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2020年12月3日07時47分 木曜日 整形やダイエットで人は幸せになれるのか!?イケメン嫌い女子×美醜コンプレックス男子の恋―「欠点ある恋人たち」鑑賞コラム

“ほほ笑みプリンス”アン・ジェヒョンと“美の女神”オ・ヨンソが豪華初共演した、胸キュン・ピュア・ラブコメディ「欠点ある恋人たち」のDVDが好評リリース中です。
そしてこの度「欠点ある恋人たち」の鑑賞コラムが到着しました。

■顔がいい男は性格が悪い!?まったく正反対の外見至上主義
韓国のメイクやファッションが世界中で注目を集めている。ホクロ一つない透明感あふれる美肌や隙のない着こなし、メリハリのある完璧なスタイル。美容整形大国として知られ、学歴もルックスもよくお金がなければ生きづらい社会といわれる一方で、日本でも人気を集めている韓国エッセイ本は「ありのままの自分を愛することが大切」というメッセージを投げかけるものが多い。他人の視線や評価を気にするのではなく、自分の本心に従って生きたいと願う人々も増えているようだ。

ラブコメディ「欠点ある恋人たち」には、それぞれ別の意味で“外見”にとらわれた男女が登場する。オ・ヨンソが演じるヒロインのソヨンは、モテすぎる兄弟3人のせいですっかりイケメン嫌いになった高校教師。同居する輸入車ディーラーの長兄ウォンジェ(ミン・ウヒョク)、ゲイバーで働く次兄ウォンソク(チャ・インハ)、アイドル練習生の弟ソジュン(キム・ジェヨン)に恋する男女からしょっちゅう仲立ちを頼まれ、ときには同棲中の恋人だと勘違いされて女性に髪をひっつかまれるなど散々な目に遭ってきたソヨンは、「顔のいい男は人を泣かせる」という人生の真理を悟る。

そこで自分の恋の相手にはあえて“非イケメン”を選ぶが、なかなか幸せをつかむことができない。序盤に登場するソヨンの彼氏ジョンテは、ある日突然200万円をかけた整形手術でイケメン(5urpriseカン・テオ)に変身。見合いでミスコリア出身の女性と知り合ったと言い、あっさりソヨンを振る。「顔がよくなったせいで性格が悪くなった」とソヨンのイケメン嫌いは加速するばかりだ。おまけに後日、「美容整形をしたことがミスコリアにバレて、縁談が立ち消えになった」と嘆くジョンテの情けない泥酔姿まで目撃してしまう。

一方、アン・ジェヒョン扮するガンウは中学時代、初恋のソヨンに「太っててブサイクだから嫌い」と振られて以来、美醜コンプレックスを抱いている。過敏性腸症候群を患うほど過酷なダイエットに励み、誰もが振り返るようなイケメンに成長したが、心の傷は癒えていない。カフェで自分を盗み見ていた女性から電話番号を聞き出し、わざわざ彼氏に伝えてカップルの仲を壊したりもする。財閥グループの御曹司というスペックに加えて、完璧なルックスを手に入れたものの、イケメン好きな女性に対する恨みを捨てられずにいるのだ。

韓国に帰国したガンウは、15年ぶりに出席した同窓会でちやほやされて満足するが、最も見返したい相手であるソヨンだけは自分に見向きもしない。中学時代の苦い記憶がよみがえり、「ソヨンに復讐する」というとんちんかんな方向に意欲を燃やし始める。

■イケメン兄弟3人の恋模様も見逃せない!


イケメン兄弟3人の恋模様も見逃せない。長兄のウォンジェ役を演じるのは、『レ・ミゼラブル』『ジキルとハイド』など名作ミュージカルの舞台で活躍中のミン・ウヒョク。2015年に『僕らのイケメン青果店』の日本公演に出演し、来日コンサートもたびたび開催している。貢がれ体質の女たらしだったウォンジェが真剣な恋に落ちる相手は、ガンウの姉ガンヒだ。「愛の不時着」ではどこかおっちょこちょいなヘジ役(ヒロイン、ユン・セリの義姉)を演じていたファンウ・スルヘが、勝ち気なキャリアウーマンに変身。財閥グループの本部長として気を張って生きてきたガンヒは、初めて弱さをさらけだせるウォンジェと出会い、自分の中にあった優しさに気づいていく。

