パク・ウンビン主演の韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のOSTで、一躍日本でもその名をとどろかせた韓国アカペラグループMayTree(メイツリー)。2023年9月には、日韓交流おまつりのシークレットコンサートにも出演し、その素敵な歌声のみならず、緻密で完璧なサウンド・エフェクトも披露し、声の無限の可能性を示してくれた彼らが、満を持して11月3日に日本で初めての単独コンサートを開催した。
このコンサートを成功裏に終えたMayTreeのチャン・サンイン、カン・スギョン、キム・ウォンジョン、イム・スヨン、クォン・ヨンフンが韓流Mpostの単独インタビューに答えてくれた。
【単独インタビュー】MayTree(メイツリー)
―MayTreeはどのようなグループですか?グループ名の由来や、ほかのグループにはないMayTreeだけの魅力を教えてください。
MayTree:こんにちは!MayTreeは、私たちが歳を取っても、またどのような場で活動しても、5月の木のように、いつも青々としたさわやかな気持ちでアカペラをして、音楽に対しても、その枝を育てるような気持ちを持とうと付けた名前です。ほかのアカペラグループと違う点を挙げるなら、人間が生み出す音楽を超えて、人間自体が持つ驚異と感動を伝えたくて、人が表現できる多様な音も音楽の一部に消化してアカペラを作っています。
―歌を始めたきっかけを教えてください。また、ロールモデルや憧れのミュージシャンがいたら教えてください。
スヨン:幼い頃から童謡大会によく出ていて、受賞もしました。そのため音楽、特に歌に対する夢をずっと持っていて、大人になってアカペラに接するようになりました。アカペラ同好会の活動をしながらMayTreeを知り、ファンになり、今はMayTreeとして活動しています!
スギョン:私も幼い頃から音楽に興味がありました。特に音楽が聞こえると、メロディーに沿って歌うのではなく、ハーモニーを入れて歌うことが楽しかったんです。そんなふうに普通の平凡な生活を送っていましたが、リーダーのチャン・サンインが作ったアカペラ同好会に入ることになり、音楽をしながら生きていきたいという考えのもと、MayTreeに合流することになりました。
ヨンフン:高校の時、合唱団で活動をしながらハーモニーに自然に慣れ親しんで、また楽しさを感じました。音楽そのものが楽しくて、大学も実用音楽ボーカル科に進学しました。様々な音楽を楽しみ、演奏しながら過ごしていましたが、MayTreeからオーディションの要請があり、堂々とオーディションに合格して、今このように活動しています!
サンイン:放送局の合唱団で活動していた母親の影響が大きかったです。聴かせてくれた音楽は、The King’s Singers、The Swingle Singersのようなアカペラグループの音楽から、PopではQueenのように素敵なオペラが混ざった音楽まで聴かせてくれました。そのおかげで自然にアカペラ音楽を愛するようになり、大人になってMayTreeを作り、今のメンバーたちと楽しくアカペラ音楽を演奏しています。
ウォンジョン:幼い頃、僕もやはり音楽と歌が大好きでしたし、もともとは声もとてもきれいでした。でも変声期になって、声がどんどん低音に変わっていく中で、アメリカのBoyz ll Menの音楽を聴いたんですが、僕と同じように低い声が歌っていたんです。「あ、これだ!」という気持ちで、僕の声を素敵に使えるアカペラ音楽に関心を持つようになり、ほかのアカペラグループで活動をして、現在のMayTreeメンバーになりました。
MayTree:尊敬するミュージシャンは本当に多いです。でも、特に“声で演奏をする”という表現がよく似合うミュージシャンが好きです。ボビー・マクファーリン、フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルドなど、伝説的な歌手の方々がいらっしゃいますし、The Real Groupのようなアカペラグループも本当に好きです。
―ステージ前に必ずやるルーティンはありますか?
