韓国のセレブファミリーと庶民の対立をシニカルに描いたスキャンダラス格差ラブコメディの傑作「風の便りに聞きましたけど!?」。DVD-SET1が好評リリース中、SET2が3月2日、SET3が4月2日にリリースされます。本作で愛する女性と我が子を守るために、親と戦う御曹司ハン・インサンを好演し、新たな魅力と演技力を魅せつけたイ・ジュン。俳優デビュー作であるハリウッド映画『ニンジャ・アサシン』、キム・ギドク製作・脚本の『俳優は俳優だ』、「カプトンイ 真実を追う者たち」などの作品を経て、本作に出会い、俳優としてさらなる評価を得たイ・ジュンのインタビューが届きました。
――ドラマ『風の便りに聞きましたけど!?』に出演を決めた理由とキャスティングされた感想をお願いします。
アン・パンソク監督と脚本家のチョン・ソンジュさんは、韓国ではとても著名な方々ですので、その方々とのお仕事ということで、とにかくうれしくて台本を見る前から、これはやらなきゃと思いました。
――台本を見てからはいかがでしたか?
あまり期待していると、実際に台本を読んだ時にがっかりしてしまう場合もあるのですが、今回の場合は、期待以上のものでした。愛する感情の表現であるとか、ストーリー展開が驚くほど完璧でした。
――演じたハン・インサン役について簡単に紹介してください。
ハン・インサンという人物は、韓国の上位1%に属するセレブファミリーの跡取り息子で秀才です。両親の下で、両親の言う通りに育てられ、見方によっては勉強することしか知らないタイプです。
――ハン・インサンとイ・ジュンさん本人との相違点を1つずつ紹介してください。
似ている点は、私もハン・インサンと同じような年頃には、先輩たちと目も合わせられず、何か間違ったことも悪いこともしていないのに、何か間違いでもしてしまったようなそんな気持ちでした。そういった点は、インサンとよく似ていると思いますが、それ以外は違いますね。
――ドラマの中のインサンは優等生ですが、イ・ジュンさんご自身は、学生時代いかがでしたか?
勉強を全然しなかったわけでも、すごくしたわけでもありません。中学1年の時は学年で中間くらいの成績で、2年、3年と学年が上がるにつれて、少しずつ順位は落ちていきました(笑)。高校ではダンスを専攻してダンスで成績を出したので、その点では優等生と言えるのではないかと思います。
――メイキングを見るとアン・パンソク監督ととても寒いギャグを連発していましたね(笑)。監督と一緒にやっていていかがでしたか?
まずアン・パンソク監督から演技や、そのほかのことについて、とてもたくさん学ばせていただいて、とても満足しています。監督と控室を一緒に使いました。ソファを向かい合わせにしたような状態で6カ月も一緒だったんですよ。だから終わってみると、心の片隅に何だかは、はっきりわからないのですが、知識であるとか、言葉ではうまく言い表せない何かがたくさん蓄積されたような感じになりました。一日の中で講義を聞く時間があるような感じで1日、2日、3日と…、そんなふうに6カ月を過ごしたので、本当にお金を払っても受けられないマンツーマンの講義をとてもたくさん受けたような、そんな満たされた気持ちになりました。
――初めからキスシーンやベッドシーンが出てきて話題になりました。撮影は順調に進行しましたか、プレッシャーや緊張感はありませんでしたか?
全くそういったものは感じなかったです。キスシーンの場合、美しく撮らなければいけないという考え方もあるでしょうが、とにかく一番重要なのは感情だと思いますし、台本ではぎこちない感じを生かして演じるようになっていたので、そんなに負担には思いませんでした。
――お父さん役のユ・ジュンサンとの呼吸は合いましたか?
とても気楽な感じでした。初回から親しくなれたので、負担に感じるというよりも、ただただ楽しかったです。お互いに笑いながら楽しく仕事をした記憶があります。
――ユ・ジュンサンの演技や現場での姿で、見習うようなことはありましたか?
演技もそうですが、演技に臨む姿勢がとてもエネルギッシュで、まるで新人俳優のような態度で率先して何事もなさるので、ほかのスタッフや私たち俳優陣もみんなとてもいい刺激を受けました。本当に見習わなくてはと思いました。
――特に記憶に残っていたり重要だと思われるシーン、気に入っているシーンやセリフはありますか?
