日本でも高い人気を誇るユン・シユン主演の痛快ドタバタ法廷ラブコメディ「親愛なる判事様」をTSUTAYA先行でDVD好評レンタル中、5月2日(土)DVD-BOX1&2発売、TSUTAYA TVにて先行配信中です。
本作では冷徹なコンピューター判事と呼ばれる双子の兄スホと、前科5犯の不良の弟ガンホの二役を熱演したユン・シユン。
外見は全く同じでも性格は180度異なる二人のキャラクターを、口調や表情はもちろんのこと姿勢や癖にもこだわって演じ分けたシユンの演技は脚本を担当したチョン・ソンイルにも絶賛され、2018 SBS演技大賞で優秀演技賞にも輝きました。
このたび、DVDのリリースを記念して、主演のユン・シユンのオフィシャルインタビューが到着しました!
―2018年SBS演技大賞での水木ドラマ部門男性優秀演技賞の受賞、おめでとうございます。感想をお聞かせください。
賞には二つの意味があると思います。優秀な人へ送られる賞と、これから頑張れという意味での賞があります。今回の賞は、僕のことを信じてくれた結果だと思っています。より良い姿をお見せできる可能性や、それに対する期待をしているという意味だと感じています。だから、頑張らないといけません。この賞によって、誰かをがっかりさせてはいけませんよね。頂いた賞を無駄にしないように努力するユン・シユンになりたいです。綺羅星のような役者がたくさんいるにも関わらず、まだ若い僕が演技で賞を頂いたのは、謙遜ではなく本当に運がよかったのだと思います。
―まず、本作に出演を決めた理由を教えてください。
役者が作品を選ぶということは、とても大切なことですよね。僕なりの基準が必要ですし。演技とは、休まず続けている時に一番輝くのだと思っています。今は僕にとってその時期で、「不滅の恋人」という作品をとても幸せに終わらせることができた直後に、とても素晴らしい作品のオファーを頂けたので、休むのは僕にとって贅沢なことだと思いました。休まずに演技を続けられることが一番のメリットだと感じましたね。僕の好きな脚本家の先生の作品だったので、とてもワクワクしました。
―ハン・ガンホとハン・スホというキャラクターに魅力を感じたのは具体的にどんな部分ですか?
スホという人物は、僕に似ている部分が多いなと思いました。ドラマの中では、とても冷徹なキャラクターですが、ドラマがガンホ目線で描かれているので余計にそう見えるのだと思います。とても合理的で理性的で、事の流れを広い視野から見ることのできる責任感のある人物です。共感したところがたくさんありました。それに判事は、公明正大で感情に流されてはいけません。判事の決断が、社会のパラダイムを変えてしまうかもしれない。無罪判決を下すことで、同じような犯罪がまた起こってしまうかもしれないし、有罪判決を下すことで再発予防になるかもしれない。絶対に、感情に流されてはいけないと思うんです。そういう部分から、スホという人物に対して、共感したところがあって…。でもそれを本作では単に冷たい人物として表現してみました。
反対に、ガンホには、僕が経験したことのない自由奔放な姿を表現しようと心がけました。僕にはあまり持ってない姿でしたが、楽しく演じることができました。僕に似ているのはスホだけど、楽しく演じられたのはガンホでしたね。おもしろいじゃないですか。法廷で暴れて、裏金を貰えなかったとすねてみたり、誰かを刑務所に送ったり。本当にありえないシチュエーションですが、とても楽しかったです。
―前科5犯のガンホと、優秀判事のスホ。正反対のキャラクターでしたが、それぞれのキャラクターを演じる際に何か心がけた点や努力した点はありますか?一人二役を演じ分けた圧倒的な演技力が賞賛されましたが…
ガンホに対して、最初に思い浮かんだ言葉が「不協和音」でした。僕たちの知る法廷ドラマの典型的なストーリーの中で、不協和音を奏でる人物になろうと思いました。できるだけ場違いで、違和感を与えられるように演じました。
スホはガンホとは正反対だったので、まずガンホというキャラクターを完璧に作り上げた後に、スホという人物を作ることにしました。演技面では、むしろスホを演じるのが大変なこともありました。役者にとって、何かを表現することはむしろ楽な事なんです。普段から、何かを表現しなければいけないという圧迫もありますし。でも、スホはそれをグッと堪えなければいけないので苦労しました。感情も抑えなければいけないし、我慢もしなければならない。役者は何かを見せなければいけないという気持ちを常に持っています。特に僕のような、まだ学ぶことの多い役者には、そういう気持ちがあるんです。
―特にスホは優秀判事ということで難しい専門用語もたくさん出てきましたが、習得するコツはあったのでしょうか?
