そしてここからは、そんなウンビンが演じてきた役のファンが選んだ名場面・名ゼリフベスト3を発表していくことに。
まずは名場面の第3位から。『ブラームスは好きですか?』の6話で、ウンビン演じるソンアが、キム・ミンジェ演じるジュニョンに「好きです」と告白するシーン。スクリーンに映し出された映像に、いちいちツッコミを入れるお茶目なウンビン(笑)。撮影時、とても暑くて、「汗と涙が一緒になっていたんじゃないかというくらいです」と裏話も披露し、「好き、好きですよ」とセリフの再現までしてくれた。
名場面の第2位は『恋慕』の最終話で、ウンビン演じるフィが毒の入ったお茶を飲み、死にそうになる場面。一緒に飲んだユン・ジェムン演じるギジェは死んでしまうという展開に、「バイバイ、おじいさん」と絶妙な合いの手を入れ、会場も爆笑。実はこのシーン、最後まで悲しいエンディングにするのか、幸せなエンディングにするのか、制作陣は悩んでいたそうで、ウンビンは「ハッピーエンディングにしてください」と訴えたのだそう。そのかいあってか、このエンディングになったが、フィが上皇になるエンディング案などもあったそうで、監督はエンディングを悩んでいる間に、いろんな俳優に「君が実は王になるんだよ」と伝え、ウンビンのところにも弟たちが「僕が王になるって聞いたんですけど」と言いに来たので、「ありえない!うそ!」とバッサリ否定し、結局は誰も王にはならなかったという貴重な暴露までしてくれた。
名場面の第1位は『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の最終話で、ウンビン演じるヨンウが、回転ドアを通れるようになる場面で、おめでとうございます!ついに!ようやく!」とウンビンも大喜び。
このドラマでは、回転ドアのシーンが多数出てくるが、そのためウンビンは「地獄の回転ドア」「恐怖の回転ドア」と呼んでいたのだそう(笑)。例えば1話でヨンウが回転ドアに入れないシーンは、ヨンウが出勤して回転ドアの前まで行くので1日、回転ドアでぐるぐる回るので1日、手助けを受けて回転ドアから出てくるので1日の計3日間をかけて撮影したのだそう。そのため、最終話のシーンはウンビンにとってもうれしいエンディングで、「胸がいっぱいですね」と喜びをあらわしていた。
続いて名ゼリフのベスト3へ。
第3位は、『恋慕』の17話でウンビン演じるフィがロウン(SF9)演じるジウンに「“やめよとは、まだ命じていない。止まれ。王命だ」と涙ながらに命じるセリフ。フィを演じたことについて、「女優として、時代劇の中で世子を演じたのは、韓国のドラマ史上、私が初めてでしたし、王様の役を演じたのも初めてだったので、とっても光栄でした」と話したウンビンは、3位のセリフ以外にも王として印象に残っているセリフがあるか聞かれると「王としてというよりは、このドラマのタイトルが『恋慕』なので、自分の最後を前にして、死ぬ覚悟をして『恋慕しています』と最後に叫んだ場面が記憶に残っています」と回答し、「みなさん、恋慕しています」と会場に向けて声を掛けていた。
名ゼリフ第2位は、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の最終話で、ウンビン演じるウ・ヨンウが、自分をシロイルカの群れに紛れ込んでしまったイッカクに例えて「私はみんなと違うから、なかなか溶け込めないし、嫌われることも多いです。それでも平気です。これが私の人生だから。おかしくて風変りだけど、私の人生は、価値があって美しいです」と、チン・ギョンを演じるスミに堂々と気持ちを伝えるセリフ。ドラマ全体を通してのテーマとも言える感動的なセリフだが、ウンビン自身も「ヨンウは私より大人だと思います。大人の重み、自分がすべきことをちゃんと分かっている子だと思います。ですから、さっきのシーンのセリフは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』を通して、ウ・ヨンウの口を通して、みなさんに伝えたかったメッセージを伝えることができて、とっても好きなセリフです」と、胸に残るセリフのようだった。
そして名ゼリフ第1位は、『ストーブリーグ』の7話ラストでウンビン演じるセヨンが、ナムグン・ミン演じるスンスに対して無礼を働いた選手に、グラスを投げつけ「一線を超えたのは、お前のほうだろう!」と一喝するセリフ。スカッとするこのセリフだが、この場でもセリフを再現し、会場全体をすっきりさせてくれた。
続いては、ウンビンが演じたキャラクターへの質問タイム。この質問が読まれたファンにもプレゼントが贈られた。
『青春時代』のジウォンへは、「悩んだ時、気を紛らす方法は?」の質問。
ウンビンは、考えすぎてしまったり、ストレスを受けて「私の中がいっぱいになった時、それを一度空にしてあげる必要があると思っています。その時はできれば横になります。寝ます。あまりにもいろいろなことを考えて寝付けない時は、音楽を聴いたりします」と真剣に回答。自分に合ったやり方を見つけてほしいと補足し、「がんばってね」と声を掛けていた。
『ストーブリーグ』のヨンには、「チーム長として部下に求めること3点」の質問。
「“責任感”“誠実さ”“情熱”、理想ですね」と迷わずに答えていた。