チャ・インハ扮する次兄のウォンソクは、筋金入りの遊び人が集まるゲイバーのバーテンで、自身も同性愛者だ。男性から告白されることも多いが、特定のパートナーはいない。「僕は若くて顔も頭もいいのに、なぜダメなの?」と迫る名門大学生に白昼堂々スキンシップをして度胸を試し、「人目を気にする奴は面倒だ」ときっぱりはねつける。うぶな大学生ホドル(チャン・ユサン)が恐る恐るゲイバーにやってくると、「君が来るような店じゃない」とやんわり追い返す心優しい一面も。

差別や偏見にさらされて生きてきた彼は、登場人物の中で最もバランス感覚に優れたキャラクターでもある。失恋して酒を飲みに来た妹ソヨンに向かって「“イケメンはイヤな奴でブサイクは優しい”。それだって立派な外見による差別だ」「心から彼を愛してたら自然に涙が出るし、酒の味も感じない」と諭すなど、数々の名言を繰り出す。

そして、高校生の弟ソジュン役でキレのあるダンスを披露するのは、2014年にボーイズグループHALOのメンバーとしてデビューしたキム・ジェヨン。ドラマ出演は「私たちが出会った奇跡」に続いてまだ二度目だが、驚くほど自然で安定した演技を見せてくれる。大手芸能事務所に所属するアイドル練習生のソジュンは、校内でも一目置かれている人気者。しかし、暗闇が怖くて家に一人でいられないという弱みを持ち、兄姉の前ではかなりの甘えん坊だ。ソヨンの教え子である陸上部のジュヒ(チュ・ヘウン)は、家庭の事情から彼らの家で居候を始め、ソジュンの意外な素顔を知ることになる。

■イケメンだけど性格がいい!でも好きなのは?
イケメンぞろいの本作の中でまたもう一人、重要な役割を果たす人物がいる。クウォン扮する保健教師のミニョクだ。実はガンウのいとこで財閥グループの御曹司だが、周囲にはそのことを隠している。生徒思いで頑張り屋のソヨンに惹かれ、さりげなく気遣うミニョクは、ソヨンに「顔も性格がいい人がいる」ことを気づかせてくれる貴重な男性だ。

しかし、ソヨンが恋する相手はミニョクではない。いけ好かないナルシストに変わっていようとも、ガンウはソヨンにとって15年前から特別な存在だったから。当時はイケメンでもスタイル抜群でもなかったが、ソヨンは絵が上手で心優しい、ぽっちゃりしたガンウのことを大切に思っていたのだ。

復讐のために突然ソヨンに告白して激怒され、「一体何が足りない?完璧な顔とスタイルだろ。僕に告白されるなんて光栄なことなのに」と首をかしげていたガンウは決して“いい男”ではなかった。でも、ソヨンに「中学生の頃のあんたに似てる」と髪の毛が伸びる芝生人形をプレゼントされ、「イモ君」と名前をつけて大切にする姿はとてもかわいらしい。そんなガンウを見たソヨンは、自分よりも背が低かった彼がすっかり成長したことに驚き、「あの頃はすごくかわいかったのに」「本当に大きくなったね」とにっこり。同じ思い出を共有する2人は昔と同じような友情を取り戻し、やがて惹かれ合っていく。

韓国には「目に豆のさやがかぶる」という言葉がある。“好きになれば相手の欠点が見えなくなる”という意味で、「あばたもえくぼ」に似た表現だ。素の自分のままでいられて、欠点すら魅力に思える相手に出会うことは、完璧な理想のルックスの人を見つけるよりも難しく、幸せなことなのかもしれない。

外見ばかりを重視して、完璧な理想の人を探していたガンウとソヨン。性格に欠点を持つ2人は、思い込みや偏見を捨てて、やっと心から大切に思える相手を発見する。しかし、誤解や過去のある事件が原因で、なかなかお互いの本心に気づくことができない。ガンウとソヨンのもどかしい関係はどのように進展していくのか?コミカルかつ切ない恋の行方と、心温まるエンディングをどうぞお見逃しなく!

藤田麗子(フリーライター&韓国語翻訳者)
2009年より韓国在住。俳優、K-POPアーティストなど数多くのインタビュー記事を執筆。
訳書に『宣陵散策』(チョン・ヨンジュン著/クオン)、『簡単なことではないけれど大丈夫な人になりたい』(ホン・ファジョン著/大和書房)、『Amazonで12年間働いた僕が学んだ未来の仕事術』(パク・ジョンジュン著/PHP研究所)がある。

【商品情報】
「欠点ある恋人たち」

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