トークでは、「夢じゃないでしょ?昨日本当に夢見てる感じで…。寝る前に(昨日の公演の)モニターして、みなさんの笑顔見て、やっと現実だと思った」と、うれしそうに話すジュンス。何度も「現実なんだろうか?」と思ったと語っていたジュンス。メディアの露出もないし、兵役もあり長い年月を待ってくれている日本のファンはいるのか不安にかられ、ステージに立った時も夢なのか現実なのかわからなかったと語っていた。
そして、トークのあと歌った曲は『Out Of Control』。
Fraktal氏が携わった作詞・作曲・プロデュースのセクションで、Fraktal作曲・作詞ジュンスの『Out Of Control』、Fraktal&ジュンス作詞・作曲『Set Me Free』、Fraktal&ジュンス作詞・ジュンス作曲で、妖艶な骨盤ダンスが印象的な『Lullaby』と続いた。
「今回はダンスナンバーをやろうと思った」と言ってくれたように、ダンサーがマイケルジャクソンのダンスで登場すると、マイケルの曲から日本での懐かしい曲のダンスメドレー(SKY-Rising Sun-Purple Line-MIROTIC-Summer Dream)で、一気に盛り上げ会場を沸かせた。
インタビュー映像では、「日本の新しいトレンドなジャンルの音楽をやるより、日本語で歌う僕の声を聴かせたい。新しい日本語のシアの曲を録音してアルバムを発売したい」と抱負を語った。
その後、日本のファンのために用意してくれたDAOKO×米津玄師のカバー曲『打上花火』を、正確な音で美しく丁寧に歌うジュンス。自分の歌のように歌いこなしているジュンスに驚嘆と称賛の歓声が上がった。
そして、ジュンスのライブでは、お馴染みの名物コーナーとなった“ジュンスタイム(ジニータイム)”。会場のファンから3つのお願いを聞くコーナーでは、ジュンスが作曲した『Rainy Night』や太陽の末裔のOST曲『How can I love you』や、『時ヲ止めて』『明日はくるから』などの歌をアカペラで歌って、ファンの願いを叶えて喜ばせた。
ジニータイムが終わると、久しぶりに歌うというBeeTVドラマ『五年後のラブレター』の主題歌のOSTの名曲『悲しみのゆくえ』。この曲は、ジュンスの歌の表現力が際立っていて、どんどん歌に吸い込まれていく。以前、作詞した松井五郎氏がブログで「気持ちを込めて歌ってもらえるものを目指して作りたい。代表作になってくれればありがたいし、結果的に数字を残せなくても、長く大切にしてもらえたら嬉しい。…聴いてくれる人たちが、そこに生身のアーティストを実感できるような言葉を紡ぐことができればいいのだが。ドラマにも現在のjunsuにも響く内容を考えて作りたかった。『幸せは終わるより変わる方が僕にはさみしい』という一節は、遠く近い距離で家族を見守り続けるドラマの主人公の気持ちでもあるが、自分の思いとは別の方向へ進む現実に翻弄される男の歌でもある。…、時には、いっそ終わってしまった方が楽な『幸福』もある。終わった『幸福』なら、美しい記憶にもできるかもしれない。しかし、終わることのできない『幸福』を、そして、その『幸福』が思わぬ方向へ変化していくのを、受け止めるのはとてもつらいのではないか。歌がrealityを持つかは、発信する側からの意図だけでは成立しない。聴いてくれた人との作品を通じての交信が、その歌を脈打たせることになるのだと思う。その意味で、『悲しみのゆくえ』の辿る先に在る未来を見届けたい。」と書かれていた。この曲が、心に響いてくる理由は、松井さんが作った時に望んでいたような曲になっているからであろう。ライブを聴いてそんな事を思い出していた。