韓国ドラマ『魔女の法廷』のDVDリリースを記念した特別試写会が27日、都内にて行われ、日本人初のK-POPアイドルとして活躍したタレントの藤原倫己、韓国国際文化交流振興院 東京通信代表を務め、NHK「テレビでハングル講座」の講師としても知られる阪堂千津子、司会の韓流ナビゲーター田代親世が登壇した。
本作は意表を突いた設定とハイテンポなストーリー展開が魅力でKBS演技大賞4冠を獲得し韓国でも話題を呼んだ法廷ラブコメディー。韓国の検察内にある女性・児童被害対策部を舞台に、セクハラ問題やリベンジポルノなど、性犯罪を中心に社会問題を扱ったドラマとしても注目を集めた。
ミステリージャンルのドラマが好きな藤原は本作に関して、「本当にスカッとする。ずっと空かないジャムの瓶が空いたときのような。それくらいのスカッとする場面がどこかに必ずあるので、見ていて気持ちよかったですし、もちろんハラハラ部部分もありました」「ハラハラする分だけ、スカッとした時の爽快感がたまらないですよね。本当によくできていると思いました。脚本を書くのにすごい取材したのではないでしょうか」と阪堂。「韓国でパート2を作ってほしいと声があった時、俳優や演出家は“やりたい”と言っていたが、脚本家だけが“ちょっと考えさせて”と言っていたくらい、時間をかけて作っており、(脚本家は)大変だった」と田代が裏話を明かした。また、阪堂は「制作支援に女性福祉部も入っているからかなり忠実にいろんなことを再現されているのもリアリティ度が高いところ」とコメント。
また本作はターゲットが性犯罪に絞って描いているとことがほかのミステリーやサスペンスとは一線を画すところだが、阪堂は「描写が忠実である一方でドロドロしすぎず、性犯罪を題材にはしているものの、性犯罪を通して社会問題に切り込んでいこうというのが上手」と絶賛。さらに「本当に有名な性犯罪に関する事件はほとんど網羅している。韓国では先日、性犯罪で告発された元知事の性犯罪法廷の判決が無罪になりましたが、その理由というのが、ひと言でいうと“被害者らしくないから”。つまり、こんな女性が(性犯罪の)被害者にならないだろうと。そういうドラマのようなことが現実に起きているんです」と、ドラマのような判決に会場からも驚きの声が上がっていた。
藤原も「10年前にはうやむやにされていたことも、今では表にして、弱い立場の人が訴えることができるようになった強さも、このドラマには描かれている」とコメント。また藤原は「いろいろなことをもっと気をつけないといけない時代。僕も表に出る仕事がら、いつも自分が“太ってる太ってる”と言っているけど、それを聞いて傷ついている人がいるかもしれない」と語り、阪堂が「“こんなので犯罪者になったら大韓民国の男は全部犯罪者だ!”という台詞がすごい。現状はこういうことが現実にあるのではないかと思う。でも、女性としても気をつけないといけない。特に年下の男性に対して、セクハラにならないように気をつけないと」とコメントすると、藤原は「僕もヌナ(お姉さん)たちには気を付けます」と笑いを誘った。
本作ではセクハラやリベンジポルノほかにも、韓国エンタメ界の闇の部分も描かれており、K-POPグループ『A’st1』のメンバーとして活動した藤原は「芸能界の黒い影の部分は売れた人しか分からない。僕はあまり言いたくないですが」と前置きしながらも、「僕らは多国籍アイドルグループだったんです、日本人の僕や韓国のメンバー、その中に中国人のメンバーがいて財閥の息子だったんです。その彼がちょこちょこ問題を起こしたり、練習をしなかったり。どう考えてもデビューには他にいい人選があったと思うし、歌もサビを一緒に歌うだけでいいのではと思うんですけど、必ずパートを歌ったりして、あれは何か黒いお金が動いていたのでは…」と元メンバーに対する“疑惑”を明かし、会場は大爆笑となった。
『魔女の法廷』はNBCユニバーサル・エンターテイメントより9月4日(火)DVDリリースされる。