【レポ】キム・ドヒョン&チ・チャンウク『兄弟は勇敢だった?!』マスコミ取材会 at アミューズ・ミュージカルシアター(2/2)
Q.このミュージカルの作・演出のチャン・ユジョンさんは、おふたりから見てどのような方ですか?
チ・チャンウク:この作品のひとつ前に、『あの日々』というミュージカルでチャン・ユジョンさんと一緒に作品作りをしたのですが、その時に本当に頼りになる方で、半分冗談ですけれど、オンマ(お母さん)と呼んでいました。私にとってそういう存在です。
キム・ドヒョン:マスコミ向けですか?本音ですか?(笑)
―両方お願いします。
キム・ドヒョン:ではマスコミのみなさま向けに(笑)。チャン・ユジョンさんはあきらめない信念を持った方だと思います。自分の作品を磨き上げて、少しでもいいものが見つかったらそれを新しいものに取り入れて自分の作品をより良いものにしていく信念を持っているので、たぶん今も裏のほうでは他の役者たちをつかまえて、また演出をしていると思います。そういう方なので、彼女の作品は初演より再演が素晴らしくなっています。そういう作品は少ないと思うのですが、彼女の作品は回を重ねるごとに発展しているそんな演出家だと思います。
本音は…だから、しんどいです。ほんとうにお稽古が大変ですし、お稽古が長いです。ただそれはより良い作品のためなので、それを信じてついて行きます。
Q.歌や踊りや演技といった芸を磨く上で大切にしていること、努力されていることは?
キム・ドヒョン:色々な面を磨くのは、日々、お稽古を積み重ねることのみだと思います。今回日本公演に向けて、『カフェ・イン』の時もそうでしたが、国内で上演する時と違って言葉を直接お届けできない、字幕の助けがありますが、字幕を通してみなさまに届くので、そういう部分で、足りない部分を役者として何ができるかと考えた時に、例えば言葉を発する音とかニュアンスとかを耳で聴いていただくことでお届けできるよう、今回も気を付けて演じています。
チ・チャンウク:この作品をご覧なっていただくとわかると思うのですが、しんどいと言っても、(兄弟)ふたりとお父さんはまだ楽な方なんです。他の先輩たちは後ろでも走り回ってもっと大変なんですが、自分たちも大変です。ですから、この作品に限らずなんですけれど、体力管理、体調管理です。喉もそうですし、今回は特にご飯をたくさん食べて体力作りをしています。それが今回の作品と全体的なところにつながると思って演じています。
Q.兄弟役を演じましたが、実際に兄弟だとしたらどうですか?
(なぜかふたりとも、ものすごくウケて…)
チ・チャンウク:もしも実際に兄弟だったら、愛憎の関係になってしまうと思います(笑)。
キム・ドヒョン:たぶん、両親を疑ったと思います(笑)。どっちかひとりがムムムって感じですね。ちょっとおかしいと思います。ふたりが兄弟というのは。ほんとにイジメじゃないかと思うのですが…彼のように有名になったら「僕の弟だよ、僕の弟だよ」とみんなに自慢して歩いていると思います。
Q.稽古中に楽しいエピソードはありましたか?