サンイン:僕の場合は、公演前日に必ずたくさん寝ることにしています。そして舞台でリハーサルをする時に舞台を歩き回りながら、舞台の全体的な大きさに慣れるようにします。そうすると、公演でリラックスできる気がします。
スギョン:水をたくさん飲んで、発声のための呼吸法を何度も繰り返します。運動する前のストレッチのようなものです。そして、塩辛いものや辛い食べ物を避けるようにしています。どうしても刺激があるので、お腹の調子が悪くなることがあるんです。
ヨンフン::みんなそうだと思いますが、僕は男の中でいちばん高い音を担当しているので、喉をゆっくり丁寧にほぐすことに集中するようにしています。公演前の食事は適度に辛いものがいいです。体に活力が入ってくる感じがするんです。
スヨン:私もヨンフンと同じく、女性の中ではいちばん高い音を担当しているので、喉をよくほぐしますし、体もよくほぐします。そして、良い歌を歌うために、周りの環境ではなく、自分自身にひたすら集中します。
ウォンジョン:舞台に上がる前に、公演のポスターやパンフレットを入念に読みます。どんな観客の方々がいらっしゃるのか、今日僕たちが準備した音楽を気に入ってくださるのかなど、いろんな想像をしながら舞台に上がる前の緊張感を楽しみます。
―昨年の日韓交流おまつりのステージを拝見しましたが、息の合ったハーモニーの秘訣は何ですか?
サンイン:初めてアカペラを始めてから、しばらくはただ楽しんでいました。そしてある瞬間、もっと素敵なハーモニーを作りたいと思い、その後から僕たちの公演をモニタリングし始めました。残念なところが本当に多かったです。そういう部分を修正するために、たくさんの練習と努力、そして悩みを一緒に分かち合うようになり、現在のMayTreeになりました。それでもまだまだ不足していると思います。息の合ったハーモニーの秘密は、僕たち自身をしっかりと客観的に見つめることができる視野だと思います。
スギョン:私は思いやりと共感です。アカペラはひとりではできない音楽なんです。ほかのメンバーのいろいろな状況と感情の変化に一緒に気を配って共感してこそ、初めて良いアカペラ音楽ができると思います。そこからさらに進んで、観客のみなさんが望むことが何なのか、共感できるように努力しています。
―初めての日本単独公演の感想を教えてください。
ウォンジョン:本当に幸せな公演でした。頻繁に来たいなと強く思いました。
スヨン:今回の公演のために、短い時間でしたが、一生懸命に日本語を勉強したので、たくさんの観客のみなさんに温かい目で見ていただいて、うれしかったです。
サンイン:とても胸がいっぱいになりました。十数年前に日本に初めて来た時、ここで僕たちの音楽をお聞かせしたいと強く思いましたが、今になってその夢が叶ったんだな..と感激しました。僕もやはりもっと頻繁に来て歌いたいと思いました。
スギョン:私は「本当に音楽を丹念に聴いてくださるんだな」と思いました。本当にありがたいことですよね。なぜなら、私たちが準備した音楽は、贈り物のようなものだからです。贈り物を丁寧に受け取ってくださっている感じがして、感心しましたし、感動しました。
ヨンフン:全ての公演がそうですが、今回の日本公演も本当に一生懸命準備しました。2回のコンサートを1日で続けてしなければならないので、大変なんじゃないかと思いましたが、日本の観客のみなさんの温かいエネルギーで本当に疲れを全く感じることなく歌うことができました。
―今回の日本公演で楽しみにしていたことはありますか?