僕がいつも決まりごとのように行っていることがあります。僕なりのルーティーンがあって。撮影に入る二日前には、必ずセリフを丸暗記します。台本が変わる可能性があったり、仮台本だとしても必ず暗記すること。僕たちにとって暗記はとても大切なことだと思うんですよね。丸暗記した後、24時間くらい経つと忘れてしまうんですけど。でも、忘れてからまた暗記し直すと、脳の中で長期記憶に変わって本当に暗記することができるんです。動きを合わせたり演技をするときに、自然と僕の口からセリフが出てくるように、必ず一度忘れる工程を踏みます。だから、正確に覚えるというより早く覚えてから忘れるために、できるだけ早く暗記しようとしています。そして、忘れたセリフを覚え直した時にやっと僕のセリフになるんです。そのルーティーンは必ず守ろうとしています。もし、一日しか時間がなくても、その日に覚えて、その次の日の夜中にまた覚え直すチェックをしています。
以前、イ・スンジェ先生がこんなことをおっしゃっていました。セリフは基本中の基本だと。正直にいうと、主演俳優がNGをだしても周りのスタッフは忙しいからと庇ってくれるのですが、本当は恥ずかしいことなんです。基本中の基本なんです。セリフの準備をしないなら、主人公を演じてはいけないんです。これは、僕の言葉ではなく、イ・スンジェ先生の言葉です。基本なんですよ。どんな手を使ってでも、セリフは覚えなければいけません。
―演じられたガンホ、スホ、それぞれとご自身との似ている点はありますか?
周りから、僕が本当の判事になったらスホみたいになると言われたことがあります。理性的で、マニュアルどおりに行動するから。その通りだと思いました。だからガンホを別の人物みたいに楽しく演じられたのだと思います。実際に、こんな判事がいてはいけないですけどね(笑)。判事は、公明正大で、感情に流されてはいけない。いくら正義という名で悪者をこらしめても、この方法は間違っていますよね。でも僕も視聴者も、実在はしないけど、ガンホみたいな愉快な人物が、悪者よりもっと悪い判決を下して復讐する姿を願っていますよね。スカッとする展開をお見せしたかったというか。だから、ガンホを演じる時はめちゃくちゃな人物を演じるように心がけました。
スホは、本当に僕の思う理想的な人物として演じました。スホと僕は、マニュアル的な姿が似ていると思います。ガンホはあまりにも違った人物なので、演じたいがままに演じました。
何事にもマニュアルは存在すると思います。自分自身を縛り付けるマニュアルではなく、道をはずした時にちゃんと正してくれるようなマニュアルがありますよね。全てのことには責任が伴いますし。責任感を思い出させてくれるけど、自分のことを縛り付けることもあるじゃないですか。現実ではできないけど、ガンホはそれを実現してくれるので楽しかったです。僕も世の中の悪者をやっつけたいけど、ガンホが代わりにしてくれるので楽しかったですね。
―ソン・ソウンを演じたイ・ユヨンさんと共演してみていかがでしたか?
本当に今まで、相手役の女優に恵まれてきました。持つ長所もその人によって違うのですが、その中でも一番の褒め言葉は、演技が上手だという言葉だと思います。演技が上手だと、常に撮影している時でも相手の演技を見ていて面白いし、どんな演技を演じるのか気になります。カメラが回っていても、カメラの緊張ではなく、相手の演技が面白くて感じるときめきなども感じますね。それが僕を緊張させるんです。目が覚めるような感覚です。朝一の撮影の時、相手が熱演すると、緊張します。ユヨンさんは僕にとって、演じる楽しさを感じさせてくれた役者でした。一番基本的な楽しみを与えてくれたんです。今は若い役者として楽しく共演しましたが、こんなに立派で完成された役者と共演できたことを誇りに感じるときが来ると思います。
―最悪な出会いをしたガンホとソウン。一緒に仕事をしているうちに、特別な感情が芽生えました。ガンホはソウンのどこに惹かれたと思いますか?