キム・ドヒョン:面白い、楽しいというよりも、お稽古が大変だったので一緒に大変さを乗り越えて、一緒にお稽古を積み重ねてきました。僕はすごく汗っかきなんですけど、今まで共演してきたジュボンたちは、みんなすっーとしてて汗をかかなかったのに、彼は自分に負けないくらい汗っかきなので、汗も一緒にかいてくれるので、とても頼もしいです。面白かったというか、ひとつ申し上げられるのは、お父さんが隠したロトを探す時に、コチュジャンの壺を探していて、縁台の上でちょっと妙なポーズになる時、いつもそのポーズのところでどういう姿勢になったとか、弟たちと相談するのですが、今回彼が「大丈夫です。僕があの位置に行きます」と言ってくれたので、そこはすっきりと稽古がしやすかったです。
チ・チャンウク:さっきのシーンのところは(笑)、みなさんすごく色々と考えたり、欲を出されるんですが、僕はお兄さんが言うとおりに従おうと思っていたので今の形になっています。
自分もものすごい汗っかきで、ほかの稽古場などに参加すると、ひとり浮いてしまうぐらい汗をかいて、いつも寂しいというか、ひとり違う感じになっていたのですが、今回はお兄さんが一緒に汗をかいてくれて、そこだけ兄弟で、お兄さんが遺伝だよって言っていたんですが、本当に共に汗をかいて一生懸命楽しく作品作りをしています。
Q.最後に、日本のご覧になってくださるみなさんにメッセージをお願いします。
チ・チャンウク:今日初日を迎える『兄弟は勇敢だった?!』という作品を、これから1か月間、日本のみなさまにお見せすることになります。どのように伝えられるか、ちゃんと伝えられるか、まだ心配があったりするのですが、みなさんも肩に力を入れないで、リラックスして作品を楽しんでいただければ伝わると思いますし、そのためにがんばりたいと思います。そのためにみなさんに宣伝していただき、たくさんの方に観ていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
キム・ドヒョン:(『カフェ・イン』に続いて)2作品目に参加させていただくことは、とてもラッキーだと思っています。そして自分が役者を続けている間にぜひ実現したいと思っているのですが、例えば野球の場合、色々な国の選手が混じって1つのチームで戦っていますが、韓国のミュージカルだ、日本のミュージカルだと分けるのではなく、ミュージカルというひとつのジャンルの中で、韓国や日本や中国の役者やスタッフが一緒になって作品を作り上げるのが自分の夢でもあります。みなさんはその第一歩に一緒に参加してくださったので、またよろしくお願いいたします。
退場する時に、入場した時と同じようにセットの門から出て行こうとしていたのに門が開かず、しかたなく下手側に退場しようとしていたら門が開き…というチグハグな段取りで、ふたりが戸惑いつつみせた笑顔がとても自然でかわいらしかったです。
『兄弟は勇敢だった?!』は、笑いあり感動してジーンとする場面もあり、観ていてとても楽しいミュージカルです。そして、何と言っても、アンサンブルの人達のレベルも高く、歌もダンスもリズム感のあるステージで、公演時間140分があっという間に感じるほど面白い作品です。
キム・ドヒョンは『カフェ・イン』を観た方は、知っての通り実力派、チ・チャンウクは、ドラマでは『笑ってトンヘ』『僕らのイケメン青果店』『ペク・ドンス』『蒼のピアニスト』などで活躍する人気俳優で、ミュージカルでも、第7回ザ・ミュージカル・アワードで新人賞を受賞するという注目の俳優さん。そしてこの『兄弟は勇敢だった?!』は、2008年ザ・ミュージカル・アワードのベスト小劇場ミュージカル賞を受賞したほか、これまで5回の再演を重ね、観客が選ぶいちばん人気のあるミュージカルに選ばれている作品。
これが、日本語字幕付きで、日本で公演が観られるわけです。観ないわけにはいきません。このミュージカルは、人気アイドルグループSHINeeのオニュや、B1A4のサンドゥル、イ・ジフン、TraxXのジェイ、チョン・ジュナなど、たくさんの人たちが演じてきました。
若手俳優の中でもトップクラスで注目されるチ・チャンウクと実力派俳優キム・ドヒョンの夢の舞台を、この機会にぜひ!
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『兄弟は勇敢だった?!』
<ストーリー>
兄のソクボンと弟のジュボンは父親の訃報を聞き、3年ぶりに安東(アンドン)の実家に帰ってくる。
久しぶりの再会にもかかわらず、2人は会うや否や口げんかを始める。
葬式が行われる日の夜、美しく神秘的な女性オ・ロラが兄弟を訪ねてくる。
法律事務所から来たというロラは、亡くなった父親が宝くじの1等を当て実家のどこかにその宝くじが隠されていると告げる。
見つけたものが独り占めしてもいいという遺言に、事業に失敗したソクボンと、就職に失敗したジュボンは、人生の逆転を夢み、宝くじとロラを手に入れるため壮大な兄弟げんかを繰り広げる。
やがて2人がみつけた真実とは・・・。
作・演出:チャン・ユジョン
作曲:チャン・ソヨン
キャスト:(1)7月30日(火)~8月15日(木)
ソクボン役:キム・ドヒョン/ジュボン役:チ・チャンウク
(2)8月16日(金)~9月1日(日)
ソクボン役:キム・ジェボム/ジュボン役:チョ・カンヒョン
公演時間:140分(1部 55分/休憩 20分/2部 65分)
料金:SS席 8,000円
S席 7,000円
テハンノシート 3,000円(場面により一部見えにくい箇所があります。当日券のみ)
詳細:アミューズミュージカルシアター公式HP(http://amuse-musical-theatre.jp)へ