2018年11月17日(土)、韓国KBSアナウンサーで詩人でもあるイ・サンヒョプが東京・神保町のCHEKCCORI(チェッコリ)にてトークイベントを開催した。
今回のトークイベントでは、2018年4月に詩集『사람은 모두 울고 난 얼굴(人は皆泣いているが、私の顔は)』を出版した詩人イ・サンヒョプとして、トークと詩の朗読を披露。
10年前にNHKハングル講座に出演していた頃からの熱心なファンが会場に詰めかけた。
イベントは、「詩とは何か」をテーマに、難しいと思われがちな現代詩の「イメージを壊していこうと思っています。」というサンヒョプの意思のもと、大学の講義のような形式で行われた。
スクリーンに絵画や楽譜を写しながら、「詩は絵のように抽象的なもの」「詩はもともと歌だった」という自身の解釈を示し、「詩というのは楽譜であり、楽譜はそれを演奏する人によってさまざまな演奏の形になります。」と話すと、会場も徐々に理解が深まっていった様子。
さらに自身が選んだものから、会場のファンのリクエストがあったものまで、いくつかの詩を朗読すると、「韓国語の意味が正確にわからなくても、人が読んでいるのを耳にするのは、気分が良くありませんか?これが音楽と同じだという所以です。理解することはできなくても、朗読を耳で聴いて音を感じる。その文章が自分の体を響かせてくれる、そうした感覚を得ることができると思います。」と説得力のある言葉で会場を納得させていた。
ファンからの質問も受け付け、自身の歌のミュージックビデオまで披露。
サンヒョプの率直な姿に、最初は緊張気味だった会場も最後はアットホームな雰囲気になっていた。
最後に「日本で朗読会をするとは、夢にも思っていませんでした。」とコメントすると、イベント終了後もサインや写真撮影にも応じ、ファンとの交流を深めた。
韓国では詩の朗読会を何度か行ったことがあるというサンヒョプだが、日本での開催は今回が初めて。
イベント終了後のインタビューでは、「日本で韓国の詩をこのようにご紹介できて、しかも私の初めての詩集をこうして日本の方にお会いして、ご紹介できて感動しました。神保町が東京の中でも特に私が気に入っている街ですので、そういったことでも今回のイベントはとても意味があったと思います。」とコメントを寄せてくれた。