結局は、正義感だと思います。彼女の強さ。ガンホは、強いように見えても、本当は強いわけではなく自分を守るために強いフリをしてきたんです。誰かにいじめられても負けないように、ハリネズミのように自己防衛をしながら生きてきました。そんな彼が、本当に強い人物に出会ったんです。そして、その強さの内側にある美しさに惹かれました。確信に充ちた彼女の信念にガンホは惹かれたのだと思います。愛らしさを感じたというよりかは、強いフリをしてきた人物が、本当に強い人物に出会ったんです。
ガンホが頼っている人物でもあるので、ポスターでもソウンが法典をバックハグしながらガンホに見せている姿になっています。それが彼らの愛だと感じました。
―ソウンは先輩検事からの嫌がらせにも耐え、勇敢な一面もありましたし、まじめで一生懸命に仕事をこなす姿が印象的でした。そんなソウンをガンホはすごく頼りにしていましたが、一生懸命な女性は好きですか?こんな姿を見たら支えてあげたい!と思うのは?
とても好きです。人は誰しも弱いじゃないですか。僕もそうですし。僕は強い人間になりたいんです。人が強くなるのには、何か守るものがあったり、信念があったり、心の中に何があるのかによって強くなれるんだと思います。人は弱いものですが、強い姿を見せられる時がすごく輝いていて素敵なんです。荒くて攻撃的な意味ではなくて。僕も一日に何度も揺らぐので、強い人物を見るとカッコいいなと思います。隣にいたいし、一緒に学んでいきたいです。だから今でも強い人物や揺らぎのない人物を見ると、ときめきますね。
―演じられていてご自身が楽しみにしていたシーンはありますか?
楽しみでもあったし、心配だったシーンは、法廷でのちょっと間抜けなシーンです。どんな画になるのかすごく気になりましたね。台本で読んだ時にとても面白くて。僕がうまく演じないと、というプレッシャーもありました。そのシーンでの僕の演技に対しては、自分の演技なので残念なところもありましたが、本当に間抜けな感じで映っていたので、ほっとしました。
―ご自身とそっくりの人がもう1人いて、自分の代わりをお願いできるとしたら、何をお願いしたいですか?
徹夜の撮影の時や、相手役がメインのシーンで僕が映るときに力を貸してほしいですね。その間僕は寝たり、トイレに行ったり(笑)。アクションシーンで僕が映る時は、そっくりさんに代わってもらいたいです。いいですね。二人で活動するんです。片方は性格の悪いキャラクター、もう片方は天使のキャラクター。一人は自分勝手に生きて、僕がイメージ管理をしたくないときは片方のふりをしたり。現実ではそうできないので、謙遜しながら生きていきたいと思います。常に優しく、謙虚な態度で。僕が持っているものに感謝し、反省しながら生きていきたいですね。
―ご自身のシーンで、一番気に入っているシーンと、その理由を教えてください。
法廷の前で、ガンホが初めて反省しながら謝罪の涙を流すシーンがあります。僕たちは、常に人生の危機に陥った時「助けてくれ」と法に手を伸ばしますよね。僕たちの考える法とは、常に冷静で冷徹です。でも、その法がガンホというキャラクターを通じて涙を流すんです。もし法が涙を流すとしたら、これが正解じゃないかもしれないけど、僕たちのために泣いてくれたり、暑い日差しの中で日傘を差してくれる存在でいてほしいと望む時がありますよね。とてもファンタジー的な表現ですが、そのシーンにカタルシスを感じました。心に響きましたし、思い切り泣いてみたいと思いました。そんな姿を見てみたかったんです。
―印象に残っているセリフはありますか?
第1話のエンディングで、汗をかきながら緊張しているところに「判決を下します」というセリフが流れるシーン。「もうどうにでもなれ」という表情に変わるシーンですが、それがこのドラマの主張だったのではないかと思います。自分が考えたままにやってみよう、と。
―アドリブなどありましたか?それはどんなシーンですか?