『恋慕』のフィには、「もう一度生きるなら、世子(フィ)としてジウンと生きたいか、タミ(ヨンソン)としてジウンと再会したいか?」の質問。先ほど名場面第2位にもあったシーンで、毒のお茶を飲み気を失った時に見ていた夢を挙げ、「夢の中で描かれていた世界が、もうひとつのパラレルワールドだと思っています。ですから、双子として生まれたことの悲劇がなかったら、タミはヨンソンとして、お姫様として生きたのではないかと思います。でも、もしそうだとしたらドラマにはならなかったですよね(笑)」と回答。
『ブラームスは好きですか?』のソンアには、「いちばん好きな場面は?」の質問。「やっぱり、ものすごく努力したバイオリンのシーンです」と即答。子供の頃に接したことはあったものの、完全に忘れていたというバイオリンだったが、代役は使えないという事実を知り、実力が伸びていったのだそう。「やっぱり人は窮地に追いやられてこそ、パワーがでるんだなと思いました。好きだったバイオリンが思いっきり弾けて良かったと思います」と、どこまでも前向きなウンビンだった。
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のヨンウには、「イルカとクジラとイ・ジュノさんに、同時にデートに誘われたら、誰とデートに行きますか?」の質問。「もちろん、ヨンウニャ、クジラが好き!」と、またしても『SPY×FAMILY』風に回答していた。
間もなくイベントも終了ということで、寂しそうな表情を見せながら、「1日が、本当にあっという間に過ぎた気がします」というウンビン。会場を埋めてくれたファンに感謝の気持ちを伝えると、「ファンミーティングごとに、その国の雰囲気が感じられます。日本のみなさんは、クラシックコンサートのように私の話に耳を傾けてくださり、目がキラキラしています。みなさんの秩序を守った静粛な姿、(日本語で)すごいですねぇ。みなさんのおかげですよ。私、本当に、とってもとっても幸せです」と伝えた。
ここでサプライズの映像がスタート。“#ウンビンに一言”というハッシュタグで集められた言葉と、なせ私のことを好きなのか理由を知りたいというウンビンに向け、その理由をファンが綴ったもので、ウンビンのオフショットなどと共に流された。最初は元気にその言葉に返事もしていたウンビンだが、最後は号泣。ファンからは「일본에 와줘서 고마워요(日本に来てくれてありがとう)!!だいすき♡」と書かれたスローガンも掲げられ、涙が止まらないウンビンは、「みなさん久しぶりに私を泣かせましたね」と泣き笑い。以前好きだと話していたアレッシア・カーラの『Stone』を映像に使用してくれたファンの気持ちを受け、「私がみなさんを支える石になってあげますという気持ちです。その曲をバックに、とても素敵なメッセージを伝えてくれて、ありがとうございます。日本のファンのみなさんは、ずいぶん前からファンでいてくださる方が多いと聞いています。今日ここに来るまでに、とても長い時間がかかってしまい、申し訳なかったですが、みなさんに愛していただける作品で、また戻ってこられました。いつも変わらぬ声援に、心から感謝しています。私と一緒に、私に合わせて歩んできてくださって、いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします」と、温かい言葉を贈った。
さらに「素敵な大切な感情を私に感じさせてくださって、本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えると、スローガンを改めて確認し、「私も、もっともっと、もっともっと大好きだよ」と笑顔を見せた。
あまりにも号泣したため、しばしメイクを直してから記念撮影へ。自分のスマホでも動画撮影し、「愛してるよ~」「また会いましょう」と声を掛けると、最後の歌へ。
ウンビンが以前観た映画『カノジョは嘘を愛しすぎている』のOST『ちっぽけな愛のうた』を選曲した理由を「♪キミとボクが出会えたこの奇跡 心から感謝しているよ~」という歌詞の部分を伝えたいからだと明かすと、「今日みなさんに出会えたこの奇跡を美しく残したいと思います」と伝えるウンビン。スタッフにも感謝の気持ちを伝え、「みなさん、次にお会いする時まで、全員が健康で幸せに過ごしていただけたらうれしいです。今日は本当に本当に幸せでした。上手く歌えないと思いますが、私の真心を聞いてください」と前置きして、息を整えて『ちっぽけな愛のうた』へ。スクリーンには歌詞も映し出され、歌でもしっかりと気持ちを伝えると、ステージを移動しながら手を振り、「今日幸せでしたか?」と声も掛け、しっかりとファンの顔を心に刻んでいるようなウンビン。歌い終えると、「元気に過ごしてくださ~い。日本のみなさ~ん、愛してる~」と言ってお辞儀をすると、「バイバイ、お元気で、またね、ありがとうございました」と声を掛けながら、ステージを後にした。
エンディングの映像でもさらに感謝の気持ちを伝えると、会場からは大きな拍手が起こっていた。
発する言葉一つひとつに輝きがあり、思わずその話に聴き入ってしまう魅力のあるウンビン。天真爛漫な飾らない笑顔に、癒された人も多かったことだろう。多様なキャラクターを難なくこなしているように見えるが、実はたくさんの努力をしていることもよくわかったこのファンミーティング。日本語の使い方も絶妙で、日本での演技にも期待できるのでは、と思わせてくれた。
次回作での新しいキャラクターにも期待したい。
(完)←前頁へ