スギョン:日本ならではの感性が込められたアクセサリーやお土産のショッピングです。本当にかわいらしいです。
スヨン:醸造所の訪問です。日本はどのようにしてお酒を作っているのか、直接訪問して見て、飲んでみたいです。韓国と近い国ですが、確かにお酒の味が違うんですよ。
ウォンジョン:いろいろな日本ならではの食べ物を味わうことです。僕は料理に興味があるので、これまでも日本を代表する食べ物、例えばとんかつ、ラーメンなどを食べてみましたが、そのほかにも伝統的な食べ物がたくさんあると知っているので、ぜひ味わってみたいです。
ヨンフン:新宿や銀座など、大都市の人が多いところに行って、そこだけの雰囲気を楽しみたいです。それぞれの国ごとに、大きな都市から感じる特有の感性がありますが、日本の都市もやはり強いインスピレーションを与える感じがあると思います。
サンイン:僕はやはり日本のアカペラマニアにたくさん会ってみたいです。また、アカペラではないミュージシャンの方々にも会ってみたいです。日本の音楽はとても綿密な部分がありますが、どんなところから、そのような感性が引き出されているのか知りたいです。
―日本に来て食べた物で美味しかったものや行ってみて楽しかった場所などはありますか?
サンイン:日本にいる日本人の友達が“唎酒師”(日本酒のソムリエ)になる準備をしています。そのおかげで、日本に来るたびに、その友達と一緒に素敵なお店に行って、いろんなお酒を楽しんでいますが、本当に素晴らしい経験でした。新宿によく行きましたが、特にイカの内臓の塩辛や魚を細かく刻んだなめろうと一緒に飲む日本酒は最高でした。
ウォンジョン:牛タンです。牛の舌を焼いた物ですが、韓国では、牛の舌は普通煮て食べます。焼いた物は初めての経験でしたが、驚きました。帰ってきて、メンバーたちに絶対に食べたほうがいいと話しました。
スヨン:私はまだ日本にあまり来たことがないので、いろんな食べ物を味わったことはないんですが、今回コンサートが終わった翌日に、銀座のうどん屋さんに行って、並んで食べてみたんです。本当に最高の味でした。麺だけ食べても驚くべき味でした。
―日本の好きな歌や歌手がいたら教えてください。
サンイン:私は歌詞のある音楽よりはインストゥルメンタルが好きなほうですから、久石譲さん、坂本龍一さんの音楽が大好きです。久石譲さんの音楽の中では、『ハウルの動く城』のテーマ『人生のメリーゴーランド』、坂本龍一さんの音楽の中では映画『バベル』のテーマの音楽が大好きです。
スヨン:ジブリの音楽です。聴くたびに温かく、感受性にあふれています。音楽を聴くだけで、頭の中に映画の場面がよぎるというのが驚きです。
―今後日本でどのような活動をしていきたいですか?
スギョン:もっと身近になりたいです。そのために愛される音楽を一生懸命に作ることが、私たちにできることであり、またいちばん得意なことだと思います。良い音楽で様々なオンラインとオフラインのステージでお会いしたいです。
サンイン:日本のみなさんは、本当に様々なジャンルの音楽を愛してくださいます。この点がうらやましくもあり、尊敬しています。アカペラという音楽は、音楽のひとつのジャンルではなく、音楽を表現する方法です。そのため、様々な音楽のジャンルをアカペラという表現方法で演奏することができます。その点で、多くの愛を受けられるのではないかという希望を持っています。その愛を受けるために、良い音楽と公演を作って、また日本に来たいと思います。
―日本のファンにメッセージをお願いします。
ヨンフン:ぜひお元気でいてくださいとお伝えしたいです。僕たちも元気で音楽をしていきますので、またお会いする日まで、ぜひお元気で、幸せな日々をお過ごしください。
サンイン:僕たちの音楽を愛していただき、心から感謝しています。いただいた愛とご関心にお応えするために、もっと一生懸命努力します。最近、韓国のドラマのOSTやキャロルのアルバムなどを準備しました。次のコンサートまで、まずはこれらの音楽でみなさんにご挨拶します。
スヨン:次にお会いする時はもっと上手になった日本語の実力をお見せします。みなさんと気楽にお話しして、親しくなりたいです。
スギョン:すぐにまた日本に行きますので、それまで何事もなく無事に過ごしていただきたいという気持ちです。
ウォンジョン:早くまたお会いして、また歌もお聞かせしたいです。その時まで待ちきれないですね。