アドリブはドラマに欠かせない要素ですよね。でも、人によって捉え方が違うと思います。僕の中での優先順位は、台本をどれだけきちんと理解して深みのある表現をするのかということが一番です。今はまだそこに集中しようとしています。今は、台本を100%熟知できる能力がほしいですね。でも、いつかは僕もソン・ドンイル先輩のようなアドリブ王になりたいと思っています。
―撮影裏話や、空き時間の想い出など、撮影エピソードを1つで結構ですので、教えてください。
ジェットコースターの上に上るシーンですね。20メートルを超える高さでしたが、実際に上って撮影したんですよ。カメラ監督と僕とユヨンさんの代役の方と一緒に上りました。監督も上ると言って一緒に上まで行ったんです。ユヨンさんは高いところが平気だからと上ってきたのですが、僕が止めました。ユヨンさんは少し安全なところで撮影して、僕だけ代役の方と上りました。些細なエピソードでしょ?(笑)そうやって撮影しました。大きなカメラを持って上がれなかったので、実は携帯のカメラで撮影したシーンがあるんです。一番高いところのシーンでの全体を見ると、スマートフォンのカメラで撮ったので少し画質が荒くて。これこそドラマのビハインドストーリーですね。あまりに高い所だったので、カメラを持って上がれなかったんですよ。普段から絶叫系のアトラクションにはわざわざ乗らないタイプですね。
―撮影終了したら、すぐに役から抜け出せるタイプですか?ある程度は引きずってしまうタイプですか?
すぐ抜け出せるタイプですね。演技の上手な人が抜け出せないのであって、僕は違うんです。僕の中にある姿を演じようとしていますし、僕みたいな役者が新しくキャラクターを創り出すことはできません。オファーを頂いたら、僕が引き出せるキャラクターで作品を選びます。僕が作品を選べる立場ではないけど、もし選択肢があるとしたら、そういう作品を選んでいます。でも、役から抜け出せなかったことはないけど、そのキャラクターが恋しくはなります。その時のセットや、状況が恋しくなる時があります。例えば、「不滅の恋人」のヒロインだったジャヒョンとお互い絵を描きながら夢について語ったシーンだとか、今作のソウンと漢江のコンビニでお菓子を買って話したシーンなどが恋しいですね。あの頃に戻れないじゃないですか。それに、ソン・ソウンはいないし。僕がソン・ソウンに会いたくても会えないので、それが恋しいです。
―本作の見所を教えてください。
法廷ドラマの典型性を徹底的に作った後、それを全て壊すような感じです。本当の法廷のように感じさせることができる、信頼感や権威、重厚感とパワーがある実力派俳優たちがドラマを作り上げて、それをめちゃくちゃにぶち壊すガンホのアクションドラマです。それが、一番のポイントだと思います。
―日本でも度々ファンミーティングを開催していますが、日本にいらっしゃったときに必ず食べるもの、行く場所、お好きな日本食などありますか?
もんじゃ焼きが好きです。手はかかるけど、食べたくなる味。美味しいけど、手がかかりますよね。焼けるまで待ってから、少しずつ食べないといけないし。上のほうはあまり美味しくないから、下のおこげを食べたくて。それも一度にはがすのではなくて、少しずつ食べないといけません。たまに、東京出身ではない日本人の友達に韓国人の僕が案内したりします。「もんじゃ焼き知らないの?食べに行こう!」と言いながら。
日本料理は全般的に好きです。お好み焼きも好きだし。日本料理も好きですよ。韓国ではタッカルビが好きなのですが、少し面倒でもみんなで一緒に作りながら食べる料理が好きなんです。もんじゃ焼きもそうだし、お好み焼きもそうだし。そういう料理が好きですね。
―日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。
俳優のユン・シユンです。今回は「親愛なる判事様」でみなさんにご挨拶することになりました。本当に色んな出来事があった作品です。汗と努力と涙、そして大勢の役者のストーリーが込められていて、その全てがガンホを通して表現されています。現実にはあり得ない不良判事、そのファンタジーを楽しめると思います。痛快でスカッとする法廷乱闘劇「親愛なる判事様」是非、お楽しみください。