昨年4月の公演以来、約1年ぶりとなるROYAL PIRATESの公演が神奈川・川崎のCLUB CITTAにて2月11日(木)、12日(金)の2日間にわたり行われた。
何といっても、昨年6月にベース担当のJAMESが手首が切断されるほどの大事故に遭ったという衝撃的なニュースに、ファンも気が気でなかったに違いない。
しかしながら、昨年末にはJAMESが楽器をベースからキーボードに変更し、通算3枚目となるミニアルバム[3.3]で奇跡の復活を遂げたROYAL PIRATESだけに、ファンのみならず、大きな期待がかかる公演となった。
昼公演がトーク中心のファンミーティングになっていたため、夜公演はアンコールを含め、全17曲という、ROYAL PIRATESのサウンドを思いっきり楽しめるライブ公演となっていた。
また、今回の公演では、ギターボーカルのMOON、キーボードのJAMES、ドラムのEXSYに加え、コンポーザーとして活躍するEnikも参加し、新スタイルのROYAL PIRATESとなっていたのも見どころとなっていた。
会場の真ん中には花道が作られ、ファンもそわそわする中、会場からどこからともなく拍手が巻き起こると、MOONの「行きましょうか!」の声で、いよいよライブがスタート。
いきなり、ニューアルバム[3.3]の中から、『DANGEROUS』『TOO FAST』の2曲。
『DANGEROUS』では、MOONの「一緒にジャンプしましょう!」の声に、会場もジャンプで応え、MOONも花道へ。JAMESも激しく鍵盤を叩き、会場を煽る。
『TOO FAST』では、会場全体が拍手で一体となり、きれいなメロディに聞き惚れていた。
ここでMOONが得意の日本語で「こんにちは、みなさん、RPです。」と挨拶すると、どこからともなく「調子はどう?」と機械的な女性の声が。JAMESのサンプラーから発せられたその声は、その後も、いいタイミングで繰り出されることに(笑)。
さらにMOONが「今日のライブのキーワードは“ジャンプ”です!ジャンプしなきゃ、僕は怒るよ(笑)。」と会場を煽り、次の曲へ。
ちょっぴり切ないメロディの『U & I』を歌うと、次の曲ではまず、MOONの「一緒にやりましょう!」の呼びかけで「Hi!」の部分を練習。JAMESのサンプラーからも「行きましょう!」の声が上がり、会場も笑顔になったところで、『SHOUT OUT』へ。練習の甲斐もあって、みんな息の合った盛り上がりを見せていた。
ここでEnikが「お元気ですか?」とかわいらしい日本語を披露すると、MOONがメンバーを紹介。
「プログラミングとシンセサイザーを担当しているJAMES!」と紹介されると、「こんばんは~!」と大人の色気を見せるJAMES。
「ドラムとセクシーを担当しているEXSY!」と紹介さると、「イェー!こんにちは~!」と元気いっぱいのEXSY。
そして「こんばんは、Enikです。よろしく~!」とEnikの挨拶に続き、最後は「ボーカルとギターを担当しているMOONです!」とMOONが挨拶。
続けて「今日が今回の来日公演の最後のライブです。本当にみなさんに会えて幸せで、これが最後だと思うと悲しいです。」と言うMOONにメンバーから「でも明日、イベントがある!」とツッコミがあるも、「ライブは最後だけど、僕たちが会うのは最後じゃないから、悲しまないでください。」と優しい言葉が。
かと思うと「ライブが終わったら、おいしいものを食べたいんですけど、おすすめの食べ物は?」とファンに質問。「ラーメン!」の声が上がると、今度は食べたいものを聞かれたJAMESが「チャーシューメンお願いします!もっと玉子!」と回答。Enikは女性の声で話してくれるスマホの翻訳アプリを使い、「私はすしが好き!」と音声を流し会場の笑いを誘うと、EXSYは「うなぎ!うなぎは(スタミナがつくので)男にいい。」と発言。会場から「セクシ~!」の声が上がり、照れながら「ありがとうございます。」とEXSY。
再び、MOONが「今日のキーワードは何?」と確認すると、「ジャンプ~!」と会場。同時にEXSYが「セクシ~!」と叫び、キーワードが“セクシーなジャンプ”に変更されたところで、次の曲へ。
ここからはカバー曲が続き、Cutting Crewの『DIED IN YOUR ARMS』、ONE DIRECTIONの『PERFECT』を披露。カバー曲も数多く手掛けている彼らだけに、ROYAL PIRATES色あふれる仕上がりとなっていた。
特に『PERFECT』では、EXSYがファンをバックに自撮りしたり、MOONが客席に降りて会場を一周してファンと触れ合ったりと、ファンサービス満点。MOONはギターを持たないステージだったので、「みなさんと近くで会えるチャンスだったから、うれしかったです。」とファンと近くで触れ合った喜びを語っていた。
3つめのカバー曲はEXSYがソロステージで披露した尾崎豊の『I Love You』。
歌う前には「昨日来てくれた人がたくさん見えますね。本当にありがとうございます。うれしいです。今日は最後のライブだから悲しいけど、また来るから待っててください。日本(の方)が、本当にやさしいから、いつか日本に住みたいです。どこ(に住むの)がいいですか?お勧めしてください。そして、いい歌手がいたら、僕のインスタにコメントしてください。フォローして、いいねもしてください(笑)。」と流ちょうな日本語で話すと、自身で演奏するギター1本で『I Love You』を熱唱。大好きだという尾崎豊の曲だけに、気持ちたっぷりに歌い上げ、MOONの歌声とはまた違った魅力のストレートな歌声で、会場を釘付けにしていた。
続いては、JAMESがソロステージでDJを披露。
「みなさん、いっぱい会いたかったです。本当に心から会いたかったです。またこうして日本のステージに立てたことをとてもうれしく思っています。これからもずっと会いましょう。」とコメントし、曲がスタート。『TOKYO-149』と名付けられたその曲は、例のサンプラーも多用され、幻想的な仕上がり。途中、Enikが一瞬ステージに登場し客席を煽る場面も。
「日本に来る前に僕が一番初めにお見せしたかったのが、このトラックです。次のトラックは、僕が楽器を替えた時に、とても助けてもらったトラックです。僕の先生、Enikさんとのコラボステージでお見せします。」と言って、Enikを呼び込むと、JAMESの「You’re beautiful man!」の言葉を受けて、Enikも「JAMES、きれいです。」と一言。そして、Enikは先ほどの翻訳アプリで「私は日本が大好き。」と伝えると、「一緒に狂ってみましょう!Go Crazy!」というJAMESの言葉をさらに翻訳アプリにかけ、結果は「夢中になる!」。これにはファンも爆笑し、次の曲『TOKYO-128』へ。
最後はMOONとEXSYも登場し、ノリノリのダンスを見せ、ソロステージが終了。
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