ここで1部は終了ということで、ヒョソプは一旦ステージを後に。その間、スクリーンではヒョソプが撮影したVlogの映像がスタート。2部で披露するステージのリハーサルでバンドのメンバーを紹介したり、ステージに対する思いを語ったり、日本に来る飛行機に乗るところや、日本に着いてからの練習風景、焼肉を食べているところから寝る前の姿まで、必見の映像の数々にPaul JJACKも喜んでいた。
そしてカジュアルな衣装に着替えたヒョソプは、サプライズで1階前方の扉から登場。バンドの生演奏をBGMに、しばし客席を回ってステージに到着したヒョソプは、行かれなかった2階、3階、4階のPaul JJACKに謝ると、ピアノの前へ。「緊張します」と言って『Can’t Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)』(原曲:フランキー・ヴァリ)を弾き語りで優しくスタートすると、途中バンドも加わり、オリジナルのアレンジで素敵に歌い上げた。
続いては「日本に来たので、日本の歌を歌うのはどうか」と思って準備したという『I LOVE YOU』(原曲:尾崎豊)へ。前半は韓国語バージョン、後半は原曲の日本語で感情たっぷりに歌うと、「Let’s go!」の声で『Love On Top』(原曲:ビヨンセ)へ。ステージを動き回り、客席もあおりながらノリノリで歌っていた。
『I LOVE YOU』は、ヒョソプが個人的に大好きな曲で、撮影の合間に練習をしたそう。また『Love On Top』は、高校生の頃から楽しんで聴いていた曲だったので、「みなさんと楽しみながら歌いたかった」と、選曲の理由を明かしてくれた。
再び歌のステージに戻ると、僕が小学生の頃にカラオケに行くといつも歌っていた思い出の曲の中のひとつだと紹介し、『Square’s Dream(네모의 꿈)』(原曲:W.H.I.T.E)へ。深い内容の歌詞だが、童謡のようなかわいいメロディで、小学生の頃、元気に歌っていたであろうヒョソプの姿が目に浮かぶ。続けて『Painkiller』(原曲:Ruel)を伸び伸びとさわやかに歌うと、MCへ。
リラックスして歌っていたように見えたヒョソプだが、たくさんのファンを前にして、「ちょっと緊張してしまいます」と、まだ緊張が解けていないよう。それでも「いつか必ず(カバー曲ではなく)自分のオリジナル曲をみなさんにお聞かせしたいです」と、音楽への情熱を伝えてくれた。
再びピアノの前に座ると、「この曲は僕がもともと好きな曲です」と紹介し、『Gather My Tears(내 눈물 모아)』(原曲:ソ・ジウォン)へ。ヒョソプが出演したドラマ『いつかの君に』のOSTになったので、「一度お聞かせしたくて準備しました」と伝えると、ピアノの弾き語りでスタートし、素敵な歌声を響かせた。
歌い終えると、「僕が本当に共感できる歌詞だったので、思いを込めて歌うことができました」としみじみ語り、「もう最後の曲です」と悲しいお知らせも。
最後の曲を前に、「僕が好きな本から、僕が好きな一節を準備しました」と言って、エーリッヒ・フロムの『愛するということ』を、英語で朗読してくれることになったのだか、まるで映画を観ているような美しい朗読に会場もうっとり。さらに日本語でも「私たちに与えられたこの愛は、ただで得られたのではなく、みなさんと私が選択をして一緒に積み上げた愛だと思います。勇気を出してくれて、ありがとうございます。そしていつも苦しい時に、お互いのそばにいるということを信じているので、この曲を歌います。心から愛してます」と伝え、『Blue Whale(흰수염고래)』(原曲:YB)へ。大海原が見えるような伸びやかな歌声で感情いっぱいに歌い上げ、会場からは大歓声。熱い拍手の中、深々とお辞儀をしてステージを後にした。
アンコールの拍手を受け、再びステージに戻ったヒョソプは、「今日も本当に素敵な思い出をありがとうございます。この素敵なたくさんのエネルギーと愛を持って、また一生懸命生きていくことができます」と気持ちを伝えると、「写真は撮らないといけないですよね」と呼びかけたところで、Paul JJACKからのサプライズ映像がスタート。映像を観たヒョソプは、「ありがとうございます。写真を撮るたびにこんな感じですよね」と照れたように笑うと、今度は本当に記念撮影へ。“오늘도 폴짝이는 효섭이 옆에 있어♡ 사♥랑♥해”(今日もPaul JJACKはヒョソプが隣にいるよ♡ 愛してる)というスローガンも掲げられ、思い出をしっかりと写真に収めると、アンコール最後の曲へ。
ONE OK ROCKが普段から好きだというヒョソプは、「自分が進もうとしている人生の方向性が歌詞に込められているので、お聞かせしたかった」という『Wasted Nights』(原曲:ONE OK ROCK)を選曲。「一緒に楽しんでください」とPaul JJACKに声を掛けると、Paul JJACKも左右に手を振ったり、一緒に歌ったり、最後までしっかりと楽しんでいた。
歌い終えたヒョソプは、すがすがしい表情でステージを端から端まで移動し、Paul JJACKに礼をし、バンドにも拍手を贈ってステージを後にした。
今回、イベントの後半は生バンドを従えてのライブという、予想していなかった構成でファンを驚かせてくれたヒョソプ。とても緊張していたようで、本人はまだまだ納得のいく仕上がりではなかったかもしれないが、透明感と独特の色っぽさがある魅力的な歌声で、心にしみる歌を届けてくれた。曲のジャンルも多岐に渡り、これまでヒョソプが触れてきた音楽の歴史をも感じさせる公演となった。
今後は俳優のみならず、歌手アン・ヒョソプの姿も期待できそうだ。
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