物はきちんといかされます。一番大事なのはストーリーです。

『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』
<STORY>
1992年、北朝鮮の核開発をめぐって朝鮮半島の緊張状態がたかまるなか、軍人だったパク・ソギョン(ファン・ジョンミン)は北の核開発の実態を探るため、コードネーム黒金星(ブラック・ヴィーナス)という工作員として北朝鮮に潜入する命令を受ける。事業家に扮したパクは3年にもおよぶ慎重な工作活動の末、北朝鮮の対外交渉を一手に握るリ所長(イ・ソンミン)の信頼を得ることに成功し、北朝鮮の最高国家権力である金正日と会うチャンスをものにする。しかし1997年、韓国の大統領選挙をめぐる祖国と北朝鮮の裏取引によって、自分が命を賭けた工作活動が無になることを知り、パクは激しく苦悩する。果たして彼は祖国を裏切るのか、それとも国が彼を切り捨てるのか。また北朝鮮はパクの工作に気づくのか―。

監督:ユン・ジョンビン(『群盗』、『悪いやつら』)
出演:ファン・ジョンミン『哭声/コクソン』、『アシュラ』
   イ・ソンミン『目撃者』、「ミセンー未生ー」
   チョ・ジヌン『お嬢さん』
   チュ・ジフン『神と共に』2部作、netflix「キングダム」、『アシュラ』
原題:공작/2018年/韓国/カラー/137分/提供:ツイン・Hulu/宣伝プロデュース:ブレイントラスト
公式HP:http://kosaku-movie.com
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7月19日(金)シネマート新宿ほか、全国ロードショー

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