実は、私はドラマを撮り終えると、演技に熱中するあまり、初回と最終回以外のほかの回の記憶が消えちゃうんです(笑)。だから思い出すのは初回の時の、タクシー運転手に「僕たちキスしていいですか?」と言うシーンが記憶に残っています。とても緊迫した状況の中であっても、彼女がキスに応えてくれるという自信と、10代男性特有の強がりのようなのがちょっとかわいくも感じられたりもして、切なく思えました。
――インサンは学生結婚しましたが、結婚について、自分だけの計画や夢がありますか?
今より若かった頃はそんな想像もよくしましたが、今はとても漠然とした未来のことに思えて何の想像も全くできません。結婚を考えてみたこともいないし、何かちょっと怖かったりして、まだ私にはあまりにも遠い未来のことのように思えます。
――感情を維持するために、どのようなことをしましたか?
作品を撮る時は、キャラクターの感情や演じるやテンションを維持するためには、やはり気持ちを張りつめて敏感にならざるを得ないですね。敏感になっていないとうまくキャラクターの感情を捉えて表現できなかったりしますし、神経を張り巡らせていないと、細かな部分を逃してしまったりして役を演じきることができないので、敏感になっていると思います。この作品が特別なのではなくて、作品を撮る時はいつもそんな感じです。でも作品撮り終えるとすぐに元の精神状態に戻るので、こういった“いい意味でのストレス”は俳優にとっては、とてもよいものではないかと思っています。
――今回の作品で新しく挑戦できたことや、やりがいを感じたこと、または、成長をしたと感じられたことはありましたか?
新しく知ったことも多かったですし、こうやればいいんだと理解できたことも、とても多かったですね。うまく言葉にはできないんですが……。そういったものが、いずれ演技として表に現れてこなければいけないと思っていますが、今はまだ胸の中で色々なものが温まっているような状態です。はっきりと言えるのは、とてもたくさんのことを得たのは確かだということです。
――ドラマの視聴率も良かったですが、ドラマが放映されてファンや周囲方々の反応はいかがでしたか?
私の周囲の人たちがみんな見てくれました。今回は身近な人たちの反応を見ても、これまでとは感じが違うのがわかりました。とりわけ私より年齢が高い方々、母と同じ年代の方や、町内のおばさんたちにすごく好評でした。
――視聴者から、どんなふうに褒められたりしましたか、具体的には、どこがよかったとか……。
学校の先生をしている後輩がいるのですが、その後輩が言うには、周りの先生たちもみんな見ていて、ドラマが放映される月曜と火曜日は、帰宅時間も早くなったそうです。そんな話を聞かされるとはやり気分がいいですね。
――ドラマの中のイ・ジュンさんについての反応はいかがでしたか?
じれったくて見てられないと言われました。両親の言うことばかりを聞いて、主人公が何かこうもっと変わればいいと言われました。それで少しネタバレになってしまうかもしれなかったのですが、主人公が変わっていくことを話したら、満足してくれました。
――将来はどのような俳優になりたいですか?
後退することのない、つねに歩み続けるそんな俳優になれたらいいですね。一つ一つ作品に携わり、経験を積んでいくことで、新しいことを発見できたらいいと思っています。
――あこがれている俳優や目標としている俳優はいますか?
あまりにも多いです。とても立派な方々が多いので、選ぶのが大変ですが、ちょっと変わったところで挙げるとするならばナタリー・ポートマンです。普通同性を挙げるのでしょうが、私は女優を選びます。
――どのような理由で彼女を選びましたか?
なぜだかよくわからないのですが、彼女の演技を見ていると、1秒、1秒の彼女の演技が、私にとっては意外なことの連続で、どうしてこんなふうに演じるのだろうかと驚きます。そんなふうにしか思えないほど、すごい人だなと思っています。
――最後に『風の便りに聞きましたけど!?』の日本ファンのみなさんに、ドラマの見どころとメッセージお願いします。
みなさんこんにちは。『風の便りに聞きましたけど!?』でハン・インサンを演じたイ・ジュンです。『風の便りに聞きましたけど!?』は、この社会の色々な話を、ブラックコメディに昇華させた作品だと言えると思います。喜怒哀楽、色々なものがドラマでは描かれています。日本の皆さんも楽しめる作品だと思います。ご期待ください。
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