着替えを終えたケビン、サンヨン、ソヌ、ヒョンジェ、キュー、ジェイコブがステージに戻ると、ここでもネタバレについてお叱りを受けるヨンフン(笑)。改めて会場を見渡したケビンは、「本当にたくさんの方が来てくださいましたね」と感慨深げな様子。ここがツアーの最終地ということで、ヒョンジェがこれまでの記憶に残っていることを尋ねると、キューは今回のツアーで初めてTHE Bがやってくれた「『Breaking Dawn』の掛け声」と即答し、「(今日も)期待しています」とヒョンジェ。
先ほどからメンバーたちが、間違えることを恐れずに、少しでも多くの日本語を使って自分の言葉で話そうとしている気持ちが、THE Bにもひしひしと伝わってきているが、サンヨンも「ツアーをしながら、メンバーの日本語の実力が高まってきているのが不思議です」とコメント。ソヌは、日本のアニメを観て勉強しているため「鳥肌が立つようなセリフを覚えてしまいました」と言って、恥ずかしさで鼻の穴を膨らませながらも「君が好き」と言ってくれた。
トロッコに乗った時に、母と娘で来ているTHE Bをたくさん見たというケビンは、「So sweet」と愛おしそうに話すと、ヒョンジェからは、「お母さんと娘さん、どちらも推しがヒョンジェです。どうしたらいいの?」という、究極の質問も飛び出していた。
また、初めての日本のショーケースで制作したTシャツを着ているTHE Bを見かけたというケビンは、その時のことを思い出しながら、この会場までたどりついたことを感慨深げに語ると、「THE Bのおかげで成長しました」とサンヨン。まだまだこれで終わりじゃないと頼もしく話すヒョンジェは、「次はどこですか?」と尋ね、「君の家!」とソヌ(笑)。「正直、ドームに行きたい」と改めて本心を話すと、「でも、もっともっとがんばります」と言ったところで、5人がステージに戻り、話題は6月13日(火)に日本でカムバックしたミニアルバム『Delicious』へ。
キューが「そろそろ『Delicious』のステージ、いってみたいですか?」と尋ねると、THE Bの反応を聞いたヨンフンが、「え~、声が小さいな、やめようかな」と首をかしげる演技モードに入るも、吹き出してしまい、メンバーの「できる!」の応援で、再度挑戦。またしても吹き出してしまっていたが、ジュヨンが「観たいTHE Bは叫べ!」と気合を入れ直し、ジェイコブが「僕たちのスイートな魅力にハマってください」、ケビンが「So sweet and precious」と甘くささやき、『Delicious』のステージへ。
『Delicious』では、5人が肩を組んで、端の2人が空中ブランコのように足を浮かせてメリーゴーランドのように回転する特徴的なダンスも披露。『WHISPER』に続き、『Water』ではそれぞれが水を持ちながら花道を歩き、ジュヨンをニューがバックハグした場面では、大歓声も起こっていた。
「♪Tu tu ru ru Tu tu ru ru~ SAY!」とエリックが叫ぶと、THE Bも「♪Tu tu ru ru Tu tu ru ru~」と返すコールアンドレスポンスで始まったのは、『THRILL RIDE(REMIX)』。
途中の毎回違うメンバーがソロダンスを披露するダンスブレイクでは、エリックがセクシーでアクロバティックなダンス、続くジュヨンもセクシーダンスで対抗した。
『D.D.D(REMIX)』では、花道を自由に動き回っていたメンバーたちが、途中センターステージに集結。後ろ足を蹴り上げ、倒立体勢から伏せる高度な群舞でダンスの見せ場がスタートすると、ひときわ大きな歓声が上がる。左右だけでなく、上下にも大きな動きがあるこういったTHE BOYZらしいダンスは、スタイル抜群の彼らの動きを、よりしなやかに、美しく見せてくれる。そして最後は、メンバーが円陣を組み、THE Bと共に「THE B!THE BOYZ!GET IT?GOT IT!」で気合を入れ、ステージを後にした。
このセクションでは、特徴的なダンスも多く、パーティー感もある夏らしさ全開の楽曲で、この熱さを吹き飛ばしてくれるような、清涼感あふれるステージを楽しませてくれた。
