2018年はNHKで『冬のソナタ』が放送されてから15年という韓流ドラマ節目の年。ということで、ここでスペシャルゲストのユン・ソクホ監督が『冬のソナタ』で音楽監督を務めたイ・ジスと共に登場。
ユン監督が「こんにちは、お会いできてうれしいです。」と日本語で挨拶すると、ジスも「こんにちは、私は作曲家イ・ジスです。」と日本語で。日本好きで知られるユン監督、この夏も北海道に友達と行ったのだそう。
『冬のソナタ』をはじめ、『春のワルツ』『夏の香り』などでもタッグを組んでいる2人だが、ジスとの作業にこだわる理由についてユン監督は「私の考えを上手く理解し、それを本当に上手く表現してくれるので、何度も一緒に仕事をしたいと思います。」と語り、以心伝心の関係であることを明かした。
一方のジスも「映像を観てから曲を作っていくというパターンが多いんですが、映像を観る場合であっても、その前にユン監督が『ここが重要だ』というディテールを話して下さいますし、実際にどういう感じで表現したいのか、はっきりと単語で演出をつけて下さいます。ですから今では監督の眼差しを見れば、監督が望んでいることがわかるほどになりました。」と美しい音楽が生まれる過程を明かしてくれた。
今まで作業して、完璧に息が合ったと思う楽曲を聞かれると、ユン監督は、ジスの楽曲はいつも完璧だが、その中でも自分が思っていた以上のものができたと思う楽曲として、『春のワルツ』の楽曲を挙げた。
また、昨年監督初の劇場映画として発表した日本映画『心に吹く風』については、「ドラマは最初から脚本が最後まで出来上がっているわけではなく、撮影をしながら並行して脚本が上がってきて、映像を撮っていくのにとても忙しく、長いスパンで作品を見据えて作業をすることが難しいですが、映画は脚本も出来上がっていて、キャスティングも決まっていて、じっくりと考えることができる時間的な余裕があるので、とても満足のいく仕事でした。私にとっては新しい挑戦でもありましたので、今までとは違う新しい感覚を得ることができました。」とユン監督。
同じくタッグを組んだジスは「日本映画は初めて担当しましたが、一番難しかったのは言葉の面です。演技をしている俳優さんのセリフ、表情やニュアンス、日本の文化的なものなど、演じている方の感情に合わせて、曲も作っていかなくてはいけないという部分が難しかったです。ただ、ユン監督が細かい部分まで説明して下さったので、上手くできたかな、と思います。」とその苦労を明かした。
最後にユン監督から「『冬のソナタ』から始まったみなさんとのご縁がずっと続いて、今日このようにみなさんとお会いできたことをうれしく思います。これからもこういったみなさんとの出会いが続けばいいなと、そのためには自分自身ががんばらなければいけないな、と思っています。」と挨拶があると、ここで先ほど話題になったドラマ『春のワルツ』から『Love Poem』、ドラマ『ラブレイン』からは『Shiny Love』の2曲をジスがピアノ生演奏で披露。会場が一気にユン監督のドラマの世界に包まれた。
そして最後はRYUが、誰もがイントロを聴いただけでその情景が浮かぶであろう『冬のソナタ』のテーマ曲『最初から今まで』を歌いながら登場。歌い終わると、大きく「アンニョンハセヨ」と挨拶し、トークでは仲の良い古家との息ピッタリの掛け合いを見せ、会場を楽しませた。
自身も曲作りを手掛けるRYUはOSTについて、「あらすじをいただいた瞬間、面白い宿題をいだたいたようで、これを解決していく、監督さんを満足させるように、映像やドラマの中の愛しさ、美しさなどを想像しながら作るのが楽しいです。」とその制作過程の楽しさを語った。
また突然「いきなり告知させていただきます。」と言って、自身のYouTubeチャンネルを開設予定であることを告白。簡単なハングルを教えたり、得意な料理を教えたり、という内容になるそうで、とても楽しいチャンネルになりそうだ。
自身の音楽が家族をつなぐ、例えばお母さんと娘さんが「あの曲聴いてる?」という話題でつながることに喜びを感じているというRYU。最後は会場に呼びかけ、『My Memory』を全員で歌って、コンサートを締めくくった。
(完)←前頁へ