逆境の中を強く生きる女性と2人の男性、それぞれに複雑な過去と拭いきれない傷を負った3人の想いを描く珠玉のラブストーリー「私がいちばん綺麗だった時」のDVDが9月3日(金)よりリリースとなりました。
このたび、初恋にときめく高校生から青年までを好演したジスのインタビューが到着しました。
―本作への出演を決めた理由をお聞かせください。どんな部分に特に惹かれましたか?
最近のドラマとは少し違う、感性を重視した正統派の恋愛ドラマという点に魅力を感じました。最近は軽いドラマが多いので珍しいタイプです。そんな点に惹かれました。少し古い時代の感性、レトロな雰囲気が漂うところも魅力的です。監督も経験豊富ですし、出演者もベテランぞろいで、このドラマに出演すれば多くのことを学べると思いました。
―キャラクターに共感できた点、また、自分にはないと感じた部分(性格など)を教えてください。
共感できるようでいて、できない点が多かったですね。例えば愛についてです。ファンは常に愛する人に配慮して心から相手に尽くし深く愛します。僕には、到底そこまでできないというくらいに。でも、ファンは最初に勇気を出すべきでした。タイミングの問題もありますが、そこが僕と似ているようで違うところです。ファンは純粋な心の持ち主で、僕にも純粋な部分はあるけど、愛における選択という場面では、僕とファンは違うと思います。それで撮影しながら、「僕にはそんな愛し方はできない」と思う時もありました。
―兄ジンを演じた、ハ・ソクジンさんとの共演はいかがでしたか?一緒に演じたシーンの中で特に印象に残っているのは?
僕に合わせてくれたのでとても楽でした。印象に残っているのは撮影初日のシーンです。ジンがふざけてファンの頬にキスする場面がありました。実はここは重要なシーンなんです。なぜならこの直後、ジンがファンにイェジ(イム・スヒャン)と付き合うと言います。「僕が好きな人だからダメだ」とファンは言うべきでした。僕なら言います。でもファンは内気な性格が災いしてイェジを兄に取られてしまいます。ソクジンさんと初共演でぎこちなかった部分も、このスキンシップのおかげで消えました。実はこれ以降、兄弟の仲のいいシーンというのはありません。それで余計印象に残っています。
―兄弟で同じ女性を好きになってしまうという設定を演じて、ソ・ファンの感情についてどんなことを考えましたか?
このドラマの中に出てくるさまざまな感情は、他のドラマと同じように、日常生活で感じる感情の延長線上にあります。愛を成就できないことの痛みは誰もが知っています。僕自身もファンを演じながら胸が痛くなりました。そしてそれを演技で表現するのはとても難しい作業だったので、精神的にはつらかったですね。
―ソ・ファンはイェジが結婚した後も一途に彼女を支え続けますが、ジスさんだったら叶わない恋を何年も続けることはできると思いますか?
もし結ばれる可能性があれば5年でも待てると思います。でも可能性がなければ待てません。僕なら兄と結婚した時点で諦めるでしょうね。ファンも一旦は諦めたと思います。でも状況が変わったので、昔の想いがよみがえったのでしょう。正直、ファンのように相手を熱く深く愛せるかは分かりません。でも少しでも可能性があれば、僕もファンのように愛する人を待ち続けられるかもしれません。
―イム・スヒャンさんとの共演はいかがでしたか?一緒に演じたシーンの中で特に印象に残っているのは?
たくさんありますが1つ挙げるなら、やはり初日に撮影したシーンです。スヒャンさんと自転車に乗っているシーンで、作品のオープニングでも使われています。バックの景色も美しかったし、なにより2人の姿がとても初々しいというか、可愛らしく撮れています。もう1つ挙げると、大人になったファンがそれまでずっと抑えてきた想いをイェジにぶつけるシーンです。「そんな生き方はダメよ」とイェジに言われて、「僕の人生を壊してでも一緒にいたい」とファンが言うんです。韓国では人気だったシーンで、僕もこのセリフが心に響いて今も記憶に残っています。
―イェジと自転車で2人乗りをするシーンは、田舎道を走るのが大変だったのでは?
撮影初日に自転車に乗ったんですが、スヒョンさんが転びそうになったんです。自転車と車を繋いで撮影していたので危いところでしたが、無事に撮影できました。あとは、急に自転車に乗ったので脚が痛くなったとか。もともと自転車は得意なんですが、久しぶりだったし緊張したせいでしょう。
NGはありましたか?
あまりなかったですね。監督もカメラマンもベテランなので順調でした。リハーサルは10回近くやりましたが、撮影は1~2テイクでオーケーでした。
―酔ったイェジを家に連れて帰るシーンの撮影エピソードをお聞かせください。
猫と一緒に撮影したので、タイミングを合わせるのに苦労しました。スヒャンさんが酔った演技をして、猫がいなくなると同時に僕が現れるという設定でした。何度か撮影しているうちに、どういう訳か猫がタイミングよく動いてくれた時があって、うまく撮影できました。
―撮影現場のムードメーカーはどなたでしたか?
感情表現が多い作品なので、和気あいあいとした明るい雰囲気という訳には行きませんでした。内輪で冗談を言う程度ですね。でもスヒャンさんが持ち前の明るさで、現場の雰囲気を盛り上げようと努力してくれました。
―自然豊かな場所や地方ロケのシーンも多かったですが、どんな場所が印象に残っていますか?
イェジと自転車に乗った道です。もう一度行きたいですね。画面でもとても美しく映っていました。もう1つは、ファンがつらい時に大木を殴りつけながら感情をぶつけていた場所です。悩みがあるとその大木のある場所に行き、感情を吐き出して心を慰めるという設定でした。僕自身も気持ちが楽になり、画面で見ても美しい場所でした。
―本作を通して得たもの、新たに挑戦できたことなどを教えてください。
このドラマでは、少年から成人まで1人の人物を演じました。特に感情面の複雑な変化を演じたことは、今後の成長につながる大きな収穫だと思います。具体的に何を得たということではなくて、このような経験自体が今後の演技に役立つと思います。経験値を積めたことが収穫でした。
―コロナの影響でドラマの撮影現場もこれまでとは違うことが多かったと思いますが、どんなふうに乗り越えましたか?
監督をはじめスタッフ全員がマスクを着用していました。人数制限もあったようです。野外での撮影も難しくなり、本来野外で撮影する予定のシーンを室内のセットで撮影したことも多かったです。それから撮影する前と撮影が終わったあとに必ず検査する点ですね。
―本作を楽しみに待っている日本のファンにメッセージをお願いします。
「私がいちばん綺麗だった時」でソ・ファンを演じたジスです。日本の皆さんがご覧になると聞いてワクワクしています。一生懸命撮影した作品なので、日本の皆さんにも楽しんでほしいです。僕が演じるファンにはジンという兄がいます。いろいろな視点から僕たち兄弟を見ていただくと、さまざまな感情を楽しめます。どうかお元気でお過ごしください。。1日も早く皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。