続いてスクリーンでは、真っ白でふわふわの布団が敷き詰められた空間で眠るメンバーたちの映像がスタート。次第に目覚めると、棒で布をテントのように張り、枕投げまで。そして遊び疲れた11人は再び眠りにつき…ここで映像の世界観を再現した白いオブジェの上に座った真っ白いブラウスを着たメンバーたちが登場。THE BOYZの楽曲の中で、タイトルに“夢”が入っている夢シリーズと呼ばれる楽曲のメドレー『Lucid Dream(자각몽)』~『Daydream』~『Butterfly (몽중)』~『Wings (胡蝶夢)』を披露した。途中、『Butterfly (몽중)』でセンターステージ移動すると、『Wings (胡蝶夢)』では、星が宙を舞うような照明で、ステージを彩っていた。
このセクションでは、夢と現実が入り混じったような幻想的な世界観と甘い歌声で、会場のTHE Bを夢見心地にさせてくれた。
そんな雰囲気から一転、スクリーンには先ほどの白い空間が徐々に退廃していくホラーチックな映像がスタート。眠りから覚めたメンバーたちの顔はどんどんこわばっていき、真っ暗になると、ステージの幕が落ち、『Nightmares (黑花)』で一気に悪夢の世界へ。ダンサーも交えての30人超のしなやかな群舞は圧巻のひと言だった。動きの一つひとつが正確で、3分程の1曲で、クラシックバレエ1本のストーリーを観たような充足感を味わわせてくれた。
宇宙や時空のゆがみを感じさせる映像を挟み、きらびやかな黒いジャケットを羽織った11人がステージに戻ると、『Russian Roulette』『Savior』『Insanity』の3曲を披露。『Savior』では、ポールを使ったダンスで、会場を興奮の渦に巻き込んだ。
クラシカルな気品と耽美的な危うい色気に満ちたこのセクション。この世界観を表現できるのはTHE BOYZしかいない、と思わせる唯一無二のステージだった。
ここでメインステージへと戻り、トークタイムがスタート。やはり何をおいても、この話題に触れないわけにはいかないという雰囲気の中、「僕たちのポールダンス、どうでしたか?」と口火を切ったジュヨンに、「誰がいちばん上手でしたか?」とハンニョンが尋ねると、「僕です」と即答(笑)。ソウル公演で初めて披露した『Savior』のポールダンスだが、ポールが設置できる会場が限られるため、今回の日本ツアーで可能だったのが、ここさいたまスーパーアリーナだけだったそう。ジュヨンは、韓国での反応が良かったので、「さいたまで、絶対にお見せしたかった」と話していたが、ポールが出現した時点で、THE Bからは悲鳴のような歓声が巻き起こったことからも、このステージへの期待値の高さがうかがえた。また、ポールが長いため、飛行機のエコノミークラスでは載せることができず、ビジネスクラスにグレードアップして、さいたまのためだけに運んできた、というTMIまで披露すると、今度はメンバー個人が準備した特別ステージへ。
まずはジェイコブがback numberの『瞬き』をアカペラで一節歌うと、今度はTHE Bと一緒にハモリも入れながら歌うという、夢のような時間に。これを聴いたソヌは「こんなに美しい声を持っているのに、僕たちは歓声ばかり上げさせてごめんなさい」と謝罪していた(笑)。ハンニョンはヒョンジェも誘って、優里の『レオ』を歌い出したが、出遅れてしまったヒョンジェは、客席のTHE Bに名前を尋ね、“レオ”の部分をTHE Bの名前に替えて歌うという、これもまた夢のようなサプライズ。そしてジュヨンにフラれ、最初はとぼけていたヨンフンだったが、YOASOBIの『アイドル』が流れ出すと、ソヌ、ヒョンジェ、キューと共に、渾身のダンス。「これが、アイドルです!僕たちのダンスよりも、一生懸命踊った気がします」とソヌが話すと、ヨンフンも「僕たちのダンスよりも、歓声が大きかった気がします」と笑いを誘っていた。
ここで本編最後の『Breaking Dawn』『MAVERICK』のセクションへ。近未来的な楽曲にパワフルなパフォーマンスが光るこのセクション。THE Bはメンバーの期待通りに掛け声を完璧にこなしていた。